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後味の悪さと「Yの悲劇」 [読書全般]

 新訳再読で「Xの悲劇」と「Yの悲劇」を立て続けに読む。「Xの悲劇」は大切な部分をしっかり記憶してたけど、「Yの悲劇」については犯人と凶器の謎についての記憶のみで細かいところは全く覚えてなんだ。
 覚えてなんだのはなぜか。読了後、なんとなくわかった。
 ものすごく後味が悪いのね、これ。まだ読んでへん方のためになんで後味が悪いかは書きませんけど、ミステリによくある謎解きのあとの爽快感を期待してると裏切られるとだけ書いておきます。
 この1年で、「罪と罰」とか「テス」とか「シャーロック・ホームズ」全巻とかあれこれ再読したけど、新しい発見があったり新たな魅力を感じたりということがあり、若いころに読んだ本の再読もええもんやと思うた。ただ、今回だけは参った。
 さて、残るは「Zの悲劇」と「レーン最後の事件」ですが、新訳が出るまで待ちますけどね、たぶん「Zの悲劇」は面白く読めると思う。「面白かった」という記憶がしっかり残ってるから。「最後」はどうかなあ。不安になってきた。
 てなわけで、今は一転して浅田次郎「中原の虹」にとりかかっております。「蒼穹の昴」は面白かった。「珍妃の井戸」は賛否分かれる作品と思うけど、私は一点を除いて面白く感じた(一点とは、史実として伝えられている珍妃を井戸に投げ込ませた人物をちゃんと書いてないこと。これを書いていたらもっと面白さが増したと思うのに)。「中原の虹」は1巻を読んだ時点ではちょっと散漫に感じる。まあ、「蒼穹の昴」を読んでいたら続編として楽しめはするのですけどね。
 そろそろSFを読もうと思うのですけど、しばらくは「中原の虹」にかかりきりかな。

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コメント 1

midori

『Yの悲劇』は、探偵の態度と云い決断と云い、『最後の事件』への伏線なのではと思わせる描写が多々見受けられます。しかも、『最後の事件』のラストは、明らかに『Y』の最終場面を意識し、呼応させようとしている様子。四部作読了が愉しみですね。
by midori (2010-11-09 18:14) 

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