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杜子春の失敗 [SF]

 昨日の朝はなんとかいつもの時刻に起きられた。1日しか休んでへんから、体が休日仕様になってまうんやないかと危惧してたんやけれど、月曜日やと認識してくれたみたい。疲れのとれぬまま出勤。さらに疲れる。今日から短縮授業で、午前中はずっと授業。もっと疲れる。昼食を手早く捕り、一服つけたところで会議。それほど時間はとらなんだけれど、ますます疲れる。会議終了後、一息入れてから土曜に行われた社会科の試験の採点を始める。わりとさくさくと進むけれど、採点ミスのないようにと気力をふるいたたせているから、とことん疲れる。採点途中やったけれど、定時で退散。帰路は疲れているので車中でスマホをいじり、ソリティアなどゲームで気晴らし。それでも疲れる。帰宅後、しばらくだらだらごろごろ。ちょっと疲れが取れたので、読書。夜、ワードでこの日記を書いて、さてアップロードしようとしたら、ネット回線が切断したまま動かず。パソコンを立ち上げてしばらくはつながってるけれど、一度切断されるともうつながらん。やむなくスマホでかんたんんに文書を作ってアップしたけれど、これは困る。
 というわけで、今日スマホで検索して調べたら、ハードディスクのクリーンアップをしてないと切断することがあるとわかった。今日の午後はこの前の土曜午後の代休を取っていたので、考査答案の採点をすませてとっとと退散。帰宅後、午睡し、夕刻起きて鼻ポンプの内科に行く。これも土曜に予約を入れていたけれど変更して今日にしたのです。帰宅してからいよいよパソコンのプログラムからクリーンアップを選んで稼働。おおお、切断しなくなった! ちゃんとケアしてやらなんだ私が悪かった。というわけで、こうやって書いた2日分の内容の日記を読んでいただけることができます。よかったよかった。
 小林泰三「杜子春の失敗 名作万華鏡・芥川龍之介篇」(光文社文庫)読了。小林さんが芥川龍之介の短編小説をモチーフに、現代に生きる人々の姿を描く。いじめられ、金をたかられる少女は青焼きの冊子を通じて杜子春と会話し、自分の取るべき道を決める。零細企業で不正経理を命じられた男は、鉱石ラジオを通じて蜘蛛の糸のカンダタと会話し、自分のすべきことを決める。少し頼りなさげな恋人の子を身ごもった女性は、合わせ鏡を通じて河童の国の第二十三号と会話し、迷いを断ち切る。それぞれ別個の話として書かれながら、読み進めるうちにそれがつながりをもつことがわかってきた。そして書き下ろしの完結編では第一話の少女をいじめていた同級生が、なんとあの因業探偵と出会い、土管の中で白犬と会話し……。三話目までは少しほろりとさせるところもあるええ話なのに、最終話でとことん邪悪になる。そのコントラストがはっきりしていればいるほど、結末はいつものあの小林泰三さんの世界に否応もなく引きずりこまれてしまう。この構成の妙味。パスティーシュかと思わせておいて芥川の短編の写し絵のような、それでも独自の世界を展開していく。すでに次の「名作万華鏡」は「太宰治篇」として連載が進んでいたというが、書き下ろしとなるはずだった完結編が書かれていなければ、中途半端な形での絶筆となっていることになる。おそらく何らかの形でまとめられて出版されるんやろうけれど、本書を読んだら、完結話がなければならないことがわかるので、小林さんが完結編のアイデアでも残しておいてくれたら、それをもとにどなたか完成させてくれんものか。ほんまは私が……なんて思わんことはないけれど、せっかくの小林さんの力作をぶち壊しにしてしもうたらあかんね。
 読みながら、太宰の次は誰やったんやろうかとか、いらんことまで考えてしもうた。そうか、そうやな。もう小林さんのこの独自の世界が新たに綴られることはないんやなあ。まだ未読のものは何冊かあるので、急がずじっくりと読んでいこうと思う。

 12月20日(日)は、「たちよみの会」例会です。新型コロナウィルス感染症対策をした上で、多数のご参加をお待ちしています。第3波が来ているので、例会は13:00~14:30に短縮いたします。

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