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第二の銃声 [読書全般]

 朝から「pet」 「ソマリと森の神様」 などのアニメ、「100分de名著/貞観政要」などを見てから出勤。今朝はひんやりとしていて冬らしい朝やった。
 今日の授業でも1分間スピーチでこちらが予想した以上のものが出てきてとても満足。この学年を担当しはじめた4月には予想もつかなかったくらいの出来。高校生の1年というのは私らの1年よりも濃密な1年なんやろうなあと、自分の高校時代のことなど思い出したりしながら思う。
 空き時間は奨学金関係の事務作業など。水曜日はいつも火曜日の反動で超低速モードになるのです。放課後は入試関係の打ち合わせ。定時に退散。
 帰宅後、相撲中継の録画を見る。十両は照ノ富士が11連勝。このまま全勝するんやないかと吉田賢アナウンサーが言うてはった。吉田さんの見立てなら大きく外れることはなかろう。徳勝龍も正代も力強い相撲で1敗を守る。2敗で貴景勝、豊山、輝が続く。まだまだわからんなあ。明日は徳勝龍が輝と対戦か。輝が自力で徳勝龍を引きずり降ろせるか、やね。正代は阿炎と対戦。現状なら正代有利かと思われるけれど、阿炎は意外性のある力士やから、どうなるかわからんぞ。
 アントニイ・バークリー/西崎憲・訳「第二の銃声」(創元推理文庫)読了。久しぶりに古典ミステリを手に取る。とはいえ、バークリーは一筋縄ではいかん作家なんで、古典とはいえ二重三重に仕掛けがしてあったりする。舞台は人里離れた山荘。招待客の中には品性下劣な男性エリックが混じっており、殺人劇で遊ぶという趣向でも殺される役回りになる。ところが、お芝居で殺されるはずが、エリックは本当に殺されてしまう。警察は本書の語り手であるピンカートンに嫌疑をかける。しかし、ピンカートンよりもエリックに恨みを持つ人物は多数いて、誰が犯人であってもおかしくない。ピンカートンは自分の無実を証明するために名探偵ロジャー・シェリンガムを呼び寄せる。エリックを中心にこんがらがった人間関係が錯綜し、次々と自分が犯人だと名乗りを上げる人物が登場。無実のはずのピンカートンまでもが自分が犯人だと主張し始めるまでになる。果たして事件の真相は、というお話。本格的な謎解き、やないのです。いくぶんアンフェアやったりする。まあクリスティのアンフェアな作品よりはましとしても。でもそのアンフェアさを楽しむ作品やないかと思うのです。作者はあの手この手で読者を引っ掛け、そのためには名探偵でさえヘボ探偵にしてしまうことをいとわない。「毒入りチョコレート事件」で次々と「真相」を出してはひっくり返していった、あの諧謔精神が本書にも横溢している。作者のミスディレクションに導かれながら読むのが楽しい、そんなちょっとひねくれた読み方のできる作品であります。こういう実験的なものを推理小説草創期に書いている作家がいてるというのがなんとも楽しいやないですか。エラリィ・クィーンみたいな本格パズラーを読みたい人には薦めへんけれど、作者の仕掛けた罠そのものを楽しみたいならぜひご一読を。

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