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AI入門 [読書全般]

 午前中は授業がひとコマ。空き時間は、大阪府育英会から差し戻されてきた書類を該当生徒あてに配布する準備や転学する生徒の奨学金継続の手続きの書類をそろえたりといった事務作業が中心。午後は慶事が重なったので親睦会から祝い金を渡すことになり、銀行に行ったり、金封に入れて手渡しをしたりと親睦会の仕事でほとんどつぶれる。今日しとかんならんことは一応でけたんで、定時に退散。
 帰宅後はしばらくへたっていて、夕食後は昼間に録画したNHK「上方落語の会」を見る。口演は桂米二師の「風の神送り」。米朝師以外では聴いたことがなかった。あまりやり手のない落語かもしれんな。師匠直伝のきちっとした芸風で、楽しく見られた。ベテランならではの味というものか。
 森川幸人「イラストで読むAI入門」(ちくまプリマー新書)読了。AIについて基本的なことからしっかりと理解しておきたいと手にとった。著者はゲームソフトの開発やCGの作成などをしている人。かつては家電等にマイコンが使用されたりファジィ機能が備わっているのを売りにしたけれど、今はもうそれが当然になっているからわざわざ宣伝しないようになった。だからAIもいずれそのように当たり前にあるものになるだろうというのが著者の意見。そして、AIが家庭や社会に当たり前のものとして入っている社会について予想される姿を描いてみせる。シンギュラリティの問題に関しても著者は楽観的で、人間の持つ能力は高いと、AIが現在できることと比較して指し示す。ただ、読み進めていけばいくほど、AIが当たり前になった世の中は人間から思考力を奪うんやないかという気にさせられてしもうた。AIが社会に普及することによるデメリットも指し示していかないと、対象読者である中高生が勘違いしてしまうんやないかと感じた。AIを悪用することによって引き起こされてしまう犯罪もあるやろうし、ネット依存の例を見ても、ネット社会が必ずしも人間を幸福にしてくれるばかりやないことは明らか。AI依存によって引き起こされる何も考えん人間の増加の心配なんていうのは著者の頭にはないんやろうか。本書でAI入門をしてしまうのは少しばかり危険やないかと感じた次第。そうかあ、プリマー新書にも中高生向けということで歯ごたえのないグミキャンディーみたいなものを書く方もいてるんやと妙なところに感心してしもうたりなんしております。

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