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眉村卓讃 [SF]

 本日も完全休養日。お医者の薬は今日の昼まで。午前中はテレビを友とし、昼食後、午睡。夕刻起きてきて、読書。夜の体温は平熱より少しばかり高い。風邪は治ってへんみたい。またお医者に診てもらうてもかわりばえせんやろうし、改源で症状を抑えておくか。できたらあと1週間くらいだらだらと休みたい気分ですけれども。妻から見ると、なんか目も腫れぼったいらしいので、花粉の影響もあるかも。アレグラ錠を服用したら、鼻の具合はましになった。
 日下三蔵・編「日本SF傑作選・3 眉村卓」(ハヤカワ文庫JA)を読了。初期の作品から「下級アイデアマン」「わがパキーネ」などの異世界接触ものと、「産業士官候補生」などのインサイダーSFを収録。私の場合、眉村さんというと「ねらわれた学園」「まぼろしのペンフレンド」「なぞの転校生」などの一連のジュヴナイルSFや「司政官」シリーズなどは読んでいたけれど、初期の短編集はあまり読んでなんだ。そのため今回初めて読む作品も多く、ありがたかった。
 一読、驚いた。初期の眉村作品のシニカルなこと! いわゆるデッドエンドというべき結末が圧倒的に多いのですね。そうならなくても、なにやら皮肉な将来を暗示して終わっていたり。ここらあたり、第一世代の作家群の中ではかなり異色な存在やなかったろうか。
 特に異世界との接触ものでは、地球人からの視点で描かれたものは少なく、異世界人(宇宙人など)の視点から地球人を見た作品がほとんど。星新一さんや小松左京さんとはまた違う突き放し方ですね。後半に収録されたインサイダーSFでも、やはり人間に対して悲観的な作品が中心。小松さんは人間を最後のところでは信頼していたのかもしれんけれど、この時期の眉村さんは絶望してはったんかなあ。
 これはもう近著にも手をのばしてどう変化しているかを確かめたくなりますね。
 よう考えたら、ジュヴナイルSFでも人類の描き方はけっこうえぐかったりするなあ。むろん子ども向けに希望を持たせるような結末にはしてはったけれど。
 このシニカルさは昨今のSFには見られないものかも。若い読者にぜひ読んでもらいたくなる一冊でありました。

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