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ニコチン・ウォーズ [読書全般]

 本日は考査3日目。午前中は試験監督。午後は書類作成に追われ、試験の採点はできず。
 帰り際にインターンシップの出前講座を依頼していた新聞記者の方から電話があり、講座の内容や、インターンシップの内容などについて説明したあと、打ち合わせを行う。携帯番号も交換したので、今後は何かあれば連絡がとりやすくなる。また生徒が体験実習に行っていた調理師学校の方が別件で来校してはったので、あいさつをしてコロナ休校で実施されなんだ分を後期にしてもらうよう要請。快く承諾してくれはった。採点でけなんだけれど、それなりにええ仕事はでけました。
 定時に退出し、帰宅してABCのプロ野球中継を追っかけ再生で見る。いつもなら9時前からサンテレビやKBS京都でリレー中継をするんやけれど、今日は10時前まで枠を取っていたためかリレーはなし。試合が長くなったので9回表で中継終了。大敗していたので、続きはラジオで聞いてスマホのDAZN配信は見ず。その後は少し読書。
 クリストファー・バックリー/青木純子・訳「ニコチン・ウォーズ」(創元推理文庫)読了。煙草産業のスポークスマンである主人公のニックはテレビで禁煙団体の役員を言い負かすが、テレビ局にニック殺害の脅迫電話がかかってきた。ニックにはボディーガードがつくが、つきまとわれるのを嫌った彼はボディーガードをまいて女性のもとへ。しかしそこで誘拐監禁され、大量のニコチン・パッチを貼られ重体に。当初は被害者として同情もされていた彼が、突然誘拐監禁が自作自演の狂言だったとFBIに追われることになってしまった。彼を誘拐監禁したのは誰か。なぜ彼の知らぬ間に自作自演の嫌疑をかけられたのか、という話。なにより面白いのは、米国がディベート社会であることを、タバコ、酒、銃のスポークスマンたちに焦点を当て誇張することによって笑い飛ばしていること。仮想的を作り社会を分断することの愚かさなどが巧みに描き出される。ミステリ的要素はおまけみたいなものなんやけれど、被害者が一転して被疑者になるあたりの謎解きはこれまたアメリカらしさが示されていて興味深い。原著は1992年が初出なんやけれど、20年後の現在でも通用する、いや、その分断ぶりは日本にも伝播しているので、極めて現在的なテーマとして読める。喫煙派も嫌煙派もどちらが読んでも楽しめるようになっている。少し前に発売されたものなんで、大きな書店でも在庫はないかも。今こそ読まれるべきと私は思うたけれどね。

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