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ジャンピング・ジェニイ [読書全般]

 寒さも少しずつ和らいできた。なかなか書類を送ってこなかった退学生も督促した効果があって必要書類を送ってきたので、これですぐに育英会へ転送。気がかりが一つ解消されるたびにほっとする。
 午前中は新転任の先生にレクチャー。午後は会議につぐ会議。慌ただしく毎日が過ぎていく。来週にはもう授業があるので、そろそろ準備もしておかねばならん。焦っても仕方ないので、できることからやって、定時に退出。
 帰宅してナイター中継を見る。タイガースはジャイアンツに3連敗。あれあれ、投手力では向こうより上という下馬評やったのになあ。向こうは何であんなに簡単にホームランを打てるのか。もっとも甲子園やったら入ってへんような当たりのホームランもあったし、そう悲観することはないか。でもジャイアンツに負けると腹が立つ。むろんジャイアンツの選手に、ですよ。明日からはカープ3連戦か。なに、メッセも岩貞も西もあのスワローズ打線を抑えたんやから、カープ打線も封じ込めてくれるはず。ですよね、矢野監督。
 アントニイ・バークリー/狩野一郎・訳「ジャンピング・ジェニイ」(創元推理文庫)読了。「毒入りチョコレート事件」では謎解き自慢の人たちが次々とそれらしい「真相」の論を立てて、リレー式で次の人が論破していくという変則ぶりを見せた作者。本書では「名探偵」ロジャー・シェリンガムが仮装パーティーの最中に自殺した女性の死にまつわる謎を解く……のだけれど、推理していたったら自分が殺人の最有力容疑者になってしまうので、慌てて隠蔽工作を行うというとんでもない展開。死んだ女性が登場人物すべてから嫌われていて、誰もが容疑者になり得るというのがポイント。嫌な人物であるというところをこれでもかこれでもかと見せ、死体が発見されても誰も悼まないという徹底ぶり。それだけに「名探偵」が自分が殺したわけでもないのに大慌てで自殺かもしれない事件を自殺と確定させようと涙ぐましい努力をするのが引き立つのですね。ほんま、バークリーという人はなかなか一筋縄ではいかんミステリ作家ですねえ。本格謎解きもええけれど、こういう一風変わったものも非常に楽しいものですなあ。

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