「篤姫」と「家族」

　ＮＨＫ大河ドラマ「篤姫」最終回を見る。
　１年間ずっと見ましたが、人間の愛憎ドラマとしては私としては面白くもあり食い足りなくもあり、というところかな。歴史の解釈としては面白い部分も多々あった。特に１３代将軍家定は病弱で知的障害もあったんやないかと思われる人物やねんけれど、これを「うつけのふり」という解釈を入れることによってかなりユニークな将軍像が作られたんと違いますか。
　違和感があったのは、「家族」の概念。近代的な「家族」観をあまりにも持ち込みすぎたんやないかと思う。現代劇を時代劇の衣装でやってるような感覚があり、視聴率が高かったのはおそらくそのため、なんやろうけれど、「御家」を守るために篤姫が島津本家から近衛家に次々と養女として籍を移し、会うた事もないうつけ将軍に嫁がなならんという話の展開と、篤姫が口にする近代的な「家族」観がかみあわんのですよね。
　まあそこらあたりは割り切って見てましたけれどね。来季は「天地人」。妻夫木聡さんが直江兼継という戦国末期の上杉家の家老を演じる。この時点で、なんかものすごく地味な「大河」になりそうに思うけれど。妻は予告編を見て「でこ出さなあかん、でこ！」と妻夫木くんのでぼちんが隠れているのが気に入らんようでしたが。

コメント 3

「天地人」。たしかに地味そうですね。原作のAmazonでのレビューでは、ボロクソでかわいそうなくらい。だからNHKも妻夫木くんや阿部ちゃんなど、イケメンで固めたキャストで売ろうとしているのかな。

伝え聞くところによれば、演出が「篤姫」とうってかわって、かなり劇画チックになっているとか。別な意味で面白くなるかも？


by 伊藤正一 (2008-12-15 19:45) 

今回は、川中島の合戦と関が原の合戦と両方描かれるのでしょうか？

篤姫では、薩英戦争が五分ぐらい、鳥羽伏見の戦いが1分半ぐらい、西南戦争は0秒でしたが。
by 小林泰三 (2008-12-15 21:18) 

原作の火坂さんはもともと伝奇アクションが出発点の方ですから、私には本格的歴史小説の書き手という認識はないんですよ。まだ世間的な知名度は低いのにいきなり大河の原作というのは気の毒かもしれませんね。イケメン路線はいいけれど、「篤姫」のようなベテラン俳優があまり出てこないみたいなのでかなり軽めの作品になるかもと思います。
川中島にも関ヶ原にも直江兼継は参加してないと思うんですよね。その場面が出たとしても「篤姫」並みの扱いにしかならないんじゃないかと思います。
by t-kita (2008-12-16 00:05)