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コンビニ人間 [読書全般]

 今日から来週にかけては「夏季特別休暇」。正式な「盆休み」というわけです。日中は暑く、風の通る寝室で午睡と読書。昨日買うてきた「文藝春秋」掲載の芥川賞受賞作、村田沙耶香「コンビニ人間」を読了。選評も読んだけれど、どの審査員も指摘してなんで首を傾げたけれど、端的にいうと「高機能自閉者の視点で見た現実社会」を描いたもの。主人公は明らかに自閉的傾向の特徴があり、彼女からみた「社会」は彼女には理解でけんもの。コンビニエンスストアの店員というマニュアルを手に入れたことによって、「社会」に適応している。そこにやはり発達障碍(ADHDの傾向が強いが、自閉的傾向も見られる)の男性が現れることにより、安定していた「コンビニ」という箱庭がかき乱され……。
 この作品が成功しているのは、この男女について一切発達障碍という表現を使用していないところ。そういうレッテルを貼ったら、この小説に対する見方はまるで変わってしまうことやろう。審査員の方たちが本作の主人公を「他とは違っている」というような書き方をしているのは、読者にそういう予断を抱かせないためか、それとも発達障碍についてあまり知識がないのか、どっちかわからんけれど、作者の狙いは当たったと見ていいんやないか。
 どういう読み方をしても、なかなか興味深い作品やった。さて、これがもし映画化される場合、脚本家や監督は主人公を「変な人」として描くのか、「発達障碍」として描くのか。そういう興味がわいてきた。私としては、「発達障碍」を十分理解した監督が、あえて「変な人」として描き出してほしいと思う。
 夜はテレビでナイター観戦。監督休養でガタガタしているドラゴンズの選手たちは、目標を失うてバラバラになっている感じがする。優勝という目標のあるカープの選手たちの動きとここまで違うかと驚くばかりですね。

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