その果てを知らず [SF]
今日は文化の日。今週は大学駅伝の中継のため、日曜朝の「仮面ライダー」などはなし。それだけで日曜気分やない感じですね、いつもの定休日みたい。で、昨夜録画した「きのこいぬ」「魔王2099」などの深夜アニメを見る。「きのこいぬ」は癒し系アニメ。これの原作が「リュウ」連載というのがなんか不思議。
昼食後は午睡。その間に妻は日帰り帰省。起きてから少したまってきた「題名のない音楽会」を見たりする。初心者向けのパガニーニ入門というのを見てたら無性にパガニーニの曲が聴きたくなり、スマホで「24のカプリース」を聴きながら読書など。
妻が帰宅し、夕食をとりながら日本シリーズの中継を見る。ベイスターズが圧勝してホークスを下し、優勝。公式戦3位のチームが日本シリーズで優勝するのはマリーンズ以来。ただ、「ベイスターズ日本一」というのには違和感があるなあ。セ・リーグ公式戦3位のチームがCSという制度のおかげで日本シリーズに出られ、短期決戦でパ・リーグの優勝チームに4勝したというだけのことで、昨シーズンのようにリーグ優勝チーム同士が対戦して7戦目までもつれこんで決着がついたというのとは意味合いが違うように思うわけですね。こういう場合は「日本一」ではなく単なる「日本シリーズ優勝」あるいは「ポストシーズン優勝」くらいにとどめておいた方がええと思う。昨シーズンのタイガースや、その前の年のバファローズならば「日本一」の称号が似合うけれど、リーグ3位のチームは長い公式戦では優勝でけなんだんやから、ほんまに強かったというわけやないと思うのですね。ベイスターズの日本シリーズ優勝にケチをつけるわけやないけれど、「日本一」と言うてしまうとセ・リーグで優勝したジャイアンツや2位のタイガースの方がベイスターズより弱かったことになってしまうのは、なんか違和感を禁じ得ないのです。
ともかく、ベイスターズファンのみなさん、日本シリーズ制覇おめでとうございます。
眉村卓「その果てを知らず」(講談社文庫)読了。眉村さんの遺作がついに文庫化。眉村さんご本人と重なる主人公、浦上映生は癌のため入院中。死を目前にし、主人公は不思議な幻影を見たり、生死について旧友の編集者と語り合うたりする。作中には、主人公の書いた(とされる)ショートショートが何作か入るけれど、これも主人公の見る幻影と重なる感じがし、次第次第に死期に近づく作家の心情が現実と幻影とが混ざり合う形で表現されていく。眉村さんは亡くなる直前まで書き続け、結末部分は原稿とメモを娘さんに託して逝かはったという。まさに絶筆というべき遺作なんやけれど、鬼気迫るものはなく、それよりも生と死、現実と幻影が混ざり合っているところに、その時の眉村さんの思いがそのまま描き出されているという事なんやろうと思う。読みながら、父の臨終や、施設に入っている認知症の母のことなどが脳裏に浮かびあがり、なんとも複雑な感情が湧き出てきた。死に直面した老境のSF作家による、まさに遺言というべき作品。果たして私はこういう状態に陥ったとき、どのような心境になっているんやろう。いろいろと複雑な思いにかられる作品です。
昼食後は午睡。その間に妻は日帰り帰省。起きてから少したまってきた「題名のない音楽会」を見たりする。初心者向けのパガニーニ入門というのを見てたら無性にパガニーニの曲が聴きたくなり、スマホで「24のカプリース」を聴きながら読書など。
妻が帰宅し、夕食をとりながら日本シリーズの中継を見る。ベイスターズが圧勝してホークスを下し、優勝。公式戦3位のチームが日本シリーズで優勝するのはマリーンズ以来。ただ、「ベイスターズ日本一」というのには違和感があるなあ。セ・リーグ公式戦3位のチームがCSという制度のおかげで日本シリーズに出られ、短期決戦でパ・リーグの優勝チームに4勝したというだけのことで、昨シーズンのようにリーグ優勝チーム同士が対戦して7戦目までもつれこんで決着がついたというのとは意味合いが違うように思うわけですね。こういう場合は「日本一」ではなく単なる「日本シリーズ優勝」あるいは「ポストシーズン優勝」くらいにとどめておいた方がええと思う。昨シーズンのタイガースや、その前の年のバファローズならば「日本一」の称号が似合うけれど、リーグ3位のチームは長い公式戦では優勝でけなんだんやから、ほんまに強かったというわけやないと思うのですね。ベイスターズの日本シリーズ優勝にケチをつけるわけやないけれど、「日本一」と言うてしまうとセ・リーグで優勝したジャイアンツや2位のタイガースの方がベイスターズより弱かったことになってしまうのは、なんか違和感を禁じ得ないのです。
ともかく、ベイスターズファンのみなさん、日本シリーズ制覇おめでとうございます。
眉村卓「その果てを知らず」(講談社文庫)読了。眉村さんの遺作がついに文庫化。眉村さんご本人と重なる主人公、浦上映生は癌のため入院中。死を目前にし、主人公は不思議な幻影を見たり、生死について旧友の編集者と語り合うたりする。作中には、主人公の書いた(とされる)ショートショートが何作か入るけれど、これも主人公の見る幻影と重なる感じがし、次第次第に死期に近づく作家の心情が現実と幻影とが混ざり合う形で表現されていく。眉村さんは亡くなる直前まで書き続け、結末部分は原稿とメモを娘さんに託して逝かはったという。まさに絶筆というべき遺作なんやけれど、鬼気迫るものはなく、それよりも生と死、現実と幻影が混ざり合っているところに、その時の眉村さんの思いがそのまま描き出されているという事なんやろうと思う。読みながら、父の臨終や、施設に入っている認知症の母のことなどが脳裏に浮かびあがり、なんとも複雑な感情が湧き出てきた。死に直面した老境のSF作家による、まさに遺言というべき作品。果たして私はこういう状態に陥ったとき、どのような心境になっているんやろう。いろいろと複雑な思いにかられる作品です。