間違いは恥ずかしい

　昨日の日記で「メディアはマッサージである」は恥ずかしい間違いやと書きました。
　ところが、友人から指摘がありまして、「メディアはマッサージである」 という本をマクルーハン自身が（共著みたいですが）書いているのですね。セルフパロディというべきか。
　間違うていたのは私の方でした。ああ恥ずかしい。小笠原さん、ごめんなさい。
　とはいえ、メディア・リテラシーの入門書というような内容の新書で原典を示すことなくパロディの方を引用するのは不親切と思うたりもするのですが。
　いや、言い訳でも負け惜しみでもなく。原典を知った上でこそパロディは面白いしにやりと笑えるものになるわけやから。
　というわけで、指摘してくれた友人に感謝いたします。

恥ずかしい間違い

　メディア・リテラシー教育のために、仕事の合間を縫ってあれこれと本を読んでいる。ここ数日は小笠原喜康「議論のウソ」という新書にかかっていて、これは統計や権威や「わかりやすい言説」に対してどのように対応していったらよいかというような内容の本。
　２００５年に出版されたもので、当時メディアに流布していた言説を検証することによって受け手が陥りやすい間違いを指摘するという、なかなか面白い本なのであります。
　ただ、一か所めちゃくちゃ恥ずかしい間違いがあって、これのせいでせっかく説得力のある内容の本なのにとたんに嘘くさくなるのですね。
　著者は「マクルーハンは『メディアはマッサージである』といいました」と書き、それにひっかけて頭のマッサージがどうとか話を続けているんやけれど、これはめちゃめちゃ有名な「メディアはメッセージである」の間違いですよねえ。私も一応社会学士ですんで、「メディアはメッセージである」くらいの言葉は知ってますがな。
　メディアはメッセージを発信するだけやなく、メディアそのものがメッセージになり得るというような意味で、メディアのもつ特性を言い表した言葉やね。「マッサージ」ではありません。というか、「マッサージ」では意味が通りませんがな。
　この小笠原さんという方はなにかで「メディアはメッセージである」というこの言葉を読んだ時に、間違えて「マッサージ」と刷り込まれたんやろうね。で、そのまま訂正されることなくここまできている。確かめたらすぐにわかる間違いなんやけど、それでいってしもうてるから間違いに気づいてへんということなんかな。
　正直、メディア論は社会学の中でも重要なポジションを占める分野で、それに関連した本の中でこういう初歩的な間違いをやらかしたら、本全体が嘘くさくなってしまうのですよね。「議論のウソ」というタイトルなのに、本そのものがウソみたいになってしまう。
　この本は初版からまだ増刷されてへんみたいなんで、訂正することもでけへんまま５年以上流通してるんやな。私、この部分を読んだ時、わざとダジャレを言うて笑わそうとしているのかと思い、あとがきのところで「実は、私も本書の中でひとつウソを書いています」くらいやってくれるかと期待してたんやけれど、残念ながらそれはなし。
　そこを除けば非常に興味深い本だけに、なんかもったいない。おかげで細かい内容よりも「マッサージ」のところだけ深く記憶にとどまってしまいました。なんて罪作りなことよ。

オープン戦ならでは

　花粉が大量に飛散しているせいか、目がむずがゆい。こういう時は水道で目を洗うといいのです。まあ目薬の方が効くんやけどね。目薬がない時は目を洗いましょう。以上、おっさんの豆知識の時間でした。
　それはともかく、今日は昼間にタイガース対ライオンズのオープン戦があり、サンテレビで生中継をしていた。むろん私は仕事ですので生では見られへん。録画して、帰ってから実況気分で見る。
　試合は若手がライオンズのベテラン投手たちに翻弄されて完封負け……直前に中継が終了。「サンテレビをご覧のみなさまはここでお別れです」！　オープン戦ならではやね。シーズン中は日付が変わろうと最後まで中継するのがサンテレビのポリシーなんやけれど（深夜アニメはそれにつれて放送時間がずれる。アニメファンには評判が悪い）、オープン戦はその限りにあらず、なのです。つまり、今の時期しか聞かれへんセリフなのですね。
　まあ、負け試合やからええか。はやくシーズンインしないかな。明日以降もテレビ中継が各局である。全部録画して帰宅してから楽しむんだい。仕事では今週から来週にかけてかなりストレスがたまりそうなんで、野球中継くらいないとなあ。相撲は中止なんやから。

米国務省日本部長の発言

　アメリカ国務省の日本部長のメアたらいうおっさんが日本に留学しようとするアメリカ人学生向けに講演したそうな。以下、琉球新報のサイトから引用。

「（前略）日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。
　しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。（中略）日本に行ったら本音と建前について気を付けるように。言葉と本当の考えが違うということだ。私が沖縄にいた時、「普天間飛行場は特別に危険ではない」と言ったところ、沖縄の人は私のオフィスの前で抗議をした。沖縄の人はいつも普天間飛行場は世界で最も危険な基地だと言うが、彼らは、それが本当でないと知っている。（住宅地に近い）福岡空港や伊丹空港だって同じように危険だ（後略）」

　オフレコだということで話をしたらしいけれど、聞いていた留学希望の学生があまりにひどいと思い、メモをとったものを公開したとのことです。
　こういう認識をもつおっさんが沖縄で総領事をしていたとかいうんやから、そら米兵による日本人女性に対する暴行事件がなくならんはずやわなあ。明らかに見下してるんやもん。なんで普天間飛行場と伊丹空港の危険性が同じなんですか。伊丹空港には米軍の戦闘機は離着陸せんぞ。このおっさんは戦闘機と旅客機の区別もつかんらしい。
　こういう発言に対して抗議すべき外務大臣は辞任して不在。そらなめられますわ、日本政府。
　私はナショナリストではないので国威とか国辱とかそういうのはようわからんけれど、少なくとも米軍基地の脅威に日々苦しんでいる沖縄の人たちに対する人権侵害やということはわかる。
　大手新聞の社説のように書くなら、メア部長に対し、日本政府は直ちに謝罪を要求し、菅首相はこのような人物を任命した責任をオバマ大統領に対して問うべきである。てな感じになるかな。私がこんなところで偉そうに書いたからどうなるというもんでもありませんけどな。
　幸いなのは、この講演をおかしいと感じ、その内容を「オフレコ」にもかかわらず外部に対して公表した学生さんたちがいたということであります。アホのいうことをうのみにしないリテラシーをもっている人たちが留学してくれる。ほっとする話やないですか。

おばちゃんの献金

　法律違反に対しては厳正に対応していただかんならんと思うんやけれど。
　前原外相が外国人から政治献金を受けていたという件で自民党の議員から糾弾されるのをテレビのニュースで見ていて、これは外国人スパイに金をつかまされて日本を売った売国奴かと思いましたね。
　で、新聞でくわしい事情を読んだら、なんや昔馴染みの焼肉屋のおばちゃんが偉くなった前原君を応援しようと４年で２０万円という、まあいうたら志程度の献金やないですか。しかもこのおばちゃんは通名を使うていたから前原外相も在日かそうでないかはわざわざ聞かれなんだと、そういうことらしい。
　日本経団連から下心見え見えの多額の政治献金を長年受けてきた政党の議員が、個人的に応援しようという町のおばちゃんの献金を糾弾する図というのは、私から見たらなんや情けないように思えるんですけどね。
　私は別に前原外相を応援しているわけでも何でもないし、法律違反に対しては確認した上で返金し、今後は個人献金をする人に「あなた日本人？」といちいち確認するようにしたらええんと違うんと思うのね。
　各紙の社説では「少額だというのは言い訳にはならない」というような論調でこれまた前原外相を非難しているけど、大企業の多額の献金やったら外資系でもよくて、町の焼肉屋のおばちゃんの寸志に対しては外務大臣を辞任するほどの罪悪みたいに書きたてる神経というのは、私にはなんか違和感があるんやけどねえ。
　これ、法律に問題があると思う。問題とするなら法律の不備を指摘した方が建設的やと思うし、現在外交問題がいろいろと大変な時にこんなに簡単に大臣を変えてええんかという、そういう意見もあってええんやないかなあ。
　というわけで、思わぬところで前原さんは足下をすくわれたわけですが、自民党の各議員も叩いたら埃の出る人は多いんやないかな。野党になったから急に清廉になるなんておかしなことはなかろうからね。

金本の覚悟

　今日は月に一度の医者通い。阪急電車で京都に。かなり疲れていたんで、医者の他は書店に寄っただけで帰宅。すぐに午睡。そして爆睡。
　完全休養とまではいかんけれど、明日も一日ゆっくり休めるので少しは疲労が取れるか。医者には「春休みの休みをまとめて取れる時によく疲れをとるように」と言われた。
　まあ、入試と卒業式という大仕事が終わったんで、気分的にはかなり楽か。
　夜は録画しておいたタイガースの特番などをテレビで見る。江夏豊さんが金本知憲外野手にインタビューしている。江夏さんが「ＤＨのあるパ・リーグに移籍することは考えなかったか」と問いかけると、金本選手はしばらく間をおいて「ないですね」と答え、「タイガースで現役を終えることがベストだと思う」と答えていた。
　むむむむむ。金本さん、今年で現役引退も視野に入れているか。今年のタイガースは監督も選手も口をそろえて「優勝」とかなり真剣な表情で宣言している。つまりこれは金本に対するはなむけという思いが強いんやないか……。
　テレビは怖いなあ。表情からそんな覚悟みたいなものまで映し出してしまう。
　それならこちらもそのつもりで応援しますぞ！

卒業式と第４１回ＮＨＫ上方漫才コンテスト

　今日は勤務校の卒業式。私は今年は照明係を担当。体育館の上の階からピンスポットライトを操る。卒業生たちが担任へのメッセージビデオを流しているのを見たとき、何かぐっとこみあげてきて思わず涙。あかんねん。私、こういうのに弱いんだ。来年は自分の番ですな。きっと泣くやろうなあ。来年の自分を重ね合わせているのかな。
　感情がたかぶると、疲れる。漫研の生徒からメッセージをもらい、またぐっときてしまう。帰宅するのもおっくうになるほど疲れた。
　夜はテレビで「第４１回ＮＨＫ上方漫才コンテスト」を見る。今年は決勝出場の６組すべてのレベルが高く、ＡＢＣのコンクールで優勝した経験のあるかまいたちが最終決勝に進まれへんくらい。決勝は漫才のスーパーマラドーナとコントのさらば青春の光が対戦。甲乙つけがたい出来やったけれど、優勝はスーパーマラドーナ。怪談と見せかけて笑いをとるという古典的パターンでありながら、絶妙の間で笑わせてくれた。こういうコンビのためにもＭ－１グランプリは残しておいてほしかったなあ。
　というわけで、今日は泣いたり笑うたり感情の起伏の激しい一日でありました。ああしんど。

携帯カンニング受験生

　ついに携帯カンニング受験生が逮捕された。携帯から「ＹＡＨＯＯ知恵袋」に投稿したその端末の識別番号から足がついたということになるわけやけれども、そんなんばれへんような手立てを何もしてなんだということに私は驚いている。
　大学の試験監督の目を盗み、短時間で試験問題を写し取りサイトに投稿した、その方法をニュース番組ではあれこれと検証しているけれど、どうやったかなかなかこれというやり方を特定でけてへん。それだけ巧妙にカンニングを行ったということなんやな。
　その巧妙さと、端末の隠蔽など何もしてへん杜撰さとのアンバランス加減に、これまた私は驚いている。
　長年障碍児教育にたずさわってきたせいか、一見健常と思える人でも発達のバランスが崩れていると見られるものに関しては、何らかの障碍があるんやないかと考えてしまう。この受験生も、広い意味での発達障碍があるように思えてならん。特に自分がやったとばれてしまうことに対してなんの警戒もしてへんあたり、精神的な成熟度が未発達なんやないかという気がしてならん。
　カンニングのテクニックについては捜査によって明らかになると思うけれど、私はそれ以上に、この学生の人間像というものに関心を持っている。発達障碍であろうと許される行為やないのは当然ではあるけれど。

霰やこんこ

　今日は合格者発表。これで入試業務も一応終了。と思うたら、明後日は卒業式。この時期はいつもそうやけれど、人事等も含めて連日慌ただしく過ぎていくなあ。
　というわけで今日は定時に退出。間が悪いというか、空模様があやしくなってきた。急いで帰ろうとしたら、雨脚が強くなってきた。顔にあたると痛い。
　痛い？
　服に白い粒がついている。
　粒？
　おお、霰（あられ）やないですか。雪やこんこ、霰やこんこの霰ですよ。大阪市内で霰が降るやなんて、なんと珍しい。
　しかしこの霰というのはやっかいですな。雪やとわりと乾いているんではたいたら落ちる。霰は氷の粒やからべちゃあととけるんですな。めったに霰なんかに遭遇することがないもんやから、こんなにべちゃべちゃするもんやというイメージがなかった。
　雨宿りならぬ霰宿りでコンビニに入ったりする。しばらくしたら霰を降らせていた雲が去ったからよかったけどね。
　しかし去年の夏から今年の冬にかけての天候はほんまに極端やなあ。春めいてきたかと思うと霰ですもんねえ。明日は気温がぐっと下がるとか。
　そうか、東大寺二月堂はお水取りをやってるんやなあ。寒いはずや。近畿の冬はお水取りまで。この時期ぐっと冷え込むのは昔から、でありました。

高濱はマリーンズへ

　入試業務もあらかた終わり、明日の合格発表と後片づけを残すのみ。やれやれであります。
　やらんならん仕事も午前中になんとか片づけ、こちらも事務処理を残すのみ。ほっとしているのであります。
　体調も徐々に回復し、胃も刺激物を受け入れるようになった。脂っこいものもまず大丈夫。やっぱり１週間くらいはかかるなあ。もっとも、入試業務というかなりハードな仕事がなければもう少し回復は早まったかもしれんけど、それはまあ仕方ない。
　結局マリーンズには高濱内野手を人的補償でもっていかれてしもうたけれど、これも相手チームのエースをいただいたんやから、実績の全くない若手ですんでよかったと思うほかない。高濱は「ロッテで活躍してまたＦＡで阪神にほしいと言ってもらえるようがんばる」とコメントしてる。嬉しくて泣けてくるよ、おっちゃんは。立派に育って帰っておいで。マリーンズの西村監督は「必要な戦力だと思っている」とコメントしているけど、当たり前やないですか。やっと故障が治って実力を発揮し始めた有望選手なんやからね。必要やなかったら返してもらうところじゃ。
　こうなったらＦＡ移籍の小林宏投手にはフルに活躍してもらいぜひ優勝に導いてもらいたい！