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佐渡裕が語るバーンスタイン [音楽]

 NHK教育テレビの「知る楽・こだわり人物伝」で、指揮者の佐渡裕さんがレナード・バーンスタインについて語っている。全4回のうち2回目まで見たんやけど、これがすこぶる面白い。なにしろ晩年のレニーに師事し、直接さまざまな言動に触れてきた人の語りだけに、レニーの人柄や音楽に対する姿勢、そしてその豊かな音楽性を肌で感じることができる。佐渡さんは関西人なんで、さすがにサービス精神も旺盛で、楽しくわかりやすく話してくれるのも嬉しい。
 2回目で終生のライバルと自他ともに認めていた帝王カラヤンとの対比などを語っていたけれど、これがまたわかりやすく示唆に富んでいた。カラヤンは自分の手のうちにあるオーケストラを指揮しつつ、ここぞというところで開放し、自分が振っていた理想のオケと目の前にある現実のオケを一瞬にして一つのものにする。レニーは楽団員一人一人に声をかけながら、それぞれの音楽を最初から開放させておいてひとつのものにまとめ上げていく。
 アプローチの方向性は正反対なんやけれど、求めるところは同じやったという佐渡さんの言葉に、「そうやったんか」と気づかされた。
 この「こだわり人物伝」の語り手は時には「なんでこの人が」と思うような人に語らせたりすることもあるけれど、今回の人選はベストやったと思いますね。残り2回(4回目は未放送)も実に楽しみ。クラシック音楽の楽しみ方がより深くなる。明日書店に寄ってテキストを買うてこようかな。

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