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峠 [読書全般]

 今朝も雨。高校野球はこれ以上順延でけんところまで来ているということで、雨があがるのを待ち、阪神園芸の総力をかけて3時間遅れで試合開始にこぎつけた。また中止になるかと念のため「プリキュア」や「仮面ライダー」などの録画予約をしておいたけれど、試合開始待ちの映像や一昨年の決勝戦の映像などを録画しておりました。
 午前中は土曜深夜のアニメを見たり、大河ドラマのたまってるのを3話分まとめて見たり。昼食後は読書したり午睡したり。午睡から目覚めたあとは読書に没頭。
 夜はタイガースの試合をサンテレビで見る。完封リレーで快勝。なんぼジャイアンツが勝ち続けても、追いつけんようになってます。アキレスと亀みたい。
 司馬遼太郎「峠 上・中・下」(新潮文庫)読了。週刊朝日でずっと司馬遼太郎に関する連載をしていて、読んでいるうちにまだ読んでへんものを読んでみたくなった。戦国ものも幕末ものもだいたい読んでるんやけれど、「峠」はなんとなく読んでなんだ。河井継之助という主人公に興味がわかなんだというのもある。越後長岡藩の家老として薩長軍に最後まで抵抗しながらスイスのような中立国家をつくるという夢は時代の勢いにのまれてしもうた、という話。家老になる前に諸国を歩いて実用の学を学びつつあちこちの妓楼で女たちとする会話などは非常に面白かった。ここらあたりは作者も自由に主人公を遊ばせられるところで、楽しんで書いていたんやろう。ところが、薩長との戦になってくるとだんだんつまらなくなっていく。作者も書くように、河井という人物が矛盾の塊で、それをなんとか整合性を持たせようと作者が必死になっているのが透けて見えるあたり、ちょっと苦しいのです。主人公の魅力がだんだん薄くなり、ただのわがままな家老という感じになっていく。作者の狙いがそこにあったかというと、あとがきなどを読むとそうでもないみたいやし。本作は「竜馬が行く」に続いて書かれたもので、作者としてはまだこういう人物を消化しきれなかったのかもしれん。もう少し晩年に近くなってから書いたらどうなったやろうな。あるいは吉村昭の手になるとどう描かれたか。さすがに読みやすく、小説の面白さとしては別格やなあと思いつつも、私が読んできた司馬作品の山の中では、あまり上位にはこないかなあ。

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