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ベンスン殺人事件 [読書全般]

 今日は「たちよみの会」例会。午前中は例によってテレビを友とし、昼前に出かける。
 先月は改装中で会場を移したけれど、今月からふたたび「フランソア喫茶室」に。夏のような陽気で観光客も多く、一人で座っていたら空席待ちのお客さんの列が気になって仕方ない。幸い古参Y氏が顔を出してくれたけれど、事情ですぐに退席。15分ほど早めに私も店を出る。
 改装の結果、「フランソア」はヤニで黄ばんでいた壁が白く塗り替えられ、照明が反射してまぶしいくらい。あのちょっとくすんだような感じなのがよかったのになあ。壁を塗り替えたせいかバックに流れている音楽も反響がきついのか耳にうるさく感じられた。しばらく参加してはらへん方は次に来はった時に驚かんように。
 散会後、一人で「丸善」に。新刊の文庫、新書などを何冊か購入。早目に帰宅。
 帰宅してしばらく新聞に目を通したりしてから、録画したプロ野球中継を見る。ジャイアンツの新外国人ビヤヌバエは一時はタイガース入りという話のあった選手やけれど、走者になったら守備妨害まがいのことはするし、守ってはタッチをするのに顔面パンチを食らわすとんでもない選手。原監督はしっかり指導してくれんとそのうち問題児になるかもしれんよ。審判の判定もなんやしらんジャイアンツ有利で、接戦も完封負け。まあビヤヌバエも必死なんやろうから、タイガースの選手も負けんくらい必死でやってね。
 S・S・ヴァン・ダイン/日暮雅通・訳「ベンスン殺人事件」(創元推理文庫)読了。まだまだ読みますミステリ古典。今度はなぜか一度も手にしてなんだヴァン・ダインを手にとりました。作者の第一作ということで、いささか冗長な部分はあるけれど、殺人事件の関係者の容疑を素人探偵ファイロ・ヴァンスが次々と証明して見せたかと思うと自分でその推理の矛盾点を示しては消去法で犯人を絞りこんでいく。このファイロ・ヴァンスという探偵は一種の性格破綻者で、本題に入る前に哲学論や美術論を引き合いに出して煙に巻く。今なら発達障碍と判定されるような人物やけれど、それゆえの天才的なところがあるので名探偵ぶりが発揮されるのですね。心理学的にを連発しながらも、真犯人を割り出す思考過程は論理的なもので、まあいうたらあんまり友だちにしたくないタイプの人ですね。そういう個性的な探偵が登場するのが私はけっこう好きなんで、実は楽しく読めたりもしたんやけれど、謎解きだけをとったら短編小説にしてもよかったというくらい。つまり、ファイロ・ヴァンスというキャラクターをより目立たすために分量を使うてるという感じが私にはしたな。でもそこが楽しかったんやから、ええけどね。個性的な探偵は苦手という人にはあまり薦められんけれども。

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