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小松左京の死 [追悼]

 SF作家小松左京さんの訃報に接する。享年80。死因は肺炎。26日には亡くなってはったという。実は、同日、私の実の叔父が亡くなっていて、諸般の事情で告別式は明日。26日近辺に「朝から大事な電話があり、その電話のあとの第二報を一日中待つということになった。仕事がなかなか手につかず、落ち着かない一日を送る」と書いたのはその件。身内とSFの両方で同日に不幸があったことになる。なんともいえん気分で、今これを書いている。
 SF第一世代の中でも、別格が3人。星新一さん、小松左京さん、筒井康隆さん。私の中ではこのお三方は特別な存在なのです。私をSF小説の面白さに導いてくれたのは福島正実さんや眉村卓さんのジュヴナイルであり、SF的なものの見方考え方の種をまいてくれたのは手塚治虫さん(手塚さんは神様なんで、「別格」よりさらに上位にあるのです。為念)。そしてSFというジャンルを強く意識して読み始めた時にお三方の作品が文庫でどっさりと手に入った。
 夢中になって読んだなあ。「明日泥棒」は笑いのつぼを押さえつつも展開される文明批評。「日本沈没」「復活の日」などは自滅する人類に対し、それでも希望を捨てない視線というものに考えさせられることが多かった。書評を書くようになって「虚無回廊」の再新刊が出、復刊されたものと合わせて一気に読み、読了後しばらくなにもでけなんだのは記憶に新しい。スケールがでかいというのはこういうことをいうんやなあと改めて感じた。SF大賞が「首都消失」に送られたのは、たまたま小松さんにも賞をという時期に書かれたものがそれやったということなんやろうと勝手に解釈しているのは、「首都消失」に与えられるなら「虚無回廊」に与えられないのはおかしいと今も思うているから。そやけど「虚無回廊」はまだ未完なんやなあ。
 私はおそれおおくて直接お話ししたことはほとんどない。あ、SF大会「Daicon5」でゲスト用のホテルの受付をしていた時にご案内したなあ。いやいやそれは話をしたうちに入らんか。
 明日は叔父の葬儀。叔父の死も小松さんの死もまだ実感としてないのだけれど。明日の朝の新幹線の中で、じわじわと感じるのでありましょう。
 ああもうなんか考えがまとまらへんわ。かなりショックですよ、ショック。
 謹んで哀悼の意を表します。

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雫石鉄也

小松さんは星群祭に2度来ていただきましたので、ありがたいことですが、私は親しく言葉を交わす機会に恵まれました。
小松さん、いろんな意味で「親分」ですね。
小松さんと星さんが来た星群祭もありました。その時は、右に星さん、左に小松さんという、とんでもなく贅沢な環境で、お酒をのんだことがあります。
by 雫石鉄也 (2011-07-29 10:15) 

t-kita

うらやましいことです。
by t-kita (2011-07-30 00:03) 

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