一気読みの夏 [読書全般]
愛すれどTigers「ナゴヤドームで白熱の接戦続く」を更新しました。
この日記を毎日読んでくださっている方は私がテレビしか見ていないダメダメ人間みたいに思えるでしょうけれど、一応本を読む余裕もできているので、ご心配なく。誰も心配なんかしてへんって。
ずっと置いといて一気読み、という形で、この夏休みは文庫本を次々と読破。谷川流「涼宮ハルヒの分裂」「涼宮ハルヒの驚愕(前)」「涼宮ハルヒの驚愕(後)」を一気に読む。シリーズ初登場の重要人物の登場により、展開が二通りに分かれてしまうという構造で物語は進む。強敵の現れる世界と平和の保たれた世界の二つがどのように収束されていくかというあたりが読ませどころ。ただし、作者が苦しんで書いているのが行間から透けて見えるのが読み手にとってはきつい。これまでのシリーズとは明らかにノリが違うのだ。というか、同じ作者の他のシリーズと手触りが似ている。本来は登場人物の勢いに引っ張られるようなタイプの小説を書く人ではないのかも。
有川浩「図書館戦争」「図書館反乱」「図書館危機」「図書館革命」「別冊図書館戦争I」を一気に読む。こちらは登場人物の勢いに筆をまかせるタイプの作家さんなので、その流れに乗ってしまえばぐいぐいと読めるし、展開に無理がなくだからといって先読みをさせないうまさがある。上質のエンターテインメントに「表現の自由」「検閲」という重いテーマをうまくからませてあるところがポイントであることはここに書くまでもないこと。各巻におさめられている作者と故児玉清さんの対談は貴重なもの。
矢野燿大「阪神の女房」を一気に読む。いかにして挫折を糧にして向上していったかというあたりを読ませたいのかな。私はそれよりも捕手としての心構えや投手という特別な人種との付き合い方などに関する部分が面白く読めた。
古川綾子「上方芸人自分史秘録」を一気に読む。砂川捨丸、横山エンタツ、花菱アチャコ、ミヤコ蝶々、五代目笑福亭松鶴、六代目笑福亭松鶴、浪花千栄子、藤山寛美、五代目桂文枝、横山やすしなどなど23人の芸人さんたちの自伝をダイジェスト的に紹介しながらそれぞれの芸に対する姿勢や生き方をコンパクトにまとめあげている。自伝からの抜書きなんで、事実と違うこともあるやろうけれど、そこらあたりは豊富な知識をもとに事実と認められるところを採用している。さすが「ワッハ上方」の学芸員を長年務めてきた著者だけのことはあると感服した次第。
アーサー・コナン・ドイル/深町眞理子訳「四人の署名」を一気に読む。創元推理文庫による新訳版。何度もいろいろな訳者のもので読んできた作品なので、内容に関しては私も十分知悉しているのだけれど、さすがに練達の翻訳家にかかると以前引っかかっていた部分などがするりと読み解ける。こと訳文に関しては本書が嚆矢となるのでは。特にワトスンの結婚に対するホームズの反応のクールさは、他の訳者にはないもの。これまで読んだものだとなんだかワトスンに対してホームズが拗ねてるように感じられるものもあったけれど、深町訳ではそうはならず、あくまで冷静沈着なホームズ像が貫かれている。
以上、夏休みの読書報告でした。現在、平谷美樹「義経になった男」全4巻にとりかかったところ。明後日から稼業再開なのでアニメを見ながらの一気読みは難しいかもなあ。
この日記を毎日読んでくださっている方は私がテレビしか見ていないダメダメ人間みたいに思えるでしょうけれど、一応本を読む余裕もできているので、ご心配なく。誰も心配なんかしてへんって。
ずっと置いといて一気読み、という形で、この夏休みは文庫本を次々と読破。谷川流「涼宮ハルヒの分裂」「涼宮ハルヒの驚愕(前)」「涼宮ハルヒの驚愕(後)」を一気に読む。シリーズ初登場の重要人物の登場により、展開が二通りに分かれてしまうという構造で物語は進む。強敵の現れる世界と平和の保たれた世界の二つがどのように収束されていくかというあたりが読ませどころ。ただし、作者が苦しんで書いているのが行間から透けて見えるのが読み手にとってはきつい。これまでのシリーズとは明らかにノリが違うのだ。というか、同じ作者の他のシリーズと手触りが似ている。本来は登場人物の勢いに引っ張られるようなタイプの小説を書く人ではないのかも。
有川浩「図書館戦争」「図書館反乱」「図書館危機」「図書館革命」「別冊図書館戦争I」を一気に読む。こちらは登場人物の勢いに筆をまかせるタイプの作家さんなので、その流れに乗ってしまえばぐいぐいと読めるし、展開に無理がなくだからといって先読みをさせないうまさがある。上質のエンターテインメントに「表現の自由」「検閲」という重いテーマをうまくからませてあるところがポイントであることはここに書くまでもないこと。各巻におさめられている作者と故児玉清さんの対談は貴重なもの。
矢野燿大「阪神の女房」を一気に読む。いかにして挫折を糧にして向上していったかというあたりを読ませたいのかな。私はそれよりも捕手としての心構えや投手という特別な人種との付き合い方などに関する部分が面白く読めた。
古川綾子「上方芸人自分史秘録」を一気に読む。砂川捨丸、横山エンタツ、花菱アチャコ、ミヤコ蝶々、五代目笑福亭松鶴、六代目笑福亭松鶴、浪花千栄子、藤山寛美、五代目桂文枝、横山やすしなどなど23人の芸人さんたちの自伝をダイジェスト的に紹介しながらそれぞれの芸に対する姿勢や生き方をコンパクトにまとめあげている。自伝からの抜書きなんで、事実と違うこともあるやろうけれど、そこらあたりは豊富な知識をもとに事実と認められるところを採用している。さすが「ワッハ上方」の学芸員を長年務めてきた著者だけのことはあると感服した次第。
アーサー・コナン・ドイル/深町眞理子訳「四人の署名」を一気に読む。創元推理文庫による新訳版。何度もいろいろな訳者のもので読んできた作品なので、内容に関しては私も十分知悉しているのだけれど、さすがに練達の翻訳家にかかると以前引っかかっていた部分などがするりと読み解ける。こと訳文に関しては本書が嚆矢となるのでは。特にワトスンの結婚に対するホームズの反応のクールさは、他の訳者にはないもの。これまで読んだものだとなんだかワトスンに対してホームズが拗ねてるように感じられるものもあったけれど、深町訳ではそうはならず、あくまで冷静沈着なホームズ像が貫かれている。
以上、夏休みの読書報告でした。現在、平谷美樹「義経になった男」全4巻にとりかかったところ。明後日から稼業再開なのでアニメを見ながらの一気読みは難しいかもなあ。