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豊田泰光の死 [追悼]

 日刊スポーツの一面は連日「SMAP解散」について。五輪大会も高校野球もプロ野球も2面以降に押しやられている。それでええんか。雑誌を買いにコンビニに行ったら、他のスポーツ紙はタイガースや五輪が一面やったから、日刊スポーツだけ差別化をはかって一面にしているんやろう。それでええんか。
 おかげで元西鉄ライオンズ内野手、豊田泰光さんの訃報 などかなり後ろに追いやられてしもうている。享年81。死因は肺炎。
 私は現役時代の豊田さんのプレーはもちろん見てへん。ただ、野球雑誌、ムックなどで往年の西鉄ライオンズ黄金時代について読むことくらいしかでけん。
 ただ、「週刊ベースボール」に長年連載していた「俺に言わせろ」は毎週愛読し、いつもそのプロ野球界に対する直言を楽しみにしていた。自らの意思で筆を置かれた時は、非常に残念やった。
 文章は自分で書いてはったという。新聞などのプロ野球解説者による「評論」というのはたいていはしゃべったことを記者が書き起こしてまとめるものやそうやけれど、豊田さんはそうはせなんだ。その文章力の確かさは丸谷才一さんにほめられたほど。丸谷さんがほめたのはテレビやラジオの解説での言葉遣いやったかな。とにかく、元プロ野球選手にありがちな専門用語の羅列で視聴者や読者を惑わすようなことは一切なかった。
 応援団のトランペット、ナベツネ、人工芝、クライマックスシリーズなど、野球の楽しみを阻害するものには最後まで反対し続けた。特にクライマックスシリーズは連載の最後まで「あんなものはやめよ」と主張し続けてはった。
 先人の功績を忘れないようにということも主張し続けてはった。西武ライオンズがその前身の西鉄や太平洋クラブ、クラウンライター時代も球団史に加えるようになったのは、OBとして豊田さんが尽力しはったからやろう。
 監督やコーチになりたいという未練を断ち切らはったからこそ、その直言には純粋な球界への思いが込められていたんやと思う。
 筆を置かはってから長いけれど、大谷の二刀流の事などどういうふうに見てはったんやろう。その歯切れのよい文章でぜひ読んでみたかった。
 謹んで哀悼の意を表します。

 8月21日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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