SSブログ

宇喜多の楽土 [読書全般]

 朝から雨。それほど強く降るわけではないけれど、一日しょぼしょぼとうっとおしく降る。
 今日は妖精さんも現れず、平常運転。インターンシップの生徒たちと発表会の準備をする。1日ずっとおつきあい。さすがに疲れる。
 放課後はスローテンポで仕事。定時に退散。
 今日はナイター中継はテレビではCSのみ。あとはネット配信とラジオのみ。帰宅途上の車中で、スマホを取り出しDAZNで飛ばし飛ばししながら見る。帰宅してすぐにラジオをつけ、映像を見たいときだけスマホに切り替え。4時間もかかる試合やったけれど、完敗かと思うたら9回にマルテのホームランで追いついて引き分け。ジャイアンツが負けているので、勝ちに等しい値打ちのある引き分けですな。
 そのあと超高速で相撲中継を録画で見る。せっかくの北の富士さんの解説も、泣く泣く飛ばす。照ノ富士は今日も完勝。
 木下昌輝「宇喜多の楽土」(文春文庫)読了。「宇喜多の捨て嫁」の事実上の続編。ただしここに描かれる宇喜多秀家は、前作の父直家のような狂気をはらんだ人物ではなく、若くして父の後を継ぎ、必死になって内政をこなし、不本意ながら秀吉の力を背景にしなければならない、ひたすら自分に求められるものをこなしていく若者として描かれている。毛利との領地問題、朝鮮出兵での労苦、そして関ヶ原での敗戦を経て八丈島に流される。タイトルの「宇喜多の楽土」は、父が作ろうとした干拓地に、流人などを差別することなく受け入れるというものだったはずだが、最終的には全く違う「楽土」にたどり着くことになる。「宇喜多の捨て嫁」とは違う歴史小説の本道で、秀家の苦悩を我が事と思えるような筆致に作者の作家としての変化を感じた。「天下一の軽口男」のような軽妙な作品など幅広い作風を楽しませてくれる。もう少し作者の他の作品を読んでみたくなった。歴史小説のお好きな方には期待を裏切らない作品としてお薦めしたい。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ: