大先輩の一言

　今日は５月とは思えないほどの猛暑。印刷やプリント綴じなど単純作業にいそしむ。あまり深く考えへん仕事が、今は気楽で楽しい。
　帰り際、定年後も非常勤講師としてきてはる大ベテランの先生に「仕事したくない病ですよ」なんて自虐的に相談する。
　そうですなあ、と相槌を打った後、先生は笑顔でこう言うてくれはった。「どうしてもせんならん時になったら嫌でも仕事しますから、気にせんでいいですよ」
　すっと気が楽になった。あれもせんならん、これもせんならんと気に病んでいたけれど、なんかすっぱりと割り切れたような気がした。
　先生も定年前はいろいろとしんどい時期があったんやろうなあ。その時の経験があるから、すっとこういう言葉が出てくるんやなあ。しかも私を追いつめんような、そんな気配りも感じられ、涙が出そうになるほど嬉しかった。
　何事にも先達はあらまほしきことなりと、兼好法師も書いてはる。
　私も若い先生に相談されることがある。この大先輩みたいに声かけをしてあげられてるやろうか。まあ、私は私、真似でけんことを無理にしても仕方ない。でも、こういう先輩になりたいものでありますね。