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二〇三八年から来た兵士 [SF]

 朝から冷えこむ。お山の学校近辺では、しばしば雪が降った。風も強く、昼休みに一服つけに外に出たら寒いのなんの。仕事部屋もがんがんストーブをたいて暖めた。
 成績処理のほか、親睦会会計のお仕事など細々とした仕事をして、定時に退散。
 帰宅した時にはもうぐったり。体感と視覚で寒さが倍増したからね。雪が降っているというだけで神経なるものが寒いという感覚を増幅させるのでありましょう。
 横になってだらだとテレビを見たりして過ごす。
 パソコンを立ち上げてかきものなどをするのに、CDをやはりパソコンで聴いているんやけれど、昨日からイヤホンをジャックに差しこんでも認識せんようになった。どうやってもパソコン本体からしか音が出ん。ついにイヤホンのジャックもわやになったか。明日は午後からあびこまで行くので、駅前の電器屋でポータブルCDプレイヤーでも探してみるか。
 岡本俊弥「二〇三八年から来た兵士」(amazonオンデマンド)読了。岡本さんの第二短編集。今回も自費出版ではあるけれど、作品内容は出版社から出ているものと比べてもひけを取らん。ひけをとるのは装丁だけ。これはオンデマンド出版なので仕方ない。今回は我々の住む世界と少し時間軸が違う異世界を舞台にしたものや、近未来を舞台にしたものを取りそろえて9編。いずれも全体のトーンは暗い。文体のせいもあると思うけれど、非常に静けさをたたえた印象が残る。表題作は、人混みで銃を乱射した男の述懐。なんと戦いを続けている近未来から来た軍人だと言い張る。本当のことか、詭弁か。「渦」は環境問題と台風の頻発をテーマにした問題作。プラスチックを分解する微生物というアイデアが生きている。「流れついたガラス」は岡本さんの実体験も入っているのか、1970年代の若いSFファンが主人公。ただし、現実の世界とは似て異なる状況化にあるところがみそ。ディストピア小説あり、怪異譚ありとバラエティに富んでいるけれど、基本的には現在の私たちのよってたつ足場が不安になるような、そんな読後感を与える作品を選んでいる。どのような状況にあっても、どこか冷めたような筆致が岡本さんらしい。同じようなテーマを書いたとしても、私やときっともっとセンチメンタルなものかドタバタしたものになるやろうなあ。オンデマンド出版だけしか入手でけんのはもったいない一冊であります。Amazonやと製本したものでもKindleでも読めます。

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