阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや? [読書全般]
今日は定休日。少し早目に起きて、午前中はひたすら録画した番組を見る。さすがに疲れ、昼食後、午睡しようとしたが、目が冴えて眠れず。読みかけの本を一気に読んでしもうた。夕刻、スマホで社説のダウンロードをしたりしてから、夜はナイター中継を見る。今日の中継はサンテレビ。解説は福本豊さんと糸井嘉男さん。糸井さんはサンテレビの解説初登場。福本さんとは旧知の仲ということもあり、リラックスした感じの天然解説。動体視力が落ちて若手投手の速球が打ちづらくなったので目薬をようけ差したとか。そんなん目薬で見えるようになるの、と妻がびっくりしていたけれど、これが糸井さんの不思議なボケなのです。
試合は西純矢投手が味方の援護を守り切れず敗れる。カープ戦のカード3連勝はならず。試合終了後、しばらく読書。
喜瀬雅則「阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや?」(光文社新書)読了。著者は産経新聞、サンスポで長らくタイガースを担当し、現在は西日本スポーツなどでライターをつとめている元記者。過去のドラフト戦略や大成しなかったドラフト1位の選手への取材、そして藤田平監督解任から吉田義男監督就任の裏で行われたスクープ合戦の顛末など、かなり生々しい記述が多いけれど、決してよくある暴露本ではなく自分がタイガースを担当していた時代のことを数多くの証言で改めて裏を取り、定説となっている事柄の真相を明らかにしていく。例えば中込投手がその悪戯で中谷捕手や山村投手の選手生命を奪ったとされていることなどは、当時のスポーツ紙が憶測で話を広げたもので、中谷氏も山村氏も実は中込氏にいろいろと面倒を見てもろうていたことが明らかになる。藤田太陽投手にしても、山村投手にしても、タイガースのドラフト1位という看板につぶされかけた。東北や北関東でゆったりと育った彼らが大阪人の人間関係の作り方になじめなんだことや、スポーツ紙の取材攻勢に押し流されていったこと、タイガースファンのどぎついヤジに苦しめられたことなどが明らかになっていく。最後に明かされる次期監督選任に関するスクープ合戦の内情では、当時のサンスポのトラ番記者の上司が久万オーナーに食い込み、記者の情報を自分の都合のよいものにねじ曲げて報道するさまや、関西のスポーツ紙各紙の抱える専属解説者の誰が監督になるかで取材が有利になったり不利になったりする状況も隠さず書かれている。はっきりと名前はあげていないけれど、サンスポの人を使いつぶすと言われた上司の見当はつく。そうした内情を暴きつつも、著者はもとタイガース担当記者として、そしてタイガースのファンとして、なんとか正確な情報を本書でタイガースファンに提供しようとしているのは読んでいて強く感じられた。そして、事実を誇張して報道するスポーツ紙や、それに乗っかって面白がる一部のタイガースファンがタイガースを優勝から遠ざけているんやないかという思いはますます強くなった。現在、藤田太陽さんがノンプロの指導者として活躍していたり、飲食店を経営する中込さんが「悪名も、名前が残るというだけでありがたい」と笑い飛ばしていたりする様子を読むと、長年のファンとしてはほっとする思いだ。タイガース中毒みたいなファンはともかく、そうでない人が読むとちょっとそのどぎつさにあてられてしまうかもしれんけれど、阪神タイガースというチームの特殊性は十分にわかってもらえる一冊やと思う。
試合は西純矢投手が味方の援護を守り切れず敗れる。カープ戦のカード3連勝はならず。試合終了後、しばらく読書。
喜瀬雅則「阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや?」(光文社新書)読了。著者は産経新聞、サンスポで長らくタイガースを担当し、現在は西日本スポーツなどでライターをつとめている元記者。過去のドラフト戦略や大成しなかったドラフト1位の選手への取材、そして藤田平監督解任から吉田義男監督就任の裏で行われたスクープ合戦の顛末など、かなり生々しい記述が多いけれど、決してよくある暴露本ではなく自分がタイガースを担当していた時代のことを数多くの証言で改めて裏を取り、定説となっている事柄の真相を明らかにしていく。例えば中込投手がその悪戯で中谷捕手や山村投手の選手生命を奪ったとされていることなどは、当時のスポーツ紙が憶測で話を広げたもので、中谷氏も山村氏も実は中込氏にいろいろと面倒を見てもろうていたことが明らかになる。藤田太陽投手にしても、山村投手にしても、タイガースのドラフト1位という看板につぶされかけた。東北や北関東でゆったりと育った彼らが大阪人の人間関係の作り方になじめなんだことや、スポーツ紙の取材攻勢に押し流されていったこと、タイガースファンのどぎついヤジに苦しめられたことなどが明らかになっていく。最後に明かされる次期監督選任に関するスクープ合戦の内情では、当時のサンスポのトラ番記者の上司が久万オーナーに食い込み、記者の情報を自分の都合のよいものにねじ曲げて報道するさまや、関西のスポーツ紙各紙の抱える専属解説者の誰が監督になるかで取材が有利になったり不利になったりする状況も隠さず書かれている。はっきりと名前はあげていないけれど、サンスポの人を使いつぶすと言われた上司の見当はつく。そうした内情を暴きつつも、著者はもとタイガース担当記者として、そしてタイガースのファンとして、なんとか正確な情報を本書でタイガースファンに提供しようとしているのは読んでいて強く感じられた。そして、事実を誇張して報道するスポーツ紙や、それに乗っかって面白がる一部のタイガースファンがタイガースを優勝から遠ざけているんやないかという思いはますます強くなった。現在、藤田太陽さんがノンプロの指導者として活躍していたり、飲食店を経営する中込さんが「悪名も、名前が残るというだけでありがたい」と笑い飛ばしていたりする様子を読むと、長年のファンとしてはほっとする思いだ。タイガース中毒みたいなファンはともかく、そうでない人が読むとちょっとそのどぎつさにあてられてしまうかもしれんけれど、阪神タイガースというチームの特殊性は十分にわかってもらえる一冊やと思う。