新・平家物語(十六) [読書全般]
今日も定休日。昨日の深夜にどっさりと録画した番組を見る。私の好きな「王様ランキング」の第2シーズンやら、「魔法使いの嫁」の第2シーズンやら楽しみの多い曜日ではあるけれど。午前中たっぷりかけてテレビを見、昼食後すぐに午睡。
夕刻起きて、駅前の耳鼻科に。今週も通気をびびびびびびびびびとしてもらう。劇的によくなることはないけれど、そやからというて最低週1回は水を飛ばしてもらわんと、膿んだら中耳炎になってしまう。面倒でも耳鼻科には行くかんならん。
帰宅後、スマホで社説のダウンロードなどをしてから、ナイター中継を見る。BS-TBSは6時に中継開始やけれど9時前には中継終了。カンテレは6時10分中継開始やけれど、10時前まで中継してくれる。BS-TBSを冒頭10分間だけ録画し、カンテレに切り替えて録画予約という形にした。試合はベイスターズに京セラドームのお返しをされた形。今季、青柳が初めてめった打ちを食らう。
試合終了後、しばらく読書など。
吉川英治「新・平家物語(十六)」(講談社吉川英治歴史時代文庫)読了。遂に最終巻。吉川英治は以前「宮本武蔵」と「三国志」を読んだので、これで一応代表作は読み通したことになる。本巻では義経の逃避行が描かれる。能楽「安宅」や歌舞伎「勧進帳」でおなじみの安宅の関越えの場面でも、作者はリアリティを出すために白紙の勧進帳を弁慶に読ませたり、弁慶に義経を打ちすえさせたりという芝居がかったことはやらせておらず、関所の番人の富樫の心情を描きこみ、また弁慶の僧侶としての力量を発揮させたりするという形で緊迫した場面を作り出している。しかし、義経の最期はあえてぼかした描き方で「義経生存説」が鎌倉を脅かしたというあたりにとどめている。そして、本巻の真の主役は医師麻鳥と妻の蓬。戦乱の世を生き延び、なんとか静の鼓を義経に渡した麻鳥と、無実の罪で捕えられたりしながらもなんとか夫に世話になった者たちの助けで助かった蓬は都に戻り、やっと戦乱のなくなった都で安寧な生活を取り戻し、二人して吉野へ花見の旅に出、この長い物語を振り返る。保元の乱、平治の乱、平家の栄華、木曽義仲の進撃、頼朝と義経の葛藤、平家の滅亡、鎌倉幕府の強権など、50年に渡る時代の激しい波にもなんとか飲みこまれずにすんだ老夫婦の姿こそ、戦前、戦時、戦後を「国民的作家」として駆け抜けた作者の代弁者やったんやなあと思う。医師としてその時々の時代の主役と接してきて、時には重用され、時には追われということを繰り返しながらも、視線は貧しい者や公正な心の持ち主にだけ向けられていた麻鳥。時には戦意高揚に利用され、時には戦犯扱いされしながらも常に読者に向けてメッセージを発してきた作者。作者の最後の大作である本書は吉川文学の総決算なんやろう。勢いだけでは読み切れず、途中でほかの本を読んだりという回り道もしながら、私もなんとかその長い旅路に最後までついていくことができた。読了後、いささか感無量という気分になったのでありました。
4月16日は「たちよみの会」例会の予定です。新型コロナウィルス感染症についてはマスク着用の緩和はされましたが、決して流行が終わったわけではないので、今月も13:00~15:00の短縮バージョンで行います。ご参加お待ちしています。
夕刻起きて、駅前の耳鼻科に。今週も通気をびびびびびびびびびとしてもらう。劇的によくなることはないけれど、そやからというて最低週1回は水を飛ばしてもらわんと、膿んだら中耳炎になってしまう。面倒でも耳鼻科には行くかんならん。
帰宅後、スマホで社説のダウンロードなどをしてから、ナイター中継を見る。BS-TBSは6時に中継開始やけれど9時前には中継終了。カンテレは6時10分中継開始やけれど、10時前まで中継してくれる。BS-TBSを冒頭10分間だけ録画し、カンテレに切り替えて録画予約という形にした。試合はベイスターズに京セラドームのお返しをされた形。今季、青柳が初めてめった打ちを食らう。
試合終了後、しばらく読書など。
吉川英治「新・平家物語(十六)」(講談社吉川英治歴史時代文庫)読了。遂に最終巻。吉川英治は以前「宮本武蔵」と「三国志」を読んだので、これで一応代表作は読み通したことになる。本巻では義経の逃避行が描かれる。能楽「安宅」や歌舞伎「勧進帳」でおなじみの安宅の関越えの場面でも、作者はリアリティを出すために白紙の勧進帳を弁慶に読ませたり、弁慶に義経を打ちすえさせたりという芝居がかったことはやらせておらず、関所の番人の富樫の心情を描きこみ、また弁慶の僧侶としての力量を発揮させたりするという形で緊迫した場面を作り出している。しかし、義経の最期はあえてぼかした描き方で「義経生存説」が鎌倉を脅かしたというあたりにとどめている。そして、本巻の真の主役は医師麻鳥と妻の蓬。戦乱の世を生き延び、なんとか静の鼓を義経に渡した麻鳥と、無実の罪で捕えられたりしながらもなんとか夫に世話になった者たちの助けで助かった蓬は都に戻り、やっと戦乱のなくなった都で安寧な生活を取り戻し、二人して吉野へ花見の旅に出、この長い物語を振り返る。保元の乱、平治の乱、平家の栄華、木曽義仲の進撃、頼朝と義経の葛藤、平家の滅亡、鎌倉幕府の強権など、50年に渡る時代の激しい波にもなんとか飲みこまれずにすんだ老夫婦の姿こそ、戦前、戦時、戦後を「国民的作家」として駆け抜けた作者の代弁者やったんやなあと思う。医師としてその時々の時代の主役と接してきて、時には重用され、時には追われということを繰り返しながらも、視線は貧しい者や公正な心の持ち主にだけ向けられていた麻鳥。時には戦意高揚に利用され、時には戦犯扱いされしながらも常に読者に向けてメッセージを発してきた作者。作者の最後の大作である本書は吉川文学の総決算なんやろう。勢いだけでは読み切れず、途中でほかの本を読んだりという回り道もしながら、私もなんとかその長い旅路に最後までついていくことができた。読了後、いささか感無量という気分になったのでありました。
4月16日は「たちよみの会」例会の予定です。新型コロナウィルス感染症についてはマスク着用の緩和はされましたが、決して流行が終わったわけではないので、今月も13:00~15:00の短縮バージョンで行います。ご参加お待ちしています。