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プリキュアの「赦し」 [テレビアニメ]

 本日、3年生の授業がすべて終了。あとは学年末試験を残すのみ。明日から1週間、ベストを尽くしてほしい。
 さて、昨日書けなかった「スイートプリキュア」の最終回について書く。
 プリキュアたちの敵はノイズという名の怪物。こいつは「不幸のメロディ」を歌うことによってすべての世界から「音」を消し去ろうとする。プリキュアがノイズを倒そうとした時、ノイズは「自分は人々の持つ悲しみから生まれた。自分を倒しても新たなノイズがまた生まれる」と言う。で、プリキュアたちはノイズをただ倒すんやなくノイズを受け入れて喜びに昇華させようとする。ノイズは笑いながら消えていく。そして音を取り戻した町に再びノイズの幼体が現れる。プリキュアたちは新たな災厄を生み出す可能性のあるノイズの幼体を仲間として受け入れる。
 いやあ、これはまたようできたラストであるよ。単純に善悪の色分けをするんやなく、悪をも受け入れた上で共生しようとするという、「愛」の物語なんやね。
 ただ、小さなお子様をお持ちの同僚と話をしていたら、子どもにはちょっと難しすぎたみたい。敵であるノイズが笑って消えていくところが理解でけんかったらしい。
 それはそうでしょうよ。ラスト直前まで絶対悪としてプリキュアと戦い続けてきた敵を「赦す」ということはかなり高度な理性の働きを必要とするやろうからね。
 でも、スタッフの心意気は買いたい。現時点で引っかかった気持ちを持ち続けてくれたら、いつか「ああそうやったんか」と気がつく時がくるやろうという期待が伝わったからね。
 女の子向けのアニメは、男の子向けの単純なバトルものとは違ったものにならざるを得ないと私は思う。私も含む男の子は(おっさんとなった今でも)単純なアホなんですわ。
 こういう高い「志」を感じさせる作品を作り続けられるというところに、東映アニメーションが長年培ってきた「魔法少女もの」の伝統の重さを感じた次第であります。