おまえさん

　今朝は自力で起きられず、妻に起こされる。幸い出勤する時間には間に合うた。いつもと同じ時間に出勤。試験監督などをし、自分の試験が終わったあと、すぐに採点にかかる。昼食をはさみ、ひたすら採点。ただ若い頃と違い集中力が続きにくい。途中で睡魔に襲われたりしたけれど、月曜日の最初の授業クラスでの返却はできる。その次のクラスの分も少し手をつけ、きりのいいあたりで退出。
　帰宅後すぐにナイター中継を追っかけ再生で見る。今日はMBSがサブチャンネルを使い延長してくれる。試合はタイガースがカープ戦の連敗を止めた。大竹投手はさすが鯉キラー！
　それから録画した相撲中継を見る。豊昇龍が見事に大の里を投げ捨て、なんと２敗は湘南乃海ただ1人に。こんな展開は予想してなんだなあ。
　宮部みゆき「おまえさん　上　下」（講談社文庫）読了。「ぼんくら」シリーズの完結編。生薬屋の殺人事件、浮浪者の辻斬り事件など、一見つながりのない事件が、過去の膏薬の処方がらみの殺しでつながり、さらには全く無関係な遊女まで殺される。生薬屋の娘の失踪など、複雑に絡み合った事件を、弓之助が謎を解き明かすが……という話。完結編にふさわしい本格ミステリ。さらには男と女の割り切れない嫉妬や面目に、ルッキズムの問題まで入り組んだ構造になっている。しかし作者のうまさはそれを決して単なる謎解きや人情捕物帳に終わらせていないところだ。昔も今も変わらない人の心の機微を胸に突き刺さるように描き出す。
　このあと、弓之助やおでこはどうなっていくのか。その先はまた作者の他のシリーズでさりげなく描かれていくに違いない。茂七親分の存在が折りに触れて政五郎の口から語られるように。作者の捕物帳の代表作。極上の逸品でありました。