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大阪がすごい [読書全般]

 今日は定休日。昨日の晩、ばたばたしていた件も片付き、少しほっとする。相変わらず寒い。明け方はまだ雨が残っていたけれど、だいたい一日曇り空。
 毎度のことながら録画したアニメやドラマを見て過ごし、そのあと本を読んだりしてから昼食。食後は午睡。夕刻目覚め、あとは読書。実は宿題もあって、そちらも気にかかっていたんやけれど、本が面白かったので、それは明日に回すことに。夕食後、寝床で読書の続き。寝落ちしてしもうた。そろそろパソコンに向かうかと思うた瞬間、意識が途切れてた。寒い日が続いているので疲れやすくなっているのかな。
 歯黒猛夫「大阪がすごいーー歩いて集めたなにわの底力」(ちくま新書)読了。著者は岸和田生まれで岸和田育ちのライター。上町台地の生成、大阪の過去から現在の歩み、そして鉄道網の発展などについて、著者自身が直接足を運んで調べた大阪のすごさをまとめたもの。何がすごいというて、著者は私と同い年でそこそこ体力が落ちている年齢やと思うのに、生駒山地の高さを実感するために暗峠を歩いて上り、岸和田在住のために今まで乗ったことのなかった大阪モノレールに乗ったかと思うと、天保山から大正まで渡船してみたりと、とにかくサブタイトルにあるように文字通り「歩いて集めた」トピックばかり。梅田の地下街をすべて歩いて、それほど迷わなかったと書いているけれど、梅田ホワイティからディアモール、ドーチカと踏破しようなんて発想するだけですごい。大阪に数か所残っている「ちょんの間」にもすべて足を運んでいて、その違いについても触れていたり。つまり、本書は大阪のすごさをすべて歩いて集めたという、著者のすごさを感じさせる一冊なのです。そやから、単なるルポではなく肌で感じた「大阪」のすごさと、そして問題点が実感として伝わってくる。内容的には新たな発見、というところまでのものはなかったけれど、とにかく著者の行動力には圧倒された。私の率直な感想は「著者はすごい」であります。ただ、大阪に行ったことのない人にはそのすごさはわかりにくいかもなあ。

 2月16日(日)は「たちよみの会」例会です。今月も13:00〜15:00の短縮バージョンです。ご参加お待ちしています。
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監禁面接 [読書全般]

 今日は出勤日。昼前からしょぼしょぼと雨が降り始める。授業は4コマ。間に事務作業やらあれこれと。今年度最後の授業のクラスもあったりして、いよいよ大詰めという感じです。まあ、これから学年末交差やら入試やらで気は抜けないんやけれども。
 定時に退出。やはり小雨がしょぼしょぼ。傘をさすかささないか迷うくらいの小雨。でも肌にあたると冷たい。帰宅してすぐに電話をかける用事があったりしてばたばたと。そのあとは寝床で社説のダウンロードやら読書やら。夕食後、少し読書をして、ついうとうと。寒いと体力がそがれるのだなあ。
 ピエール・ルメートル/橘明美・訳「監禁面接」(文春文庫)読了。例によって積読から引っ張り出す。50歳を過ぎて勤務先が買収合併されたことによりリストラされた男、アランが主人公。いろいろなアルバイトを掛け持ちしながらなんとか暮らしているが、職場でトラブルを起こして首を切られ、なんとか定職につこうと必死。ある一流企業の求人の最終面接に残るが、その面接は「就職先業の重役会議が襲撃、重役たちが監禁され、その重役たちに尋問して彼らの適性を判断する」というとんでもないもの。妻からは反対されるが、これが最後のチャンスと、探偵に大金をはたいて重役たちについて調査させたりするなど準備は怠らない。ところが、最終面接は出来レースで自分は採用されないということが判明。もう後戻りができないアランがとった行動とは……という話。予定していた生活がリストラで水の泡になり、追い詰められた男のとる行動がすべて裏目に出てしまうという展開には同情せざるを得ないけれど、やけっぱちになった彼のとる行動は読み手を混乱させるほど唐突で、先が読めない。彼なりの計算はあるのだけれど、それがまた裏目に出、愛する家族たちを巻きこむ。良かれと思ってとる行動を理解してもらえず、それでも突っ走るしかない主人公の心情が痛い。何度も訪れる危機を切り抜け、それなりに成果は手にしたけれど、失ったもののどれだけ大きいことか。まるでテーマパークのアトラクションのようにハラハラドキドキさせる話なんやけれど、とにかく主人公が常に切羽詰まった状況なので、そのハラハラドキドキはちっとも心地よくない。その心地よくないところが作者らしい。とにかく主人公をいたぶるのが好きな作家なのですよ。読んでいる時はこっちも必死になるし、それが面白さでもあるけれど、この苦みは何なんやと思わせる。その苦みこそが作者の持ち味。でもねえ、中高年の読み手にはちょっときつすぎます。なんと評価してよいか言葉にしにくい作品でありました。
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大一揆 [読書全般]

 今日はカムヤマトイワレビコノミコトが大王に即位したといわれている日。古事記やの日本書紀やのに書かれている内容から推しはかって2月11日と明治になって算出したという極めて根拠の薄い日。なので、「紀元節」という方が「建国記念の日」よりも正確やと思うのですが。まあ祝日なんて、日本では根拠があっても「ハッピーマンデー」で日にちを毎年動かしたりしているんやから、ええかげんなもんです。4月29日は昭和時代は「天皇誕生日」。平成になって「みどりの日」。そして「昭和の日」に。「みどりの日」は5月4日に移った。伝統がどうのこうのという人たちは、祝日に関しては文句をたれんのはなんで、と思います。それはともかく、仕事はお休み。
 午前中はアニメを見たり読書をしたり。午睡の後、社説のダウンロードやら読書やら。煮こみうどんの夕食をはさみ、また読書。産経新聞の社説(主張)は毎年の定番で「建国記念の日であることを学校教育で徹底せよ」というようなことを書いているけれど、カムヤマトイワレビコノミコトが実在したかどうか、実在したとしても記紀の記述に信憑性があるかどうか、そこもすべて説明せんならんし、そんな説明を小学生にしたところで、覚えてはくれんと思うんやけれど、如何。
 平谷美樹「大一揆」(角川文庫)読了。幕末、盛岡藩の描ける苛烈な税に対して、農民たちは何度も一揆を仕掛けては結局失敗し続けていた。主人公の三浦命助はそれまで一揆には関わらんようにしていたけれど、自分の家族を守るために一気に加わることにした。それまで勢いで行き当たりばったりにしていた一揆に対し、計画を立て、その通りに実行に移そうとする。新参者である命助の言葉に最初は耳を傾けなかった者たちも、その計画性に納得し、ついには認めることになる。そして大人数で仙台藩まで移動し、仙台藩から盛岡藩に圧力をかけるようにもっていくのだが、その間、浦賀に黒船が現れたため、各藩は混乱中で……という話。実話をもととした歴史小説で、一揆をここまで細かく描いたものはあまりないんやないか。たいていは武家の棟梁とか歴史の教科書に名前のある人物が主人公となっているケースが多いものね。本書では、まさに命を懸けて自分たちの生活を守ろうとする農民たちの動きを細やかに描きながら、三浦命助という卓抜した人物の行動と、一気に加わった者たちの意識の揺らぎなどを綴っていく。尊王攘夷を叫ぶ浪士たちに対して、命助は批判的で、そこには彼らが幕府を倒しても、結局はまた新しい幕府が生まれるだけという冷静で現実的な視点がある。それはおそらく作者の持つ視点なんやろう。一揆は成功するけれど、命助はそれにおごらず元の生活に帰っていく。ただ、この一揆は坂本龍馬などにも伝わり討幕の参考にもなったという。それなのに幕府が瓦解した後、東北は維新勢の標的とされてしまう。この皮肉なこと。東北人の、そして市井に生きる者から見た明治維新とは、きっと本作のようなものやったんやろうなあと思われる。作者はこの後、盛岡を舞台に原敬につながる歴史を書き続けているので、そちらも続けて読んでいきたい。歴史に名は残っているけれど、その存在がほとんど知られていないし、また支配者にもなろうとしなかった三浦命助という人物がいた。その行動をていねいに描き切った秀作です。

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ソロモンの偽証6 第III部法廷 下 [読書全般]

 今日は出勤日。空き時間は試験問題作成にあてる。共通テストの過去問を参考にとネットでいろいろと見るけれど、あまりええ問題がないなあ。時間ばかり空費する感じ。授業は3コマ。いずれも予定通り進む。来週ですべての授業が終わる。ここからが大変なんですけどね。成績をつけるのが最も手間のかかる作業なのです。冷えこんで体力がもたず、定時に退出。
 バスが遅れていて、その分電車もずれる。駅のホームの寒いこと。そういう構造になってるんやなあ。
 帰宅後、寝床にどぶさり、社説のダウンロードなどしてから、読書。夕食はシチューとパン。食後も読書。切りのいいところでやめようと思うても、なかなかやめられん。明日は祝日で休みなんで、多少寝るのが遅れても構わんのやけれどね。
 宮部みゆき「ソロモンの偽証6 第III部法廷 下」(新潮文庫)読了。ついに完結編。中学生たちの法廷は、次第に駆け引きなしの、まさに真実を知るためにすべてをさらけ出すようなものになってくる。まだナイーブなところを多く残している若者たちが、それでもそれぞれのもつ闇の部分を身を切るようにさらけ出していく様は、迫力満点。謎解きだけのミステリではなく、心の闇を解き明かしていくというミステリ。中学生たちによる「法廷」という設定の意味がそこにある。この裁判で救われたのは誰やったんか。一見、救いのない結果にも見えるけれど、この「法廷」を通じて若者たちが一気に成長していったということが救いになるのかもしれん。そして、この「法廷」が「伝説」になった20年後の藤野涼子の登場する文庫用の描きおろし短編が、貴重な体験をした彼女のベースになっているということを示す。映画化などもされているけれど、あまりそれを見たいとは思わんなあ。なぜなら、この作品は外から見えない若者たちの内面描写によって支えられている物語やから、それを映像という一つ突き放した表現方法で、しかもこれだけ濃密な話を数時間で描き切ることはおそらく不可能やろうと思うからねえ。とにかく文庫本にして6冊。堪能いたしました。宮部みゆき沼にこのままずぶずぶとはまってしまいそう。そうならんように、またしばらくはいろいろな書き手の本を間に挟みながら、少しこの熱が冷めてから宮部沼に少しだけはまるとしましょう。満腹しました。

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ソロモンの偽証5 第III部法廷 上 [読書全般]

 今日は昨日よりも寒さはましに。ベランダに出ても風はほとんどなし。
 「ブンブンジャー」は最終回。ラスボスを倒した後、ブンブンジャーたちが次に何に挑むかも描いているあたり、例年とはまた違う工夫がなされている。なによりラスボスから解放された子分たち「サンシータ」が生き生きしているのがいいねえ。最後の方では上にこき使われるのが嫌になり、ブンブンジャーの味方をしたりしていたものなあ。
 昼食後は午睡。夕刻起きて読書。社説のダウンロードなどをしてから夕食。その後も読書など。明日はお仕事。あまり寒くなければいいのになあ。
 宮部みゆき「ソロモンの偽証5 第III部法廷 上」(新潮文庫)読了。中学生たちによる裁判がいよいよ開廷。柏木は自殺か他殺か。被告人の大出のアリバイを立証しようとする神原和彦と、告発文の正当性や大出のこれまでの悪行を訴える藤野涼子が白熱した弁論を繰り広げる。第I部や第II部で細かく書きこまれてきた証人たちの心情や行動、さらには陪審員たちの描写、判事役の井上康夫の意外な一面などに読み手は引きこまれていく。さらには傍聴人を入れずに開廷する日もあり、そこでは衆目にさらさせてはいけない証人も登壇。新事実も明らかになり……という話。ミステリとしては謎解きの部分にあたる第III部なんやけれど、読み手は被告人が有罪か無罪かは第II部まででわかっている。ということは、この裁判シーンは被告人をどうさばくか、ではなく亡くなった柏木はなぜ死んだのかがポイントとなってくる。作者はこの場面でも思春期の心の揺れなどをリアルに描き出している。そして、裁判に対する大人たちの反応などの描き方が、うまい。大人たちに対する中学生たちの反応にも唸らされる。長年高校生たちと接してきた私でも思わずうならされる場面ばかり。さて、下巻ではついにこの物語に決着がつく。読み手である私は作者の掌の上で転がされていくのを楽しむまで。どんなふうに転がされていくんやろうね。
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ソロモンの偽証4 第II部決意 下 [読書全般]

 今日も冷える冷える。朝から昨夜録画した深夜アニメを見たり、朝に録画した「題名のない音楽会」を見たり。10時前にネットにつないで「チケット大相撲」のサイトにアクセスするけれど、常にアクセスが混んでいてつながらず。40分ほど繰り返し、結局つながったときには前売り券は完売。新横綱誕生ということで殺到したんやろう。こういうのは稀勢の里の新横綱の場所以来。あの時は当日券を手に入れるためにかなり早くから雨の中、体育館まえに並んだんやけれど、さて、この年になるとその体力があるか。それより、当日券の販売があるのか。前売り券だけしか販売せんのやったら、今年は年に一度の楽しみがなくなることになる。当日券があるかどうかは相撲協会のサイトで確認するしかないか。
 昼前に出かけ、月例の京都の医者行き。駅から出たら、積雪の跡がある。やっぱり京都は雪が降ったんやなあ。診療が終わって調剤薬局で薬を買うと、外は雪が吹き降り。寒い。電車で母の入っている施設に行く。やはり地面は積雪。歩いているうちに粉雪が舞い始める。面会終了後、施設を出たらボタン雪がかなり強く降っていた。ダウンパーカーのフードをかぶる。かなりましになった。駅まで歩くのが辛い。阪急の特急で帰阪。帰宅してすぐに布団にもぐりこむ。そのまま読書。キムチ鍋の夕食後は、またも布団にもぐりこみ、社説のダウンロードやら読書やら。
 いやしかしこの寒さ、相撲のチケットをとれずに傷心の身には追い打ちをかけられてるみたいで辛かった。
 宮部みゆき「ソロモンの偽証4 第II部決意 下」(新潮文庫)読了。藤野涼子と神原和彦の証人集めは続く。被告人の大出俊二の子分たちはそれぞれに意志を持って動き出し、仲間割れの末に傷害事件沙汰になる。また、大出の父が逮捕され、大出は混乱。そして告発書をテレビ局に送り付けた人物が判明。中学生たちだけの間と思っていたことが、だんだんと大人の世界に広がり、まだ中学生である涼子たちは常に限界を感じながらも証拠をそれぞれ固めていき、いよいよ開廷直前に……という話。本書では、神原和彦がなぜこの「課外活動」に参加しようとしたのか、野田健一はなぜ弁護人の助手を引き受ける気になったのかなど、裁判に参加する者たちの揺れ動く心情と隠された謎が次々と描かれる。本巻では特に大人の世界と中学生たちの世界がぶつかり合う様子がくっきりと浮かび上がっていく。裁判を開廷するまでの準備などもていねいに綴られているのが、本巻でもこの小説にリアリティを与える。「中学生裁判」というかなり無理のある設定なのに、それを突飛なアイデアとは思わせないところが見事。さて、次巻からはいよいよ裁判になる。涼子や和彦はどれだけ真実に迫れるのか。裁判の過程でどのようなことが明らかになっていくのか、徹夜してでも読みたくなってしまうのであります。さすがに徹夜はしませんがね。
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ソロモンの偽証3 第II部決意 上 [読書全般]

 今日も定休日。ますます寒い。そこらじゅうで豪雪のニュースをやっている。朝から眠た目をこすりながら昨夜録画した深夜アニメを見る。「悪役令嬢転生おじさん」が面白い。今クールでは「全修。」と並んで毎週楽しみにしている。シリアスなものもええんやけれど、私はやはり「笑い」が入っているもの、そしてオタク心をくすぐるものが好きみたいです。
 アニメのほかには今週の再放送「カムカムエヴリバディ」と「べらぼう」を見る。「べらぼう」ではおそらく将来東洲斎写楽として登場するであろう存在を匂わせている。なるほど、そう来たかという感じかな。
 昼食後、午睡。夕刻目覚めたら外は雪。明日は所用で京都へ行く予定なんやけれど、きっと雪の中を歩かんならんのやろうなあ。おお、今から震えてきた。
 目覚めた後はひたすら読書。夕食時はサンテレビ「熱血!タイガース党」を見る。キャンプレポート中心で、選手たちが動いているのを見るのが楽しい。スポーツ紙やと写真だけやからね。
 そのあとは社説のダウンロードをしたりしてからひたすら読書。
 宮部みゆき「ソロモンの偽証3 第II部決意 上」(新潮文庫)読了。藤野涼子はなんとなく丸く収められた柏木と浅井の死の真相が明らかになっていないことに対してもやもやしている。中学3年生の記念行事として文集を作るという段になり、彼女はかつてのクラスメートたちに「自分たちで裁判をする」という提案をする。柏木は自殺だったのか、他殺なら、告発文のように大出たちに殺されたのか。浅井はなぜ事故死しなければならなかったのか。検事役を担うことになった涼子に対し、弁護人役として柏木の友人だったという私立高校に通う神原和彦が名乗りをあげる。かくして涼子たち検察側と神原たち弁護側はそれぞれに調査を始める……という話。校長代理の反対を自分の首をかけて押しとどめる北尾教諭が登場。それまでなんとなく教員を続けてきた北尾は、教員として何をなすべきかに向き合い、涼子たちの顧問としてこの「課外活動」を支える。教員として何をしてきたかを自分に問いかける北尾に、私は自分の姿を重ねてしまう。中学生として限界を感じながら必死にもがく涼子たちよりも、教員に何ができるかという北尾の方が、私には感情移入しやすいのですね。それは、つまり教員として自分に何ができるか、何をしてきたかを私自身に問いかける作業かもしれん。思いもよらぬ新たな証人の登場。さらには火事で自宅と祖母を失った大出の変化、それぞれの立場で裁判にかかわる決意をした生徒たちの心情など、ここでも作者は非常に丹念にその過程を綴る。開廷までに、涼子たちと神原たちはそれぞれどのような新事実を見つけるのか。下巻もさらに楽しみである。
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ソロモンの偽証2 第I部事件 下 [読書全般]

 今日は定休日。やはり寒い。午前中は日曜の午後から録画し、水曜深夜までたまっていたアニメをひたすら見る。さすがにすべては見られなんだけれど、一気に見続け、14本くらいか。アホですわ。仕事もこれくらい一生懸命しろよ、と思わんでもないけれど。
 昼食後、午睡。かなりくたびれていたらしく、目覚めた時にはもう窓の外は暗くなっていた。起きてから社説のダウンロードなどをし、あとはひたすら読書。ページを繰る手が止まらん。夕食後、しばらく妻と歓談。ひと区切り着いたところで、また読書の続き。切りのいいところでなんとかしおりを挟んだけれど、この日記を書くという習慣が無かったら、明日の朝まで読みふけっていることでしょう。
 宮部みゆき「ソロモンの偽証2 第I部事件 下」(新潮文庫)読了。柏木の死はテレビ番組で取り上げられ、それによって津崎校長と担任の森内教諭は辞職することになる。教頭が校長代理となり、保護者に対しうまく事件をまとめてしまう。一方、第一発見者の野田健二は両親とのトラブルが原因で、二人とも殺害しようと計画を立て、実行に移そうとしてしまうところを、藤野涼子とその父の剛に助けられ、実行直前で殺害せずにすむ。さらに、同じクラスの浅井松子が夜に謎の外出をし、自動車事故で亡くなってしまう。様々な事件に涼子にはいろいろと引っかかることが多く、真実を知らなければならないと考え始め……という話。次々と起こる事柄を非常に丹念に描き、登場人物すべての心情や表と裏の面をリアリティのあるタッチで綴っていく。中学教師たちの動きなどは、若い頃、3年くらい中学校で講師をしていた私にはさもあらんというリアルさがあり、どこまで取材しているんやろうと思う。むろん、主要な登場人物である中学生たちの思春期特有の揺れる思い、そして背景となっているバブル景気時代の状況など、リアリティ満点。全く事件は解決していないのに、解決したことにしてしまおうとする大人たちの思惑は、中学生たちには通じない。かくして、ベースとなる事件は出そろった。次巻からは真相解明に向け新しい展開となる。読みだしたら止まらない。さすが手練れの一言に尽きます。
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香君3・4 遥かな道 [読書全般]

 今日も出勤日。朝から寒い。出勤するだけで辛い。昼休み、一服つけに外に出たら、風はきついは粉雪は舞うは。がたがた震えるというところまではいかなんだけれど、体力を削られる感じ。
 4コマの授業をなんとかこなし、定時に退出。一目散に帰宅。妻は日帰り帰省。妻の実家も相当冷える土地柄。かなりきつかった模様。夕食をはさんで読書やら社説のダウンロードやら。気がつけば寝落ち。明日は休みと思うとよけいにほっとして疲れが出たか。いやはやきつい一日でした。
 上橋菜穂子「香君3・4 遥かな道」(文春文庫)読了。下巻を二分冊したもの。上巻と同様2冊一気に読んでしまう。オアレ稲につく害虫オオヨマ。アイシャが捕らえられたオゴダ藩では肥料を工夫してオオヨマにも負けないオアレ稲を栽培していた。帝国の版図にその栽培法が一気に広まるが、アイシャにはオアレ稲の悲鳴が聞こえていた。そしてオオヨマの天敵の新種のバッタが大量に飛来してくるが、そのバッタはオオヨマを食らうと産卵して一気に増え、オアレ稲はおろかあたりの植物を一気に食らいつくす。香君オリエとともにアイシャとマシュウは帝国の版図を救う策を考えつくが、帝国の貴族たちの反発にあい……という話。植物の声が香りとともに消えるアイシャの異能がこの物語のカギ。そして上巻でも触れたが、食糧をもとに周辺諸国を従えてきた帝国が、害虫により根本から揺さぶられる危機にあうのをどのようにアイシャが救うのか、アイシャたちの策がどのようにして帝国の貴族たちに受け入れられるのか、そのあたりがこの物語の山場となる。作者の物語の中では比較的地味な物語ではあるが、主食を支配の手段としてきた帝国の弱点はその主食にあったという皮肉な展開が、作者の狙いであるることは間違いないやろう。現実の世界では去年から米の価格が急騰し、都市部ではスーパーから米が消えてしまうという事態になった。作者がそれを予見していたとは言わんが、そういう危機が訪れた時にどうすべきかというのは人類史上常につきまとう問題であることは確か。作者は主食をいかに確保するか、1種類の主食に頼りすぎることの危険性と、食糧自給の重要性をファンタジーという器で読み手に警告しているんやね。アイシャという少女の数奇な運命がその危機を救うことになるけれど、上巻の初めに彼女が殺されかけるのをマシュウが救うたことがのちに帝国全体を救うことになるという皮肉。目先の欲得で簡単に異能者を排除してしまう貴族の愚かさなども、本作の読みどころとなっている。作者のテーマは常にそういう特別な存在の孤独や、そういうマイノリティにより救われる社会というところにある。本作もまた、そういう多様性の重視がテーマとなっている。作者のシリーズでは比較的地味ではあるけれど、重い問題提起をしている秀作であると感じた。
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吉田義男の死 [追悼]

 今日も出勤日。この冬一番の寒波。あちこちで積雪のニュースがある中、大阪市内も坂道の学校近辺もちらりとも雪は降らず。ただ、寒いばかり。こういう日に限って登校指導の立ち番。ダウンパーカーを着て、手袋をしていても寒い。
 火曜日は午前中3コマ連続授業の日。例によって午後はぐったり。それでも教材の印刷やら、同じ科目を教えている先生と試験範囲の調整などをしたりする。
 定時を少し過ぎて退出。帰路も寒い寒い。
 帰宅してからは読書。夕食はうどん。寒いときはうどんに限りますねえ。
 夕食後は社説のダウンロードなどをしてから読書の続き。感想は明日以降に。
 元プロ野球の名内野手にしてタイガース監督も務めた吉田義男さんの訃報 に接する。享年91。死因は脳梗塞。
 さすがに現役時代は見てへんけれど、亡き父からそのすごさは聞いていた。人呼んで「今牛若丸」。私が知るのは第一次の監督時代から。当時の背番号は、ビリー・マーチンにちなんで1番。江夏豊さんの伝記などでは「チビ1」などというあだ名をつけられていたみたい。1976年には中村勝、藤田平、ラインバック、田淵、ブリーデン、掛布、池辺、東田といった布陣であと一歩で優勝というところまで行った。そのころに私は甲子園で4人連続ホームランという試合を見ている。ほんまに惜しかったなあ。翌年はBクラスに落ちて退任。1985年の第二次監督時代に真弓、弘田、バース、掛布、岡田、佐野、平田、木戸の「新ダイナマイト打線」で日本一に。「チーム一丸」「挑戦者」を繰り返してついに優勝。神宮球場の胴上げをテレビで見ていて、涙が止まらなんだ。生きているうちにタイガースの優勝が見られるなんて思わなんだからねえ。そのあとはフランスのナショナルチームの監督を務め「ムッシュ吉田」と呼ばれるようになり、藤田平監督の後を受けて第三次の監督に。暗黒時代真っただ中で、ドラゴンズから大豊と矢野を獲得したり、補強もあれこれとしたけれど、結局チームを浮上させることはできなんだ。監督として最後となったシーズンの最終戦は私も甲子園に見に行ってました。
 確か私の父と同い年くらい。京都の山城高校から立命館大中退でタイガースに。2023年の岡田監督の日本一の時も甲子園に足を運び、日刊スポーツで解説をするなど、年齢を感じさせない元気さで、今季はタイガース90年という記念行事で、藤田平さんや鳥谷敬さんと一緒にセレモニーに出る予定やった。
 最初は関西テレビ、のちにはABCで解説をしてはった。野村克也監督が就任したころやったか、アナウンサーに「同じ京都出身で……」と言われて、「えっへへへ」と笑うていなしてはったのを覚えている。吉田さんは京都市内、野村さんは丹後の出。「同じやおへんで」と言いたいところを笑いでごまかしてはったのかな。
 あと、岡田彰布さんが2008年に監督を辞任した翌年、吉田さんとのダブル解説で岡田さんが後任監督の真弓采配をボロカスに言うていた時、しばらく吉田さんと岡田さんの解説が全くなく、アナウンサーの実況だけになったときがあった。二人して放送席から離れていたのかな。で、解説に戻ってから岡田さんの口調がおとなしくなった。あれは吉田さんが岡田さんに指導をしてはったんやと今も信じている。
 これでタイガースOBでは小山正明さんが最長老ということになったかな。小山さんは今もデイリースポーツで解説をしてはる。もう一度サンテレビの解説席で共演してもらいたかったなあ。
 吉田監督には3度の監督時代にそれぞれ楽しませてもろうた。タイガースを愛し続けたムッシュ吉田。決して忘れることのでけん監督です。
 謹んで哀悼の意を表します。
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