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赤江瀑の死 [追悼]

 午前中の授業が終わった時点で暴風警報が出たため、午後からは生徒を返す。午後からは明日の試験問題を印刷したりとあれこれ忙しい。
 定時に帰宅。警報が出ている割にはそれほど風も強くなく、無事帰宅できた。帰ってテレビの気象情報を見たら、台風は近畿直撃とはならず、東海地方に向かって進んでいる模様。こういう時、大阪にはあまり大きな被害が出ないんですよねえ。
 作家の赤江瀑さんの訃報に接する。享年79。死因は心不全。
 私は20代のころ、赤江さんの小説をむさぼるように読んだ時期がある。「ニジンスキーの手」やら「獣林寺妖変」やら。耽美的伝奇小説というべきか。文章そのものから漂う蠱惑的な妖しさは他の作家にはない魅力をたたえていた。
 耽美とは何かということを私は赤江さんの小説から教わったように思う。そやから、書評を商業誌でするようになって、女性作家による耽美的伝奇小説を何冊も読んだけれども、常に赤江さんの小説の呪縛みたいなものがあって、高い評価を出せなんだのを覚えている。どうにも中途半端なんですね。耽美ではなく、耽美的なものにあこがれてなぞってるというように感じてしもうたわけです。
 徹底的に美に耽るという意味においては、今後もなかなかこういう作家は出てこないのと違うやろうか。というか、こういう作風を今の時代の読者が求めるかどうか。
 謹んで哀悼の意を表します。

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