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書店のステテコ親父 [日常生活]

 帰宅途上で、少し大きめの書店に寄る。「M脇書店」というチェーン店であります。
 本を探してぷらぷらと新刊のコーナーのところを歩いていたら、上は半袖のアンダーシャツ、下はステテコばき、そして手ぶらという、長屋の縁台で将棋のひとつも指してそうな風体のじっちゃんがレジのところにいた。この書店ではあまり見ないタイプの方ですね。
 レジは列ができていて、女性の店員さんがてきぱきと接客をしていた。一人の客が終わると、じっちゃんはわしの番じゃとばかりにカウンターに進む。もちろん「わりこみしないでくださいね」と店員さんは注意をする。注意されるたびにじっちゃんは「あんだんあんがしゃあ」と何やら口の中で毒づいている。なにを言うてるのかわからんなあ。
 手元の呼び出しスイッチでも押したんかなあ、奥からベテランの男性店員がやってきてサービスカウンターのところに立ち「こちらへどうぞ」とじっちゃんを呼ぶ。
「御注文ですか」
「電話でついた、いうて。山田(仮名)や」
「えー、本の名前は……」
 私はもう新刊探しなんかそっちのけになった。
 このじっちゃんの注文した本はなんやろう。
 わくわく。わくわく。
 じっちゃんは大声でただ一言。
「3分間クッキング!」
 見事なオチやおまへんか。そうかあ、「3分間クッキング」かあ。
 なぜステテコのじっちゃんは「3分間クッキング」のテキストを注文したのか。その背景にあるものがなんなのか知りたいなあ。
 人の心配してんと、ばてばてなんやから早く寝なさい。

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