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京都SFフェスティバル2008私的レポートその5 [SF]

 夕食は毎年いっしょに食べている小林泰三さんが不参加で、また冬樹蛉さんが遅刻(来る途中で電車に人身事故があったと後で判明)なので、一人寂しく食べることになりそうやったが、心優しいSFファンの方たちが声をかけてくれたので、楽しくおしゃべりできました。
 旅館に行く前にアルコール類を買い込んで、さわや旅館に。
 渡辺実行委員長がたくまずして笑いを呼ぶ挨拶をする。企画や参加者紹介を例年の如く小浜徹也さんが行う。
 さあ今から楽しい夜の始まりです!
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京都SFフェスティバル2008私的レポートその4 [SF]

 本会最後の企画は「ディッシュ追悼」。
 出演は牧眞司さん、柳下毅一郎さん、樽本周馬さん(国書刊行会)。
 牧さんが「いろいろな方が亡くなっているのにディッシュをとりあげるのが京フェスらしい」と前フリをする。
 それぞれのディッシュとの関わりを語ったあと(牧さんが「ディック」と言い間違いを連発したのは、秘密だ)、ディッシュについて樽本さんが経歴を紹介した。
 柳下さんはディッシュを「知が勝って情が薄いというイメージが強いから、日本ではあまり受けなかったのでは」と分析、牧さんも「知性で情をコントロールしている」と同意する。
 また柳下さんは「ディッシュがゲイであると公表されて、『歌の翼に』のわからなかった描写がわかるようになった」と言った上で自伝的なこの作品を評価した。
 ニューウェーブの旗手といわれた当時、ディッシュはニューウェーブの中ではわかりやすいエンターテイメント作家だった、と牧さんと柳下さんは口をそろえる。
 ディッシュのSFへの愛情とファンに対する罵倒などを紹介したあと「ディッシュはツンデレ?」「ツンツンでしょう」という発言も。
 柳下さんがディッシュの未訳作品を紹介し、そこからディッシュの特性や趣味を浮き彫りにしていった。
 最後に樽本さんから「歌の翼に」が国書刊行会から復刊されるというニュースを発表した。
 これで本会企画が終了。
 ゲストもなかなか豪華で企画も楽しい本会やったと思います。
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京都SFフェスティバル2008私的レポートその3 [SF]

 3つ目の企画は「年刊日本SF傑作選を編む」。
 出演は大森望、小浜徹也、日下三蔵のお三方。
 日下さん作成の資料配布に10分以上かかるアクシデントはあったけれども、無事開始。
 東京創元社から12月に出版される「年刊日本SF傑作選」についての裏話が中心。
 編集者の小浜さんからは刊行決定までのいきさつが語られた。
 大森さんはからはスタンダードなものは日下さんが選定し、周辺的なものは大森さんが選んだという話が出る。
 本のタイトルは収録作品から選ぶのではなく、オリジナルなものをつけるという。それは合宿企画で募集し決定するらしい。
 アンソロジーを編むにあたっては、単発の短編が雑誌にあまり掲載されない(連作が多い)から、母数が少ないので選ぶ苦労は少なかったと日下さん。
 年刊傑作選は文庫に限ると大森さん。日下さんは雑誌的な感覚で出すには文庫と応じる。
 ラインナップは決定しているが順番は決まっていないらしく、また漫画やエッセィの扱いなどの話をしたあと、各作品に関して内容や選定理由が紹介された。
 ジュディス・メリルや筒井康隆といった過去のアンソロジストの選び方を意識した大森さんが、幅広いジャンルからリストを作り、日下さんが専門誌から選定していくという過程が面白おかしく語られた。
 雑誌があまり売れない現在、優れた短編がこういうアンソロジーに入ることで多くの読者の目に触れることに意義がある。そういう話の間に編集会議みたいなやりとりがあるのがいかにも裏話らしくて楽しい話になった。
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京都SFフェスティバル2008私的レポートその2続き [SF]

 瀬名さんが例示したのは人の顔の映像とCGの映像を比較してどちらが「生命」っぽいかを問う。
 瀬名さんがアフリカまで行って飛行機を操縦して撮った写真を見ながら、あるいは円城さんが最近読んだSFを紹介しながら、「生命」っぽいものは何かを考えていく。
 瀬名さんは「物語は生命・体」かと問いかけ、おもしろいとはどういうことかを疑問として投げかける。
 八代さんは「生物の研究者はいても生命の研究者はいない」と話をして円城さんの共感を呼んだ。
 非常に難しく答の出ない問題だが、だからこそ3者それぞれのなごやかながら丁々発止のやりとりがおもしろい企画でした。
 話を聞きながら書き取りをし、私自身理解仕切れていないために、このレポートもわけがわからないものになりました。申し訳ございません。
 なんか解ってなくともやりとりのそのもので楽しい企画でした。
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京都SFフェスティバル2008私的レポートその2 [SF]

 2時間目の授業は「新・生命とは何か?」。
 八代嘉美さんを司会に、作家の瀬名秀明さんと円城塔さんが「生命」について語るという企画。
 まずは円城さんと瀬名さんが自らと「生命」に関するバックボーンを話した。
 円城さんは大学の研究室で、瀬名さんは御父君がインフルエンザウィルスの専門家であったという子ども時代の話から説き起こした。
 生命とは何か、研究できるものなのか。瀬名さんは定義するより探究するものというシャルガフの言葉に共感するという。
 八代さんはお二方の研究の方向性の違いが小説の違いに表れていると感想を述べた。
 瀬名さんはこれまでの研究者が定義を例示し、誰も「生命」を定義できていないという。
 円城さんが用意したスライドでは2種のロボットを見せてどちらが「生命」っぽいかを聞いてみた。動きの複雑さや見た目の動きなど視点により違いがあるという方向で話は進む。
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京都SFフェスティバル2008私的レポートその1 [SF]

 今年も京都SFフェスティバルの季節になりまして、朝から参加いたしました。
 まず最初の企画は「眉村卓インタビュー」。聞き手は岡本俊弥さん。
 少年時代に「漫画少年」に投稿していた話や大学で柔道をしたり俳句を作ったりしていた話から、なんとか耐火煉瓦の会社に就職し買い付けの仕事での苦労話に。
 安月給で社宅から通勤していた時代、壮大なSFを書きながら厳しい現実とのギャップに悩んだこと。「関西SFのつどい」での筒井康隆さんとの出会い。コンテストに応募して小松左京さんを知り連絡をとった話。福島正実さんの第一印象が「文学青年くずれ」とだったこと。「宇宙塵」に書いていた者は「SFマガジン」では冷遇されていたので、東都書房からの話にとびつき、書いているうちに会社を無断欠勤してしまったことなど、デビュー当時のエビソードが語られた。
 「なぞの転校生」などのジュブナイルは日常を舞台に書けるので、書きやすかった。
深夜ラジオ番組「チャチャヤング」はたまたま代打で出演したらレギュラーになりショートショートを紹介したら投稿者が増えてコーナーになり優秀な作品が集まるようになった。ラジオが終わってからも常連が集まり、その中には谷甲州さんや菅浩江さんもいた。
 この時期に書き出したのが「司政官」で、自分の書きたいものを自由に書きたいと思ったのがきっかけだったという。
1980年代に大長編を書くようになった。作家が好き勝手書く時期があってもいいだろうという気持ちになったのだそうだが、あまりに長く続けると最初の設定を変えられず、時代とのずれを感じるようになってきた。捨て去られるテクノロジーが持ち得た可能性を追求するようになった。
 今「司政官」が復刊されて反響があるのは、組織というものについて書いてきたのが現状にあって関心をもたれるようになったからでは。
 ユーモアたっぷりの語り口でリアルタイムに経験された日本SFの歴史をがよくわかるインタビューでした。
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長蛇を逸す [プロ野球]

 ジャイアンツが勝ってタイガースが負けたので、今季のセントラル・リーグの優勝はジャイアンツに決定した。
 いろいろと、いろいろと、いろいろいろいろと思うところはありますしやね、言いたいこともあれやこれやどれやそれやとようけありますけどね。
 今日は封印。
 まあこれで明日「京都SFフェスティバル」の最中に野球の結果が気になってやきもきやきもきやきもきやきもきもきもきもきせんですむからちょうどよかったよかったよかったよかったよかったよかった。そう、よかった。ほんまによかった。えーん。
 残念なのは「喜多式安心理論」の正しさが証明されなんだことで、これにより45年後のノーベル賞受賞も水泡と化したことでありましょう。
 とにかく今日だけはそっとしといてね。コメントは一切受け付けません。

 くやしいよーーーーーーっ!

 あ、今日からホームページ開設11年目に入りました。まる10年日記を書き続けて公開してきたことになるね。自分のことながらようやるわ。というわけで、11年目もよろしくお願いいたします。

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相撲裁判続く [大相撲]

 朝青龍八百長裁判に続き、今度は時津風新弟子リンチ殺害裁判が始まった。
 元時津海の現時津風親方は「師匠の言うことは絶対で、関取の自分でも逆らえなかった」と弟子たちを全面的にかばう証言をしたけれど、それと同時に「自分の部屋だけの問題ではない」という証言もしている。
 つまり、前時津風親方の山本被告にのみ責任を負わせるんやなくて、相撲界全体の問題やと裁判所で明言したということやね。これは非常に重い発言やと思う。おそらく時津風親方は相撲界全体の体質に対してなにほどかの批判的な意見をもっているに違いない。それでも自分が飛び込んだのは師匠が絶対という世界であると腹をくくっていたんやないかと。
 そこでリンチで新弟子が死亡する事件が起こる。現役への未練を断ち切って部屋を継いだことにより、自分が「師匠」になった。この一連の動きの中で、「師匠」である自分の取るべき道を考えずはいられなんだやろう。遺族へのあいさつを部屋を継いですぐに行い、裁判では「自分の部屋だけではない」という証言をした。
 こういう親方がいてるということは、相撲界にとって救いやと思いたい。若い親方たちの協会での発言が活発に行われ、上層部がそれに耳を傾けるような状況が生まれればええのになあ。
 ところで、「週刊現代」に掲載された元若ノ鵬の「証言」を読んだけれど、いやもう春日錦と琴欧洲が若ノ鵬に八百長をもちかけるときの生々しい様子がなんともたまらんな。えげつない。これがほんまか嘘か知らんけれど、「週刊ポスト」や「週刊朝日」によると今回の「八百長告発」のため若ノ鵬は命を狙われてるんやて。ほんまかいな。そこまでいくとちょっと記事が先走りしすぎなんと違うかという気もする。
 さてこちらはどうなることやら。

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長生きも賞のうち [時事ネタ]

 ノーベル賞は死んでしまうと受賞対象から外されてしまう。生きている研究者や文化人に今後も充実した研究をしていただくために賞金を贈ってほしいというのが創設者ノーベルの遺志やったからです。
 南部陽一郎さんは87歳。下村脩さんは80歳。受賞対象となった研究は南部さんは1961年に、下村さんは1962年に最初の発表をしている。そこからあなた45年たってるんですぞ。同様の研究をしていても早世した人は賞は贈られんことになる。
 まあそのノーベル賞の財団にもいろいろ事情があって(賞金の額は決まってるからね)もう20年先くらいまで順番は決まってて毎年淡々と授賞発表するということなんかもしれんけれど、一応受賞対象者の年齢を考えて年のいってる人から先に贈るとかでけんもんなんかな。
 伝統芸能の世界では「長生きも芸のうち」なんていいますけどね。賞をもらうももらえんのも寿命次第というのは、これちょっとしゃれにならんで、ほんま。

 あ、タイガースですか。明日からジャイアンツがほっとして3連敗します。タイガースは明後日から気合を入れなおして3連勝して結局タイガースが優勝します。この予言が証明されたら私もなにか賞をもらえるかしら。予言やなかろう希望やろうと言わはりますか。これは「喜多式安心理論」から導き出された確定的な未来の予

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緒形拳の死 [追悼]

 俳優、緒形拳さんの訃報に接する。享年71。死因は肝臓ガン。
 緒形拳さんというと、私にはやっぱり「必殺仕掛人」をはじめとする「必殺シリーズ」ですね。調べたらレギュラーでは4作しか出演してへんのやけれど(しかも「新・必殺からくり人」では浮世絵に殺しの依頼のヒントを描くという安藤広重役で、自分では殺しません)、やっぱり「必殺仕掛人」「必殺必中仕事屋稼業」と初期の路線を確定させた作品に主演してるのが大きいね。
 私は大河ドラマが好きでここ数年はつまらんと思うてもとりあえず見るようにしてるんやけれど、昨年の「風林火山」にも出てたなあ。毎年ということはないんやけれど、江守徹さんと交代みたいにしてレギュラー格で出演していた。
 映画にもたくさん出てはるんやけれど、私の見たので印象に残ってるのは「おろしや国酔夢譚」の大黒屋幸太夫かなあ。ロシアまで漂流してまったく違う世界を見てきて、そしてそこで才覚を認められながらも望郷の念去りがたく帰国したのに、祖国では外国での見聞を知らされては困ると軟禁されてしまう主人公の心の動きなどをさりげなく表現してはったという記憶がある。
 最近は特にそうやけれど、力をうまく抜いたような演技が好きやったなあ。ひょうひょうとした味、というのか、つかみどころのないところが魅力で、そういう芝居が新国劇から生まれてきているというのが意外やったりする。
 「必殺」のシリーズ化はこの人の演技なくしてなかったやろう。「必殺」で時代劇を楽しんだ世代として、ほんまに感謝したい。
 謹んで哀悼の意を表します。

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