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大日本帝国の銀河4 [SF]

 今日も少しばかりしんどく、朝からだらだらとアニメ「ファブル」などを見てから昼前に出かける。月例の京都の医者行き。阪急の観光用快速特急「雅洛」に乗る。観光客は多かったけれど、なんとか座れた。診療後、ふらつきの原因は特定できなんだけれど、職場に提出するための診断書を書いてもらう。管理職に渡しておけば、ある程度は配慮してくれるんやないか、というわけ。
 確実に座れる準急に乗って帰阪。最寄駅前の理髪店で久々に整髪してもらう。マッドサイエンティストみたいにのびてたからなあ。すっきりした。帰宅後、昼に録画したデーゲームの中継を見る。今日はytv。タイガースがなんと15点も取ってドラゴンズに圧勝。いくらドラゴンズが甲子園を鬼門にしているというても取り過ぎやないか。中継は途中で終わったけれど、サブチャンネルで延長があったみたい。新聞のテレビ欄にもデッキの番組表にもそんなことは書いてなかったぞ。ytvの次のタイガース戦はサブチャンネルで早めに放送するらしいので、それは忘れんとこうと思う。
 続きはDAZNで見ようと思うたら、アカウントを入れても入れない。あれこれと調べたら、サブスクの期限切れということがわかった。1年の期限ができたんやね。これまでは自動延長やったからなあ。登録し直して、試合の残りとヒーローインタビューなどを見る。
 林譲治「大日本帝国の銀河4」(ハヤカワ文庫JA)読了。大型客船を模して海上に大使館を設置したオリオン集団の、レイテ沖の拠点を英米蘭の連合艦隊が襲撃するが、爆撃は成功したものの返り打ちにあった上に多額の賠償金を要求される。米国は日本からの借款で払うことになったが、その日本の持っていた金はオリオン集団から提供されたものだった。オリオン集団は地球人から選別した人材に自分たちの技術を伝え始めていたが……という話。ますますもってオリオン集団がなぜ地球人と接触しているのかわからなくなってきた。それくらい地球上の常識が通用しない相手として、林さんはオリオン集団の行動を徹底的に不可解なものとして描く。ただ、オリオン集団の行動規範に、林さんが理想とする世界も含まれているのかもしれないと感じられる点が見られてきた。そこらあたりを手掛かりにして、完結編である次巻を読みたい。さて、果たして1冊でどれだけ伏線を回収できるのか。林さんの腕の見せ所ですねえ。

 明日、 4月21日は「たちよみの会」例会の予定です。観光客が多く、長居ができなくなっておりますので、今月も13:00~15:00の短縮バージョンで行います。ご参加お待ちしています。

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大日本帝国の銀河3 [SF]

 今日も定休日。午前中は録画した番組を見たあと、パソコンに向かい少しばかり作業。昼食後、午睡してから夕刻に目覚めたあとは読書。
 夜はサンテレビで今季初めてのナイター中継。神宮球場に濱中、鳥谷両氏の解説で今季はスタート。試合は延長戦。最後まで放送してくれるサンテレビの中継でよかった! サトテルのホームランで決着。明日はデーゲーム。
 試合終了後、少し調べもの。サンテレビではタイガースが勝つと六甲颪を流すんやけれど、その音源は誰かテロップが出ない。声を聞けば、ミスタートラこと唐渡吉則さんやと思うんやけれど。サンテレビさん、せめて音源のテロップくらい表示してよ。
 林譲治「大日本帝国の銀河3」(ハヤカワ文庫JA)読了。シリーズも佳境に入り、オリオン集団の本拠地が南太平洋にあることを突き止め艦隊が出動するが、彼我の差を見せつけられるだけに終わり、オリオン太郎の要求通り、日本に大使館を置くことになっるが、その大使館とは……という話。本シリーズのテーマである異文化理解の困難さは、地球外から来訪したオリオン集団との技術力の差でますます強くなっていく。何より興味深いのは、地球人たちがこれだけ彼我の差を見せつけられながら、なおもナショナリズムを基本に行動しているという描写。舞台が第二次大戦直前ということもあるから、登場人物たちの視野がより狭くなっているという状況をていねいに描いている。ここは長年架空戦記を書き続けてきた林さんならではというところ。むろん、歴史改変という意味では本作が一番スケールが大きいんやないかと思われるんやけれど。さて、今後地球側の各国要人たちがどうオリオン集団と接していくことになるのか。次巻が楽しみであります。

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大日本帝国の銀河2 [SF]

 今日は日曜日。朝からアニメ「薬屋のひとりごと」や「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました」など深夜に録画したものを見たりしてから「仮面ライダーガッチャード」や「ブンブンジャー」などを見る。こういうものを見ると気分は日曜、なんやけれど、昼前に出発。坂道の学校までの道のりはますます遠く感じる。途中、乗り換え駅前でラーメン屋に寄って昼食をとり、それからバスに乗って出勤。
 なにしろ気分は日曜になっているんで、なかなかスイッチが入らん。若い先生たちは昨日も部活の指導で出勤したりしていたみたい。元気やなあ。私にもそういう一晩寝たら疲れが取れた時期があったんやけどなあ。
 ぼやきつつも、仕事モードになんとか切り替えて集中して入試作業の最終過程に進む。
 担当の先生方の頑張りでなんとか作業は完了した模様。それを待って定時に退出。
 帰宅後、しばらく妻とおしゃべりしたりしてから録画した相撲中継を見る。十両で勝ちっ放しやった若隆景をなんと常に十両下位にいる千代栄が立ち合い一瞬の突き落としで勝つ。京都府出身ということで福知山からきていたと思われる応援団が狂喜乱舞してました。
 十両の相撲までを見てしもうてから、夕食時はやはり録画しておいたプロ野球オープン戦を見る。タイガースはドラゴンズにまたも敗れ、オープン戦最下位続行中。シーズンに入ったらもう少し打ってくれるやろう。
 野球中継が終了し、幕内の取組を見る。尊富士が土つかずで勝ち越し。1敗で大の里が追う。明日も仕事に行くので、また帰宅してから録画を見ることになるなあ。
 林譲治「大日本帝国の銀河2」(ハヤカワ文庫JA)読了。オリオン太郎たちオリオン集団は、地球外から来たことを誇示するように新兵器の威力を見せるけれど、その恐ろしさを理解できるのは天文学者の秋津とオリオン集団に軟禁された商社マンの猪狩だけ。軍人たちは日本という国を守ることだけしか考えられない。秋津はオリオン太郎との会話でどうしても同じ言葉を使いながら理解し合えないことに苦しんだ上に、今度は軍人たちに世界全体の脅威について理解してもらえないことに苦しむ。その間にもオリオン集団は次々と手を打ってくる。地球人たちに打つ手はあるのか……という展開に。本巻は上記のようなコミュニケーション不全を中心に物語が進む。もしかしたら林さんは作家になる前にこういうコミュニケーション不全の経験をしていたのかもしれんなあと読みながら思う。そして、まだデビューして間もない林さんと江坂で待ち合わせ、林さんがSFの話ができて嬉々としていたことを昨日のように思い出す。次々とデビューしていた(現在はほとんど残っていない)架空戦記作家たちとは話が全く合わなんだみたいやった。やっと泉のようにわき出てくる林さんのアイデアを受け止められる人間と出会えたということの林さんの喜びを私はダイレクトに感じていた。本書の天文学者秋津は学者の会合のためにレニングラードへ行く。やっと地球外の存在についてまともに話ができるという期待が秋津にはある。その期待は裏切られないのかどうか、次巻の展開が楽しみだ。

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大日本帝国の銀河1 [SF]

 今日も出勤日。昨日に続き、学年末考査の採点に専念。午前中に1クラス分、午後に1クラス分採点し、これで受け持ちのクラスすべて採点を終えた。各クラスの平均点の計算、エクセルにデータ入力と予定していた作業をすませる。明日は提出させたノートのチェックをしてデータ入力をすれば、とりあえず仮の成績を算出できる。木曜日に生徒への答案返却をして訂正分が見つかれば細部の調整をして、最終的な成績が確定するという段取り。
 とにかく集中力を持続させるだけでパワーを使い切ってしまう。
 へろへろになって帰宅。一日雨降りで風も強く寒い。よけいに体にこたえる。来年度はもう少し効率よく事をすませたいものです。
 帰宅後、寝床でどぶさってスマホをいじったりしてから夕食。妻に声をかけられてもなかなか動けず。
 夕食後、しばらく妻とおしゃべりをしてから寝床で読書。明日の作業が終わると少しは気が楽になるかな。
 林譲治「大日本帝国の銀河1」(ハヤカワ文庫JA)読了。3年前に開始されたシリーズをようやく読み始めます。林さん、ごめんね。時は昭和15年。日独伊三国同盟が結ばれる直前の日本が舞台。突如現れた大型の爆撃機から降りてきたのは「火星太郎」を名乗る人物。火星から来たと主張する男に、海軍は天文学者で空想科学小説作家でもある秋津を呼び、交渉にあたらせる。化けの皮をはがそうとする秋津だが、実は火星ではなくオリオン座方面から来たと言い、呼び名も「オリオン太郎」に変わる。その頃、ヨーロッパやソ連にも同様の爆撃機が出現していた。オリオン太郎たちの目的は何か……という話。
 林さんらしい緻密な架空戦記にSFのエッセンスを加えた作品、というところか。「星系出雲の兵站」同様、異なる世界の者の常識との齟齬も描かれる。なるほど、これは林さんやなかったら書かれへん話やね。架空戦記作家、ハードSF作家の両面を持つ林さんの集大成みたいな作品になるかもと、架空戦記でデビューした時から読んでいる私としては非常に楽しみなシリーズの開幕ですね。

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老神介護 [SF]

 今日は午前中アニメ「葬送のフリーレン」などを見てから昼前に駅前の耳鼻科に。蓄膿の青洟を吸い取ってもろうたり点鼻薬を処方してもろうたりする。
 帰宅後昼食をとり、スマホをいじったりしてから午睡。夕刻起きて、社説のダウンロードなどをしてから読書。夕食時、昼に録画したテレビ大阪「阪神タイガースココだけの話」という特番を見る。キャンプレポートや選手インタビューなど。
 その後は寝床で読書。久しぶりに耳鼻科に行って治療してもらうと、逆に鼻を刺激して水洟が出やすくなるのが難点。ただ、治療は続けんと悪化しても困るしねえ。
 劉慈欣/大森望、古市雅子・訳「老神介護」(角川文庫)読了。「流浪地球」とセットの短編集。表題作は地球に生命の種をまいた大量の宇宙人が「神」として降臨し、人間の家庭で世話になるというユニークなもの。その後日談の「扶養人類」では資本主義の行き過ぎた形から亡命してきた宇宙人たちの姿を描く。面白いのは「白亜紀往時」で、恐竜とありの文明が発達した世界を描く。リリカルな「彼女の眼を連れて」と、同じ世界設定で中国と南極をつなぐトンネルにまつわる物語を綴る「地球大砲」はスケールの大きなほら話という趣。
 いずれも文明批判の側面を持つ、まさにSF青年期といった趣の作品ばかり。「流浪地球」を読んだ時にも感じたけれど、いかにも経済成長期に書かれていると思われる、人類の未来や文明の行く手などをスケールの大きな設定で描いたものばかり。文庫版用に訳された作者のエッセイ「われわれはSFファンである」は「三体」が書かれる前に著者がSFファンであることを宣言し、中国におけるSFの将来についてその意気込みを語ったもので、SF後発国やからこそその未来について大きな夢を見られるといういささか羨ましい思いになってしまうもの。ハヤカワ文庫から出ている著者の短編集も読んでから、「三体」にとりかかりたい。

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星系出雲の兵站-遠征-5 [SF]

 今日は出勤日。午前中はどんより。午後から降雨。気温はかなり高く、少し動いただけで汗だく。スケジュールぱんぱんの月曜日にこんな気候やとよけいにきつい。とはいえ、今年度最後の授業というクラスもあり、いろいろな意味で苦しみつつも新たな環境でこれまで経験したことのないスタイルで授業をし続けてきたというのはかなり勉強にはなった。明日と明後日ですべての授業が終わる。とりあえず来年度も再任用の勤務は続けられると府教委からの通達もあったことやし、できたら来年度も引き続き坂道の学校で仕事をしたい。今年度戸惑いつつ続けた実践を来年度こそきちっとやりとげたいしね。
 少しばかり残業をし、帰路、新しい靴下を買うたり、まだ左肩が張っているので肩凝り用に膏薬を買うてみたり。よたよたしつつ帰宅。すぐに寝床にどぶさる。スマホをいじったりしてから夕食。食後もスマホをいじったりして過ごす。一気に電池が減って、充電したらすぐに満杯近くになり、しばらくしたらまた一気に電気を食い……とスマホのバッテリーが不安定。やはりバッテリーを交換した方がええんかな。
 林譲治「星系出雲の兵站-遠征-5」(ハヤカワ文庫JA)読了。9冊に渡るシリーズの完結編。侵略者ガイアスの正体が明らかになる。生態系も思考も文化も全く人間には理解できない相手とのコミュニケーションというテーマがシリーズ全体を貫いており、最終巻である本書が完結しても、本当の意味でのコミュニケーションは取れないままガイアスを放逐していく。シリーズの主役はタオ迫水から烏丸司令官に移った感があるけれど、それが気にならんくらい烏丸司令官の個性が際立っていったのは事実。林さんもシリーズを書き継いでいくうちに烏丸という人物の個性に魅了されていったのか。あまり登場人物の個性を際立たせることのなかったこのシリーズで、一人異彩を放っている。
 生物の生命力の強さというものをガイアスという存在を設定することで示す一方、人類文明が危ういバランスのもとに成立していることを気づかせてくれる。確かに日本SF大賞をとっただけのことはある。ただ、文章は決して読みやすくないので、つるつるページをめくりたいというようなタイプの人は焦れてしまうかもしれんけれど、そこをひと踏ん張りして完結まで読めば、林さんのアイデアをいっぱいに詰めこんだ作品の魅力もわかってもらえると思う。さて、ちょっと間をあけて、林さんの次のシリーズに取りかかるとするか。

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星系出雲の兵站-遠征-4 [SF]

 本日は出勤日。気温が急にあがったので、ダウンパーカーからジャンパーとマフラーに出で立ちも薄手に。新聞休刊日なので出かける前の準備も早く進み、早めに出立。コンビニで日刊スポーツの即売版を買う。一面は育成ドラフトの新人福島の快足ぶり。他紙を見たら、佐藤輝のホームランが一面。ま、普通はそうなるわな。とことん日刊スポーツは他紙とは違う紙面構成で勝負を賭けているという感じやね。
 火曜日の時間割なんで、比較的楽な日程。空き時間は事務作業に専念。成績の計算表に数値を入力したり、あれこれ。とにかく締め切りまでに事務作業を完遂させられるようにという感じで仕事を進め、定時に退出。帰路、コンビニで大相撲春場所のチケットを発券して貰う。これで安心して3月を迎えられるというもの。
 帰宅後はスマホをいじったり読書をしたり。夕食後も読書の続き。ちょっと眠くてうとうとしかけたけれど、気力を振り絞って読書の続き。明日出勤すればまた定休日。なんか休みが多いねえ。
 林譲治「星系出雲の兵站-遠征-4」(ハヤカワ文庫JA)読了。前巻を読んだのがなんと4年前。こんなに間が空いたのは特に理由はないけれど、以前日記に書いた感想を読み直してから読み始めた。その間に林さんの別なシリーズが2つも完結し、本シリーズは日本SF大賞を受賞している。なんたることか。
 本巻ではとにかく異文化を持つ敵の状況をひたすら調査し、細々とした材料から敵の様子を類推していく。いわば種まきをして最終巻で刈り取ろう、ということやろう。例えば敵の占領している小惑星の生態系、あるいは攻撃してきた敵の装備から兵力を類推したり、交信した内容から敵の組織を類推したりという描写が積み重ねられている。林さんはとにかくアイデアを次々と手品のように出す人なんで、敵の正体などはすべて設計ずみやろう。その上でヒントを小出しにし、それをもとに登場人物たちをミスリードさせたりしていくんやから、手がこんでいる。俯瞰でものを見ている烏丸司令官、その場その場で対処したがる者や、じっくりと腰を落ち着けて対処する者など、立場ごとに敵に対する姿勢を変えることによって組織というものの持つ弱点も浮き彫りにしていく。ただ、その分説明部分が長いので、その説明を楽しめるか否かで本書の読み方も変わっていくんやろうなあ。ともかく材料は揃うた。あとは残り1冊で広げた風呂敷をどうたたんでいくか、ですね。引き続き最終巻も読んでしまわんと。次のシリーズもまとめて読んだ方が面白そうや。

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流浪地球 [SF]

 午前中、テレビを見ていたら、スマホにしかけていたアラームが鳴る。すぐに「チケット大相撲」のサイトに接続。春場所のチケット確保を試みる。しかし回線が混んでいてなかなかつながらん。やっと接続したチャンスを逃さず、13日目の椅子席を購入。これで当日券を求めて朝早くから並んだりせんですみます。明日からコンビニで発券できるので、すぐにチケットにしてしまおう。なんか、このチケット確保で今日の仕事はお終いみたいな感じになった。
 昼食後、午睡してから、夕刻スマホをいじったり読書をしたり。夕食後も読書。
 劉慈欣/大森望、古市雅子・訳「流浪地球」(角川文庫)読了。私はまだ同じ著者の「三体」も読んでへんのです。文庫化されるのを待ってから、と思うたら、角川から出ていた短編集が早くも文庫化。角川文庫は文庫化するのが早いなあ。それはともかく、クラークの「太陽系最後の日」を思い出させる「流浪地球」、同じ設定で全く違う話に展開させた「ミクロ紀元」、星系一つを飲みこんでしまう侵略者の意外な正体を描く「呑食者」、コンピュータウイルスが一つの町を壊滅させるドタバタ劇を描く「呪い5.0」、人工太陽プロジェクトに挑む者たちの生き方が印象的な「中国太陽」、異色のファーストコンタクトものである「山」を収録。
 いずれもなんか懐かしい雰囲気を漂わせている。クラークやアシモフの初期短編みたいな匂いを感じるのです。未来に向かう、前向きな気分というのか、決して絶望したりバッドエンドにはならない。アイデアのスケールは大きいのに、最終的には人間のスケールに落ち着くというところとか、今の日本SFではとても書き手のいないタイプの作品ばかり。中国はSF青年期なんでしょうね。ジャンルとしての未来を感じる。そういうところが老年期に入ろうとしているSF先進国から見たら逆に新鮮に感じられるんやないかと思う。こういう感覚、確かに久しぶりやもんなあ。いずれもそういう意味では非常に新鮮で楽しく読ませてくれる。やはり「三体」も文庫化を待たずに読むべきか。いやいやここまで我慢したんやから、文庫化を待つぞ。角川文庫ではもう1冊分化されている短編集があるので、そちらも楽しみ。

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文明交錯 [SF]

 今日から2月。今日は定休日。昨日同様に倦怠感。それでもちゃんと朝は起きて午前中は録画した番組をしっかりと見ているんやからなあ。ただ、内容が頭の中に入っているか素通りしているか。もう限界が来たので、昼前に少し寝て、昼食をとってからまた午睡。
 目覚めれば外はもう暗い。スマホをいじったりしてから少し読書。夕食後、続きを読んでしまう。半日寝たら少しはましになったものの、倦怠感は続く。鼻の具合も今ひとつ。明日は外に出られるようやったら耳鼻科にでも行くか。
 ローラン・ビネ/橘明美・訳「文明交錯」(東京創元社)読了。若い頃は書評の仕事として毎月嫌になるほど歴史改変小説(特に架空戦記)を読んでいた。実際嫌になった。一部の作家を除いて、ほとんどが歴史を改変して遊んでいるだけで、それが例えば何か大きなテーマを持っているとか、そういうのはなかった。本書は久々に歴史改変小説を読んでみたくなって手に取ったものなんやけれど、文明批評、あるいは人間そのものへの批評と、壮大な遊び心にあふれた逸品。インカ帝国がスペインを征服し、インカとアステカの王がヨーロッパを舞台に戦うたりする。なんでそんな歴史が改変されたか、第一部ではその遠因となった出来事が描かれ、第二部では遠征が失敗したコロンブスの航海日誌の断片が公開され、そして第三部ではインカ皇帝のアタワルパが兄との抗争に敗れてスペインにたどり着き、そこでスペインを征服し、ヨーロッパに勢力を築き、やはりヨーロッパに攻めてきたアステカと闘い命を落とすまでの年代記が綴られる。第四部ではセルバンテスを主人公にし、その後のヨーロッパの様子を活写する。綿密に練られた設定といい、史実の裏返し方といい、全体の構成といい、歴史改変小説としては文句のつけようがない。歴史改変小説、というより、「偽志」という感じの凝った作り。いや、参りました。書評を書いていた時に本書に出会うていたら、もうベタ褒めに褒めまくっていたんやないか。
 文庫化を待ってられずにハードカバーで読んだだけのことはあった。文庫化された時にはぜひお読みいただきたい。むろん今すぐ読んでいただいた方がええんですけれど、ハードカバーの本はそれが薦めた相手の好みと合わなんだ時に生じるリスクが大きく、全ての方に今読めすぐ読めとは書きにくいのです。

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グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船 [SF]

 今日は定休日。昨日までの暑さでばてばてやったんやろう、ゆっくり目に起床した上に、新聞を読んでいる途中でふっと寝落ち。朝食をとりながら録画した番組を見る。昼前に駅前の耳鼻科まで行く。まだ青洟混じりの鼻水が出るので、かなりしつこめに吸い取ってもらう。そのかわり耳の方はほとんどよくなっていて、両耳をびびくらいの通気。
 帰宅後、昼食をとると、また眠くなり、午睡。その間に妻は日帰り帰省。夕刻起き、社説のダウンロードなどをしてから、妻が帰宅するまで読書をしたり、日刊スポーツのサイトでカープとベイスターズの試合経過を確認したり。おっ、ベイスターズが意地を見せてカープに勝ったぞ。タイガースのマジックナンバーは12に減った。試合のない日に対象チームが負けてマジックナンバーが減るのは理想的ですね。ということは、もし明日からのカープとの直接対戦で3連勝したら一気に6まで減ることになる。ただ、カープは手強いチームなんで、そんな簡単に勝たせてはくれんやろうけれど。3連敗せなんだらそれでよし、というところ。うわぁ、なんという上から見下ろすようなものの言いようをしているんやら。人間もっと謙虚でないといかんな。
 妻が帰宅し、夕食後、読書。高野史緒「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」(ハヤカワ文庫JA)読了。並行世界に存在する若い男女が、飛行船を目撃した記憶でつながり、不思議な交流をする物語。夏紀の世界では飛行船グラーフ・ツェッペリンは世界一周航行の際に茨城の土浦で炎上している。登志夫の世界ではグラーフ・ツェッペリンは無事土浦に着陸している。夏紀の世界では宇宙への進出が進んでいるが、インターネットやパソコンはまだまだ一般化していない。登志夫の世界では宇宙開発は遅れているが、量子コンピュータが開発され運用されている。この並行世界の設定など、非常に絶妙やと思うたね。登志夫が夏紀とコンタクトできたのは量子コンピュータの性能のおかげで、夏紀が登志夫とコンタクトできたのは……これは物語の根幹に関わるところなんで、伏せておきましょう。この二人のコンタクトから世界の姿は大きく変わっていく。その描写も高野さんならではの大胆かつ繊細なもの。むろん、高野さんの歴史に対する造詣の深さがそれを可能にしていることは言うまでもないでしょう。これまで、いろいろな方法で歴史改変を綴ってきた高野さんが、今回はみずみずしい青春ドラマでそれをやってのけた。少しノスタルジックで甘酸っぱいのは、若手作家には決して出し得ない味わいというものやろう。そして、おっさんである私などにとっては胸がしくしくくるような結末。世界の大きさに関わる小さな個人。そこらあたりの塩梅も絶妙としか言いようがない。若い人はもちろん、年配の人にもぜひ読んでいただきたい佳品であります。

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