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歴史戦と思想戦 [読書全般]

 愛すれどTigers「連敗続くも山賊打線封じで交流戦終了」を更新しました。

 毎度のこと、月曜日は授業で手いっぱい。で、放課後は奨学金説明会に欠席した生徒向けの追加説明会。これ、明日もあるんやねえ。終了後はぐったり。定時に退散。帰宅後は今日の「なつぞら」を見たり、読書をしたり。
 山崎雅弘「歴史戦と思想戦――歴史問題の読み説き方」(集英社新書)読了。巷に出回る「日本礼讃本」や「嫌韓、嫌中本」のどこが問題なのかを、戦前、戦時中の「思想戦」という大日本帝国がとった作戦と、産経新聞社が始めた「歴史戦」との類似点を指摘することによって明らかにしていく。「歴史戦」の問題が「まず結論ありき」であることや、わざと現在の「日本国」と「大日本帝国」との違いをあいまいにして、「大日本帝国」を否定するものを日本全体を否定する「反日」と決めつけて攻撃したり、現在の政権に反対するものをすべて仮想的である韓国や中国の見方をして日本を否定するものとみなす手法などを論理的に解明していく。もやもやしていたものがすっきりと晴れていく気がする。人権を守ろうとしたりしている人たちを罵倒する人たちの考え方など、理解しがたいところがあったんやけれど、本書のおかげで明確になった。こういう「物差し」になる論を常に心に留め置きたいものである。とはいえ、「歴史戦」を戦う人たちにとってはこれも「反日」ということになるんやろうなあ。なにしろ彼らの価値観のよりどころである「大日本帝国」を否定しているんやからね。もやもやすっきりしない人たちに読んでほしい一冊。できたら「歴史戦」に洗脳されている人たちにも精読していただきたいんやけれど、無理かなあ。

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