SSブログ

パルナスを知らない子どもたち [テレビCM]

 3年生たちはいよいよ卒業。生徒たちが進路指導室にやってきて、今年は進路指導担当やけれど、去年までは担任を持っていた先生たちに、卒業アルバムにサインをしてほしいとねだったりしている。こういうところはお山の学校の生徒たちも前任校の大阪市内の生徒たちもさして変わらんなあ。私は授業での関わりはあっても、担任として親身になって接したりすることはなかったから、特にサインをねだられることはなし。もしねだられていたら、「笑門来福」または「笑って笑って幸せに」なんて言葉を添えることにしている。座右の銘というほどではないけれど、むすっとしているよりはにこっとしている方が健康にもええのです。
 ちなみに、私の密室芸の持ち芸は、昔よく土産物屋で売っていた「笑い袋」という、ボタンを押すと笑い声がする玩具の物真似です。
 午前中は成績情報の登録と、プリントアウトしたものをほかの先生に頼んで読み合わせをしてもらうという作業、成績不振者を学年教務のエクセルの表に記入、個別の指導計画のある生徒の通知表に書く文言の作成など。午後からは奨学金の年間スケジュールをまとめ、注意点などを書きいれて来年度に引き継ぐ文書の作成。ほとんどパソコンの前に座っての作業であります。
 進路指導室の同僚が、「明日は雛祭りで女の子の節句やのに、うちの息子は『ひなケーキ』が食べられるとか言うの」とぼやいていた。そして、「雛祭りはひなあられでしょう。いつからひなケーキなんてできたの」とこぼすので、「かなり昔、パルナスの宣伝でひなケーキもあったよ」と昔話。パルナスというのは昔関西ではよく知られていたロシア菓子のチェーンです。今はもうない。後継者として「モンパルナス」という店が残っているらしい。
 その同僚は辛うじてパルナスを知っている世代らしく、「昔近鉄の山本駅の前に店があって、『パルナスがある!』って嬉しくなったなあ」なんて言う。ところが、若い同僚は「パルナスってなんです?」と怪訝そうな顔。そうかあ、20代後半くらいの人やともう「パルナスを知らない子どもたち」やったんやね。私ともう一人の同僚で説明したりしたけれど、まあYouTubeで「パルナス CM」で検索したら、哀愁漂う歌が流れてくるから。

 しかし、こういう時に自分が年寄りになったというのを実感しますねえ。
 この前も「デイリースポーツ」の読者コメント欄で今季の外国人選手がまだ戦力にならないという記事に対してボロカスに書いているのを読んで「バースもフィルダーもマートンもメッセンジャーも、開幕まではダメ外人みたいに扱われ、バースやメッセンジャーはクビになりかけたりしてたんやで。外国人選手はシーズンが始まらんと評価でけへんのやで」と私が見てきた50年に及ぶタイガースの助っ人たちの顔を思い浮かべながら心の中で呟いていたのです。「オープン戦で打ちまくっていたクルーズなんか、シーズンに入ったらからっきしやったんやから」と、おそらくほとんどの人の記憶に残ってへん助っ人のことまで思い出していたわい。
 で、以前街でばったり会うた教え子の声が頭の中に響きました。
「先生、おじいちゃんになったなあ」
 そうですとも。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。