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谷川俊太郎の死 [追悼]

 今日も出勤日。昨日に続いて寒く、マフラーと手袋をして出勤。朝は小雨が降ったりして、余計に寒い。こういう日に登校指導の立ち番なのはきつい。午前中、3コマ連続で同じ内容の授業をする。昼食をとったらもうへろへろ。午後は明日以降に使う教材作成など。定時に退出し、帰宅後寝床で社説のダウンロードなどをする。
 夕食時に相撲中継の録画を見る。大の里が3敗目。1敗には琴櫻、豊昇龍、隆の勝が並ぶ。阿武剋は隆の勝に瞬殺されて脱落。キャリアの差が出たな。2敗は阿炎と尊富士。さすがに尊富士は強い。新入幕優勝はフロックやなかったということやね。向正面解説に元碧山の岩友親方が座り、部屋の鉄砲柱がその圧力で傾いた写真なんてのまで出てきた。碧山怪力伝説として語り継がれる……のかな。
 夕食後、しばらく読書。ついうとうと。気候の急変で自律神経がびっくりしてるんかなあ。
 詩人の谷川俊太郎さんの訃報に接する。享年92。死因は老衰。
 むろん谷川さんの作詞した「鉄腕アトム」の主題歌が私にとってのファーストコンタクトということになるんやろうけれど、それが谷川さんの詩とかいう意識はなかったわな。その名を覚えたのはチャールズ・シュルツの漫画「ピーナッツ」(チャーリー・ブラウンやスヌーピーの出てくるアレです)の翻訳やったと思う。鶴書房から出ていた最初の版のものですね。そのあとは教科書に載っていた詩とか、市川崑監督の映画「火の鳥」の脚本とか、講談社文庫版のマザーグースの訳とか。
 一番好きやったのは和田誠さんと組んだ絵本で「これはのみのぴこ」という作品。1ページ目に「これはのみのぴこ」と蚤の絵が描かれていて、ページをめくると蚤のぴこがいついている猫が出てくる。さらには猫の飼い主やのなんやのページをめくるごとに連想ゲーム的につけ加わり、最後にまた蚤のぴこに戻ってくるというもの。言葉のセンスが違うんやなあ。しかもそれが和田誠さんの絵によってさらに楽しいものになっている。何度読み返したことか。ただの詩人やなく、ほんまに何を書いても多才ぶりを見せられ、その完成に圧倒されていたと思う。
 鉄腕アトムを「科学の子」と表現したセンス。「空を越えて星の彼方」と広がるイマジネーション。「鉄腕アトム」の歌詞が谷川さんによって作られたことは非常に幸せなことやったんやないか。手塚治虫先生と谷川さんという2つの大きな才能が奇跡的に出会った、その時代に生まれた私たちがなんと恵まれていたことか。
 謹んで哀悼の意を表します。
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