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だれがコマドリを殺したのか? [読書全般]

 今日はお山の学校は学年別校外学習。生徒も教員もほとんど出払っていて森閑としている。私は引率にはあたっておらず、学校で留守番。たまっていた事務作業や来週からの授業の準備に専念。ひとり部屋で自分のペースで仕事ができるのはええけれど、時間をうまく区切って作業を進めんとだらだらしてしまう。こういう時、学校というのはありがたく、定時にチャイムが鳴る。あ、3時間目が終わったな、ここらでコーヒーでも飲むか。という具合です。予定していたことはほぼできたんで、定時に退散。小雨の中、帰宅。
 帰宅してプロ野球中継を追っかけ再生で見る。Bsに逆転負け。そら、Bsにしたら同じ京阪神をフランチャイズとしているのに、しかも自分らの主催試合やのに、テレビでも基本はタイガース応援やもんなあ。意地でも勝ちたいよなあ。しかも相手投手はFAで相手チームに出ていった奴やもんなあ。負けたのは残念やけれど、悔しいとか腹立つとかそういう感情にはならんね。
 イーデン・フィルポッツ/武藤崇恵・訳「だれがコマドリを殺したのか?」(創元推理文庫)読了。久しぶりに古典ミステリを読んだなあ。結婚相手がほぼ決まっている若い開業医が、他の娘に一目ぼれ。相手も一目ぼれで、おじの反対を押し切って結婚。しかしつまらぬ隠しごとをしていたせいで、二人の間には一気に溝ができ、そして妻はついに病死してしまう。ところが妻の死後1年以上たってから、もとの夫に殺人の嫌疑がかかり、という話。オースティンを思わせる男女の中を描く恋愛小説的展開の前半部分から、嫌疑をかけられたもと夫の友人である探偵が冤罪を晴らすべく活躍するミステリ展開の後半部分への切り替わりが面白い。タイトルを見たらヴァン・ダインやクィーンみたいにマザー・グース見立ての殺人事件でも起こるのかと思わせるけれど、実は病死した若妻のあだ名が「コマドリ」なので、それに引っ掛けて作中で探偵がつぶやく言葉がタイトルになっているのですね。フィルポッツは見立て殺人なんてパズルは書かないのです。これまで読んだ2冊と同様、殺人者はサイコパスゆないかと思われる。どうも作者の興味関心はミステリとしての完成度以上に、殺人者の心理を描くことにあったみたいやね。でも、ここで出てくるトリックは、ミステリ初期の作品としてはなかなか斬新なものなんやないかな。男女の機微と本格ミステリが見事に融合した秀作です。でもなかなかミステリ展開にならんので、パズラーの好きな読者はいらいらしてしまうかもね。私は面白く読んだけど。

 6月16日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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