情の濃い「肝つぶし」 [演芸]
去年の夏、桂文珍独演会 で三遊亭好楽師匠の「肝つぶし」が陰な感じやったので、はて、「肝つぶし」いうたらこんな陰な噺やったかいなと気になりつつも特に上方落語の方で確かめるということもしてなんだんやけれど、今日のお昼にNHK教育テレビの「日本の話芸」で桂ざこば師匠の「肝つぶし」を放送するということで録画し、夜に聞く。
恩と情愛の板挟みになった男がたまらず涙するというざこば師匠の演出が非常にええ感じで、陽気な噺やないけど、情の濃いええ落語やないですか。これは東西の違いということもあるかもしれんけど、ざこば師匠の人(ニン)というもんなのかもしれんなあ。恩人の息子のためなら自分の妹に刃物を向けようと決心しつつもいざ妹の寝顔を見たらそうもいかん。ぐっと緊張したところへざこば師匠本人にぱっともどって「できまへんで、ほんまできまへん。よめはんやったらぐさぐさぐさっと……いやあ、できまへんできまへん」と一瞬緩和させる。その間のよさ。「笑いは緊張の緩和」あるいは「間と呼吸」というのを地でいってます。ここで観客は一息つくから、修羅場が陰惨にならんのですな。
ああ、よかった。半年前に味わった後味の悪さをやっと口直しできたという感じですわ。噛もうがトチろうがそんなことはものともしないざこば落語の味やね。ひさしぶりにざこば落語を生で聞きたくなったなあ。まあ今月いっぱいは労働で手いっぱいなんでそんな余裕はないか。中止になった春場所のかわりに落語というのもええかもしれんなあ。
2月20日(日)は「たちよみの会」例会です。ご参加をお待ちしています。
恩と情愛の板挟みになった男がたまらず涙するというざこば師匠の演出が非常にええ感じで、陽気な噺やないけど、情の濃いええ落語やないですか。これは東西の違いということもあるかもしれんけど、ざこば師匠の人(ニン)というもんなのかもしれんなあ。恩人の息子のためなら自分の妹に刃物を向けようと決心しつつもいざ妹の寝顔を見たらそうもいかん。ぐっと緊張したところへざこば師匠本人にぱっともどって「できまへんで、ほんまできまへん。よめはんやったらぐさぐさぐさっと……いやあ、できまへんできまへん」と一瞬緩和させる。その間のよさ。「笑いは緊張の緩和」あるいは「間と呼吸」というのを地でいってます。ここで観客は一息つくから、修羅場が陰惨にならんのですな。
ああ、よかった。半年前に味わった後味の悪さをやっと口直しできたという感じですわ。噛もうがトチろうがそんなことはものともしないざこば落語の味やね。ひさしぶりにざこば落語を生で聞きたくなったなあ。まあ今月いっぱいは労働で手いっぱいなんでそんな余裕はないか。中止になった春場所のかわりに落語というのもええかもしれんなあ。
2月20日(日)は「たちよみの会」例会です。ご参加をお待ちしています。