SSブログ

ある生徒の死 [追悼]

 出勤してすぐ、同僚から昨年度の卒業生の一人が亡くなったことを知らされた。昨夜が通夜で、今日が葬儀。とても参列できそうにない。
 進行性筋ジストロフィーの生徒で、車椅子での移動だけでなく、板書のノート筆記やテストの回答など、常に介助の必要な生徒やった。昨年は手術で声帯をとったため、無音でしゃべるのを聞き取ろうとするんやけど、口元を見ながらでもなかなか何を言おうとしているのかわからず、「ごめん、もういっぺん言うて」と何度も言い直してもらい、私自身にはもうわからんようになっている数学IIIの問題を解いたりしたもんやった。
 私の担当する現代社会の授業を受けていて、休みがちやったけれど、しっかりテスト勉強もして、成績は優秀。国公立目指してセンター試験を受けたけれど、残念ながら浪人。今年もセンター試験を受けることになっていたという話を聞いたところやった。
 難病だけに、いつかはこの日が来ることは覚悟していたけれど、さすがに朝いきなりこの一報はこたえたなあ。
 まだ19歳。たとえ不自由な体であっても、懸命に生き、未来に夢を持っていた。その一端を知っているだけに、わずかな関わりだけではあったけれど、忘れられん生徒やった。それだけに、この若さで亡くなってしもうたことが残念でならん。
 彼は彼なりに、短い生を生き切ったものと信じたい。
 私は生まれ変わりというものは基本的には信じてへんのやけれど、彼だけは次の生があって、大好きやった野球を思い切りプレーできるように生まれ変わってほしいと願う。
 君のような生徒がいたということ、後輩にも語り継いでいくよ。

 12月15日(日)は「たちよみの会」例会です。今月は都合により14:00より開始です。ご注意ください。多数のご参加をお待ちしています。

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0