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迷路の少女 [読書全般]

 今日は「たちよみの会」。行楽日和とあって京都はなかなかの人出。暑すぎもせず、風が吹くと涼しい。これですよ、初夏の気候というのは。妙に蒸したり、真夏日が続いたり、ここまで初夏らしくなかったもんねえ。
 そんな日に私は「フランソア喫茶室」で3時間本を読みながら誰か来てくれるのを待っていたのでした。本日は私一人。丸善に行って、文庫の新刊を何冊か買う。
 早めに帰宅して、録画した相撲中継を見る。栃ノ心が8連勝。逸ノ城といつもながらがっぷり四つの力相撲。十両に落ちていた時から、逸ノ城戦は好取組やったもんね。両横綱が1敗で追う展開。優勝争いはそろそろこの3名に絞られてきたかな。
 シッゲ・エクランド/北野寿美枝・訳「迷路の少女」(ハヤカワ文庫NV)読了。敏腕編集者とカウンセラーの夫妻の一人娘が行方不明になる。この事件にからみ、両親とその周辺の人間関係が少しずつあらわになり、それぞれの抱えている病理が見えてくる。レーベルも「NV」で、本書はミステリではない。ミステリ風味の人間模様という小説なのです。したがって、娘の失踪や、その結果起こる事件の真相がくっきりと描かれるということではなく、登場人物たちの人としてのゆがみをクールに見つめましょう、という読み方をすべきなんでしょうね。ただ、展開が展開だけに、やはり事件の真相はある程度はっきりさせてほしかったなあという感じか。なんかもやもやとした思いが読後に残ってしまいました。これで何冊か読んできた翻訳の心理ミステリ小説は一段落です。ルメートルをまとめて読んだ時のように、なんか「嫌~ん」なものをまとめて読みたくなる時が間歇泉のようにあるのですね、私。

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