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小林繁の死 [追悼]

 昨日届いた訃報がもうひとつ。タイガースのエースやった小林繁さんの訃報 に接する。享年57。死因は心不全。
 江川“空白の一日”ドラフトが中学3年生の時やった。ジャイアンツファンの友だちが「ジャイアンツは正しいんや!」と空しく吠えていたのを覚えている。
 そして小林投手が江川の代わりにタイガースにやってきた。
 かっこよかった。
 しびれた。
 前年までのタイガースは田淵捕手がタイガースの顔やった。いしいひさいちさんの「タブチくん」ほどやないけれど、太くてでかかった。
 一転、小林、江本、真弓らスリムな選手たちがタイガースの顔となった。のちに2003年、金本外野手がやってきてタイガースの顔が体を鍛えた男たちで埋め尽くされるようになったけど、それ以上に大きなイメージの転換やった。監督も戦後のタイガースを支えた長老後藤次男さんから「考える野球」のドン・ブレイザーさんに交代して、こちらもイメージが一新されていた。
 実は、私は小林さんのタイガース時代の姿を生で見たことがない。甲子園に行っても偶然小林さん以外の投手が投げる日ばっかりに当たっていた。
 ところがですね、ジャイアンツ時代の小林さんは生で見ているのですよ。
 やはり中学時代、前述とは別のジャイアンツファンの友だちに誘われて京都の藤井大丸の屋上で開かれたサイン会に行っているのです。前日はタイガースの選手のサイン会が同じ場所であって(佐野、川藤、榊原というようなしぶい顔ぶれでした)、そちらは自分一人でいってサインをもろてきたんやけれど。その友だちは一人でそんなところに行くのはいかんと親にいわれたので、慣れている(らしい)私にお伴を依頼したというわけ。
 タイガースのサイン会は参加者もそれほど多くなく全員がサインをしてもらえたんやけれど、小林投手の場合はもうすごい人出でしたよ。たぶん若い女性ファンが多かったんやろうと思う。そこらあたりは記憶にない。整理券が配られて、小林さんがダーツで偶数番号か奇数番号かの的当てをし、参加者の半数しかサインが貰えないという、なかなかきびしいもの。友だちは外れてしまいがっくり。私はというと、最初からジャイアンツのエースのサインなんかいらなんだから整理券そのものを貰うてなかった。まさかその2年後にタイガースに来るなんて予想もでけなんだしね。
 それにしても、敵ながらかっこええなあと思いましたよ。前の日が川藤さんやからねえ(失礼!)。
 泣きごとを言わずタイガースにきて、余力を残しながら引退。これも実にスマートやった。かっこつけすぎやろという気も当時したけれど。
 それにしても若すぎる。急死というても急すぎませんか。
 ジャイアンツ戦の鬼気迫る投球があったかと思うと、ホエールズ戦では開幕戦で敬遠の球が暴投となってサヨナラ負けを喫するという以外に不器用な面も見せてくれた。
 とにかく、投げるのを見ているだけでわくわくする投手やった。ファイターズのコーチとしてやりたいことはいろいろあったやろうに。もったいない。
 謹んで哀悼の意を表します。

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あずま

小林繁氏の早すぎる死には残念でなりません。私も勝手なことをする江川よりも小林のほうが来ることでウキウキしたことを覚えています。合掌
by あずま (2010-01-19 09:38) 

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