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カラマーゾフの妹と兄たち [読書全般]

 今日は「たちよみの会」例会。行きの電車の中でもがしがしと読書。
 で、「フランソア喫茶室」でもがしがし読んでいたら、常連のMさんが。彼は文学作品からミステリからあらゆるジャンルの本を読みまくっている人なのでありますが、ドストエフスキーも読書範囲のひとつ。
 と、いうわけで、あとちょっとで読了というところまできている高野史緒「カラマーゾフの妹」の話題に。何しろさっきまでがしがし読んでいた本ですからね。
 亀山訳の「カラマーゾフの兄弟」はまだ読んでない、という彼。他の訳ではちゃんと読んでいて内容もしっかりと覚えているのであります。そこで、「カラマーゾフの妹」で、兄弟たちがどうなっているかというのを登場人物表を見ながら説明すると、「それは面白い!」とくいついてきましたよ。で、「亀山訳で『カラマーゾフの兄弟』を読み直して、それから読もうかなと思ってるんです」と言う。すごいなあ。
 今日は久しぶりに最古参会員のY氏も顔を出してくれて、会そのものが大盛況。相撲から高校野球中継のせいで関西では放送が遅れている「仮面ライダーフォーゼ」や「スマイルプリキュア」の話題まで、盆休み最後の日曜を楽しく過ごしました。
 帰途の電車で「カラマーゾフの妹」のラストを読む。SFファンの心をくすぐるガジェットが当たり前のように登場するあたり、高野史緒らしさ全開ですね。しかも「カラマーゾフの兄弟」を読んでいなくても、ちゃんと話がわかるようになっている、その工夫もうまい。ただ、やっぱりドストエフスキーをちゃんと読んでた方がもっと楽しめたに違いないとは思うたけれど。
 原典の矛盾を解決する一方で、作者のオリジナルである部分(タイトルにもある「カラマーゾフ家に妹がいた」というあたりの絶妙な挿入の仕方など)がその矛盾を解決する大きな役割を果たすなどオリジナリティも満点。
 まあでも原典を読んでからの方がきっと楽しめるだろうなと思わせてしまうところが(物語の構造上それは仕方のないこととはいえ)難点かも。逆にいうと、これを先に読んだ私のような私のような者は、すぐに原典が読みたくなってしまうという効果もある。私はいずれ読もうと新潮文庫版の「カラマーゾフの兄弟」を未読の本棚に寝かしてあったので、かばんに上巻をしのばせておいたのでありますが、「カラマーゾフの妹」を読了後、眠た眼をこすりつつ文庫を読み始めたのでありますよ。

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