本にだって雄と雌があります [読書全般]
今日も寒い1日。午前中は昨夜録画した深夜アニメ、「仮面ライダーガヴ」「ブンブンジャー」などを見る。1本は見るのをやめるものが決まった。どれとは書かないけれど、女の子たちが戦う話というのはよほどストーリーに工夫がないと見続けられんようになってきたなあ。
昼食後、午睡。夕刻起きて社説のダウンロードなどをしてから読書。夕食をはさんで大相撲初場所の初日を見る。横綱昇進のかかる両大関はともに白星発進。琴櫻は隆の勝を慎重な相撲で下し、豊昇龍は粘る霧島を投げる。大の里は翔猿に引き落とされ、横綱照ノ富士は若隆景の肩透かしに苦杯。やはり今場所の主役は琴櫻と豊昇龍か。
相撲を見た後はまたしばらく読書。明日はハッピーマンデーの成人の日でまた休み。休み癖がなかなか抜けませんなあ。
小田雅久仁「本にだって雄と雌があります」(新潮文庫)読了。父親が自分の息子にあてた手記という体裁をとり、蔵書家の祖父と画家の祖母、さらには先祖の話から親戚一同の話をあっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら語り、ところどころに祖父の日記や架空の本の一節をはさんだり。祖父によると書棚の本の位置を変えると、その並ぶ順番によって、雄の本と雌の本の間に新たな「幻書」が誕生するという。祖父はそうやって産まれた本を別な書庫に納めていて、それには祖母の分もあって……という話。なんというのか、そのあちこちに脱線しながらだんだん「幻書」の持つ役割が明らかになっていくんやけれど、その脱線ぶりが傑作。読み手は作者の仕掛けた壮大なほら話に吸いこまれていく。そう、本書はSFというよりファンタジーというよりも「ほら話」なのですね。登場人物が関西弁なのも、そのほら話に効果を与えている。そうそう、本というのはそうやって増えていくのだよなあ、なんて思わず納得してしまうのであります。また、祖父が隠していた戦地でのことを記した日記や、飛行機事故で祖父が子どもたちを助けるくだりなどは非常にリアリティがあって読み手をぐいぐいとひきこんでいく。虚実ないまぜになった「ほら話」に酔わずにはいられない。そういう意味では本書はある種の奇書ともいえる。とにかくその語り口に魅了されたが最後、作品世界から出られなくなってしまうという感じ。読み手を選ぶ作品やと思うけれど、私はこういうの大好物であります。
昼食後、午睡。夕刻起きて社説のダウンロードなどをしてから読書。夕食をはさんで大相撲初場所の初日を見る。横綱昇進のかかる両大関はともに白星発進。琴櫻は隆の勝を慎重な相撲で下し、豊昇龍は粘る霧島を投げる。大の里は翔猿に引き落とされ、横綱照ノ富士は若隆景の肩透かしに苦杯。やはり今場所の主役は琴櫻と豊昇龍か。
相撲を見た後はまたしばらく読書。明日はハッピーマンデーの成人の日でまた休み。休み癖がなかなか抜けませんなあ。
小田雅久仁「本にだって雄と雌があります」(新潮文庫)読了。父親が自分の息子にあてた手記という体裁をとり、蔵書家の祖父と画家の祖母、さらには先祖の話から親戚一同の話をあっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら語り、ところどころに祖父の日記や架空の本の一節をはさんだり。祖父によると書棚の本の位置を変えると、その並ぶ順番によって、雄の本と雌の本の間に新たな「幻書」が誕生するという。祖父はそうやって産まれた本を別な書庫に納めていて、それには祖母の分もあって……という話。なんというのか、そのあちこちに脱線しながらだんだん「幻書」の持つ役割が明らかになっていくんやけれど、その脱線ぶりが傑作。読み手は作者の仕掛けた壮大なほら話に吸いこまれていく。そう、本書はSFというよりファンタジーというよりも「ほら話」なのですね。登場人物が関西弁なのも、そのほら話に効果を与えている。そうそう、本というのはそうやって増えていくのだよなあ、なんて思わず納得してしまうのであります。また、祖父が隠していた戦地でのことを記した日記や、飛行機事故で祖父が子どもたちを助けるくだりなどは非常にリアリティがあって読み手をぐいぐいとひきこんでいく。虚実ないまぜになった「ほら話」に酔わずにはいられない。そういう意味では本書はある種の奇書ともいえる。とにかくその語り口に魅了されたが最後、作品世界から出られなくなってしまうという感じ。読み手を選ぶ作品やと思うけれど、私はこういうの大好物であります。