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幽霊が多すぎる [読書全般]

 朝食をとりながら「100分de名著 貞観政要」第一回の放送を見る。ビジネスマン向けのネタになりそう。今回は「リーダーに必要なもの」というお題やったけれど、理想的過ぎて人間臭さのないものはあんまり好きやないなあ。むろん第四回まで見るつもりやけれどさ。
 出勤時、自宅を出たらざざ降り。風も強い。ところがお山の学校についたら小やみになっていて、「全校集会」という名の始業式が終わるころにはすっかりあがり、晴れ間も見えてきた。室内にいる分には汗ばむくらい。そやけど昼休みに一服つけに校門を出ると、風がきつく吹きつけてきて体温を持っていかれそう。木々が揺れてごうごう音が鳴ってるもんな。体温調節の難しい一日でした。
 まだ授業がなく、府教委の統合ICTも不調のままで、午前中の事務作業ははかどらず。午後は会議。生徒情報の交換など。会議後は私の持っている個人情報を調べて連絡したりして、時間があっという間に過ぎ、定時で退出。
 帰宅後は深夜アニメ「翠星のガルガンティア」の再放送を録画したので、妻と見る。7年ほど前に放送されたものやけれど、最近はおもしろかったものをBSでよく再放送してくれるのでありがたい。
 夕食後は読書。ポール・ギャリコ/山田蘭・訳「幽霊が多すぎる」(創元推理文庫)読了。復刊フェアで久々の増刷。こういう機会に買わんと、またすぐ品切れになるからなあ。ギャリコは「ジェニィ」や「トマシーナ」などの猫ファンタジーを読んで非常に面白かった。そういうこともあり、手にとった次第。妻は「ハリスおばさん」の作家として認識していた。実は最初の方でハリスおばさんがゲスト出演しているのです。こういう遊びがギャリコらしい。粋なのです。本書は本格ミステリ。なにしろ切ないファンタジーやユーモア小説から「ポセイドン・アドベンチャー」みたいなものまで書いてしまう器用な人やからね。イギリスの田舎の洋館で幽霊騒ぎが起きる。心霊探偵ヒーローが呼ばれ、ポルターガイストにひとりでに鳴るハープ、夜に徘徊する尼僧、若い女性を襲う冷たい手などの「幽霊」の謎を、継妹の写真家メグとともに解き明かしていく。それだけやったら普通のミステリなんやけれど、多彩な登場人物を描き分け、それぞれの役割をはっきりさせた上で、もつれた人間関係についても解き明かさんとあかんようになっていく、そこらあたりが単なるトリックミステリとは違うところ。ヒーローなんて人を食った名前の主人公やけれど、ヒーローらしからぬ心の揺れをみせたりと、いろいろな楽しみ方ができる。コンプレックスのある人間群像劇は、ミステリ専門の作家にはない魅力があり、なおかつ読後感もすっきりしていて嫌味がない。まだ在庫はあるはずなんで、謎解きだけでは物足りないという方はぜひご一読をお勧めします。

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