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灯油ポンプの感触 [日常生活]

 本日は卒業式予行。いろいろと段取りをこなしていかんといかんので、特に感慨もなし。まあ予行の日というのはたいていそういうもの。前任校から卒業学年の担任をするのは数えて5回目になるけれど、感極まるのは当日、いよいよお別れという時やねんな。さて明日はどうか。
 生徒たちが帰ってから式場の整備。私はレンタルの石油ストーブに灯油を補充する係。灯油の容器から手動ポンプを使うてストーブに給油する。ポンプを触るのなんて何十年ぶりやろうね。生家ではずっと石油ストーブで、子どもの私が給油の係やった。今の実家に転居してからはずっとガスストーブかガスファンヒーター。結婚してからも前の団地でも今のマンションでもずっとガスファンヒーター、さらにはガス床暖房。灯油を扱う機会なんかまったくなくなった。

 でも、手は覚えてますねえ。ポンプのどちらを容器に差しどちらをストーブのタンクに差すか、どれくらいあの上の赤い蛇腹ポンプの部分をしゅこしゅことにぎにぎしたらええのか、30数年ぶりに触ったというのに、よどみなく扱える。子どものころに身につけたものはそう簡単になくならんもんなんやねえ。
 あの蛇腹の部分が、使ううちにひびがいって破れたりしたもんです。ひびをおさえながらしゅこしゅこし、ひびの部分まで灯油があがらんように気をつけたりしたものです。
 夕食時に妻とこの話をしていたら、彼女も同様の経験をしていて多いに話が盛り上がる。妻が同世代でよかったというのは、経験の共有というところですね。停電、扇風機の首振りの故障などなど、「そうそうそれそれ」と話がどんどんふくらむ。そんな後ろ向きの話題で喜んでいていいのか。
 給油が終わった後、指先の臭いをかいでみる。灯油の揮発性の臭い。なんか懐かしくなった。明日は若者たちが未来に向かうて羽ばたく日やのに、こんな懐古モードでええんかいな。

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