初代若乃花幹士の死 [追悼]
第四十五代横綱、初代若乃花幹士の花田勝治さんの訃報に接する。死因は腎細胞癌。享年82。
私はもちろん「土俵の鬼」の現役時代を知らない。残されたフィルム映像や写真などでしかその取り口に触れることはない。ただ、小さな体で巨漢力士を豪快に倒す、その力強さはそれらの映像から十分に伝わってくる。
私にとっての花田さんは、二子山親方、それに尽きる。一から起こした部屋で、小結二子岳、大関貴ノ花、小結若獅子、横綱二代目若乃花幹士、横綱隆の里、大関若島津、関脇太寿山、小結隆三杉、小結三杉里などなど思いつくまま書きならべただけでも個性豊かな力士を育てた。
審判部副部長時代には実弟貴ノ花に優勝旗を渡し、理事長時代には定年退職直前に甥の貴花田に賜杯を渡した。こんな幸せな親方がどこにいるやろう。
ただ、自分の退職後、分家独立していた実弟貴ノ花の藤島部屋と自分の築きあげた二子山部屋を合併させて貴ノ花に二子山を継がせたときは、ちょっとがっかりしたのを覚えている。まったくカラーの違う部屋を自力で作り上げた藤島親方のやり方に、旧来からの二子山部屋の力士たちが対応できるのか。合併によって魅力的な取り組みが減るやないか。そんなことを考えた記憶がある。
良くも悪くも「花田一族」というものを一番大切にしていたのかもしれん。
しかし、初代若乃花幹士が存在してくれたおかげで、相撲界に魅力にあふれた力士たちがその足跡を残すことができたのは事実。「栃若時代」で相撲人気を国民的なものにし、親方として、そして「土俵の充実」を頑固に貫いた理事長として、ほんまにすごい人やったなあと、この日記を書いていて改めて感じた。
謹んで哀悼の意を表します。
私はもちろん「土俵の鬼」の現役時代を知らない。残されたフィルム映像や写真などでしかその取り口に触れることはない。ただ、小さな体で巨漢力士を豪快に倒す、その力強さはそれらの映像から十分に伝わってくる。
私にとっての花田さんは、二子山親方、それに尽きる。一から起こした部屋で、小結二子岳、大関貴ノ花、小結若獅子、横綱二代目若乃花幹士、横綱隆の里、大関若島津、関脇太寿山、小結隆三杉、小結三杉里などなど思いつくまま書きならべただけでも個性豊かな力士を育てた。
審判部副部長時代には実弟貴ノ花に優勝旗を渡し、理事長時代には定年退職直前に甥の貴花田に賜杯を渡した。こんな幸せな親方がどこにいるやろう。
ただ、自分の退職後、分家独立していた実弟貴ノ花の藤島部屋と自分の築きあげた二子山部屋を合併させて貴ノ花に二子山を継がせたときは、ちょっとがっかりしたのを覚えている。まったくカラーの違う部屋を自力で作り上げた藤島親方のやり方に、旧来からの二子山部屋の力士たちが対応できるのか。合併によって魅力的な取り組みが減るやないか。そんなことを考えた記憶がある。
良くも悪くも「花田一族」というものを一番大切にしていたのかもしれん。
しかし、初代若乃花幹士が存在してくれたおかげで、相撲界に魅力にあふれた力士たちがその足跡を残すことができたのは事実。「栃若時代」で相撲人気を国民的なものにし、親方として、そして「土俵の充実」を頑固に貫いた理事長として、ほんまにすごい人やったなあと、この日記を書いていて改めて感じた。
謹んで哀悼の意を表します。