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文豪宮本武蔵 [読書全般]

 今日も朝から疲れくたびれたおっさんですが、仕事にはなぜか行けてるのが不思議。午前中は授業と事務作業。空き時間に中学校訪問のアポ取りの電話をしたら、今日の午後にいけることになり、急遽準備。とりあえずできる範囲で仕事をすませ、昼過ぎに退出。帰路の途中の駅で下車して、中学校へ。たまたまその学校の卒業生を受け持っていたので、進路担当の先生との会話も弾み、手ごたえあり。しかし2週続けてアポを取ったその日に訪問できるというのは一気に仕事が片付いてよろしいね。
 少しばかり早めに帰宅し、少し寝る。夜起きて、追っかけ再生でプロ野球中継を見る。9回表に同点に追いついたけれど、その裏にサヨナラ負け。でも、ここまで3敗を食らうていた森下をマウンドから降ろしたのは収穫。
 しんぞう総理が会見で辞意を表明。最長不倒記録を作ったらそれでよかったのね。彼の政治的遺産というのは長期政権やったというだけになったなあ。戦後政治史を知らん若者たちはネット上でねぎらいのツイートをしているかもしれんけれど、もっと短い期間に功績を残した名宰相は何人もいてる。私が現代社会か政治経済を教えていたら、そのあたりのネタをたっぷりできるところなんやけれどね。
 田中啓文「文豪宮本武蔵」(実業之日本社文庫)読了。巌流島の決闘で佐々木小次郎を倒した剣豪宮本武蔵がタイムスリップして明治時代に登場し、樋口一葉に助けられ、正岡子規らと交友し、ついには小説家になってしまう。そこで剣をペンに持ち替えた武蔵はジュール・ヴェルヌばりのSF小説を書いたりする。そして女性の社会進出を阻もうとする官僚と対決することになるのであった。
 こうやってあらすじをまとめてみたらギャグ小説みたいな感じがするけれど、そうではなく至ってシリアスに物語が展開されるので驚いた。たぶんタイトルを地口で決めて、そこから物語を構想したんやないかと推察されるけれど、とてもそんなふうには思えん。例によって大量の資料や参考文献を読みこんで、しっかりと練り上げて書いてはるに違いない。帯には「爆笑必至! 痛快時代エンタメ」というあおりがあるけれど、「もし宮本武蔵が明治時代にタイムスリップしたらどうなるか」というシミュレーションをした明治小説であります。武蔵と一葉の淡い恋物語になっているところなんかもうまいねえ。本格派の歴史小説がお好きな方にこそお薦めしたい一冊であります。田中さん、やるなあ。

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