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チャイルド・ファインダー 雪の少女 [読書全般]

 朝から冷えこむ。昼ごろには少しだけ降雨。授業はひとコマだけやけれど、今年度中に片づけとかんならん仕事と来年度に向けた準備や、放課後の会議であっという間に勤務時間終了。定時に退散。
 帰宅して相撲中継を録画で見る。白鵬が休場。そうなるんやないかと思うていたんです。気の毒に鶴竜は一人横綱。しかも3敗目を喫する。今場所もまた横綱不在の場所となるかな。朝乃山が敗れ、三役以上の勝ちっ放しがいなくなった。
 夕食後は妻と録画したアニメを何本か見て、しばらく読書。あとちょっとで読めるというところやったので、一気に読んでしまう。
 レネ・デンフェルド/細美遥子・訳「チャイルド・ファインダー 雪の少女」(創元推理文庫)読了。米国では多数の子どもが行方不明になっているという。作者はもともとジャーナリストで、本書は小説やけれども、実際に起きている事件などが反映されているという。主人公ナオミは行方不明の子どもを探すことを専門にしている私立探偵。3年前に雪深い森林で行方不明になった少女の探索を依頼される。物語はナオミによる少女探索と、森で遭難して罠猟をする男につかまり彼と奇妙な共同生活を送る少女の二つの視点から交互に描かれる。そしてその視点が少しずつ近づいていき、交差したところで発見へと至るわけやけれど、その過程が綿密に描かれているのでどのような形で少女探索がなされていくのかをはらはらしながら読み進めることができる。しかも、ナオミ自身、幼少時に行方不明になって発見され、里親に育てられたという過去を持ち、しかも発見以前の記憶が欠落している。新たな幼児探索の依頼と彼女の過去の秘密などもからみあい、なおかつ物語がこんがらがることなく進んでいく。米国オレゴン州を舞台に、米国の抱える問題を盛りこみながらもサスペンスに満ちた展開で読者を引っ張っていく。いやあ、自分の欠落した部分を埋めるためにひたすら行方不明の子どもたちを探す仕事に没頭するナオミの姿は勇ましくも痛々しい。人間の持つ多面性が子どもの行方不明という事件を軸に描き切られていて、非常に面白く読めた。ナオミの探索の試行錯誤がていねいに描かれているからこそ、結末へ至る物語終盤のたたみかけが生きている。ナオミの過去にかかわる部分は未解決やけれど、すでに続編が書かれているそうなので、その訳出に期待しよう。予備知識なしにストーリー紹介だけ読んで手にとったけれど、これは掘り出し物。自ら見つけて訳出したという細美さんに感謝。

 1月19日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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