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夜の黒豹 [読書全般]

 愛すれどTigers「超人糸井、ファンに別れ」を更新しました。

 今日は出勤日。試験監督などは入ってなかったけれど、考査の正解の作成などすべき仕事はまだまだある。
 お山の学校行きのバスに乗る時、鼻の調子がひどく悪かった。バスの中で鼻をかむのもこのご時世はばかられるものがあり、職場についてからかむ。ものの見事な大量の青洟。
 仕事をしていてもなんとなく集中力に欠ける。それでも試験問題のミスを発見し、印刷のやり直しなどもできたし、後期に向けての教材作成もできた。
 時間休を取り、早退。自宅最寄り駅前の耳鼻科に寄って、診てもらう。また蓄膿の症状が出ているとのこと。2週間前は「かなりきれいになった」と言われていたんやけれどね。化膿止めの薬などを出してもらう。
 帰宅後、しばらく読書。夕食後、社説のダウンロードなどをする。明日は定休日。ここのところほぼ毎日鼻ポンプをつけていたけれど、今日はやめておこう。なんというか、ここまで蓄膿に苦しめられるととは思うてなんだ。コロナ発症後、突如罹患したことを考えれば、やはり後遺症やと思うけれど、新型コロナウィルス感染症の後遺症はまだ因果関係などは確定してへんので、証明することがでけんのが辛い。
 横溝正史「夜の黒豹」(角川文庫)読了。もともとは「青蜥蜴」という短編だったものの長編化、やそうです。解説の中島河太郎さんによると、この時期は「仮面舞踏会」を書くまで新作はすべて短編の長編化ばかりやったとのこと。
 ラブホテルで街娼が殺される事件が発生。目撃者によるとまるで黒豹のようないでたちの人物が現場から逃げて行ったという。最初の被害者は殺人未遂に終わったが、2人目の街娼は殺され、そして3人目はなんと一転して十代の少女が犠牲に。そしてその少女とつき合っていたと思われるエロ漫画家は行方不明に。さらに、最初の事件の発見者は自動車にひかれて殺されてしまう。金田一耕助は、ただの猟奇殺人ではないと考え始め……という話。作者お得意の複雑な家族関係が生んだ悲劇。先妻の子やら後妻の連れ子やらその親戚やらが入り乱れて登場。遺産相続がそこにからむ。問題は犯人がなぜ街娼を犠牲にしたのか、最初の被害者はなぜ殺されず、どこかに消えてしまったのか。ここらあたりは非常に工夫残らされているところ。また金田一が途中で事件の関係者から捜査の依頼を受けて等々力警部と別行動を取るあたりも、これまでのシリーズとは違うところを出そうとしていると感じられた。ただし、タイトルにある「黒豹」は出てきません。あくまで黒豹を思わせる黒くつやのある服を着た人物が容疑者というだけのこと。ここらあたり、なんとか読者の目を引くタイトルをつけようとしている作者の苦労がしのばれる。ところで、作者はどうしてここまで異常な家族関係にこだわったんやろう。猟奇的なミステリを求められていたので、異常な家族関係にそれを求めたということなのかもしれない。

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