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「影の総理」と呼ばれた男 [読書全般]

 朝はゆっくり目に起きる。今週の「なつぞら」をまとめて見る。先輩の女性アニメーターのモデルは中村和子さんか。東映動画初期の女性アニメーターというと、中村さんか奥山玲子さんかどちらかかと思うけれど、役名は「麻子」と書いて「マコ」と呼ばれているから、「和子」と書いて「ワコ」と呼ばれた中村さんがモデルやろうと考えた次第。高校生の時分からアニメ関係の本を読みまくって得た知識がまさかこの歳になってみるドラマでよみがえってくるとは。たぶんドラマを見ている人のほとんどはそんなことは考えんと見ていると思うけど。
 午後は月例の京都の医者行き。今月は待合の患者さんが非常に少なく、かなり早く帰阪できた。往路は「京とれいん雅洛」で、座席数が少ないのに観光客や鉄道ファンの子どもたちがようけ乗っていて、座れず。立ったまま読書。復路は普通にすいていて、座れたけれど、本も読まれずうつうつと仮眠。
 帰宅後、追っかけ再生でプロ野球中継を見る。満塁ホームランなどで7回までに10点差をつけられたけれど、8回と9回の攻撃で5点差まで迫る。大差がついてもしゅんとしないのが今シーズンのタイガースのええところですね。試合終了後、午睡。けっこうしっかり寝る。
 菊池正史「『影の総理』と呼ばれた男 野中広務 権力闘争の論理」(講談社現代新書)読了。ひとつの権力に皆が従うことを嫌い、弱者のために権力を握ろうとした政治家として野中広務を描く。著者は日本テレビの政治部デスク。東京出身で私よりも少し下の世代の人。そやから、蜷川府政の悪いところし書かなんだりしてる。リアルタイムで京都の政治状況を見て育った身としては、そこらあたり一面的で物足りない。取材はきめ細かいし、野中という政治家の功罪もわかりやすく説明しているけれど、例えば差別問題などへの切り込みは浅い。野中広務の評伝としては、やはり魚住昭「野中広務 差別と権力」(講談社文庫)の方が問題点に深く切り込んでいておもしろいと思う。特に野中が自民党総裁になれなんだ理由の一つである麻生太郎の総務会での差別発言が本書ではすっぽりと落ちている。また、京都では共産党が強いから解放同盟はそれほど力を持ってなんだはずなんやけれど、そこらあたりの踏みこみも足りない。まずは入門編として本書を読み、そして「差別と権力」を読むと、野中広務という政治家について理解が深まると思う。とはいえ、今、野中ありせばしんぞう総理への忖度などに対して徹底的に抗戦していたやろうという指摘には同感するけれどね。

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