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シャーロック・ホームズたちの新冒険 [読書全般]

 考査最終日。今日は答案の受け渡し役。返ってきた答案の枚数確認など、生徒に不利益がないように入念に点検する。出席していたはずの生徒の答案がなかった……なんてことがあってはいかんからね。
 チェックのすんだ答案を鍵のかかるロッカーに片付ける。あとは教科担当の先生が取りにくればそれでよし。
 午後は事務作業をすませて採点。昨年の授業で使用したパワーポイントの修正などを行う。日本の首相を菅から岸田に入れ替え、ドイツの首相をメルケルからショルツに。確か昨年は日本の首相を安倍から菅に入れ替えたなあ。第二次安倍政権までは、第一次安倍→福田(康)→麻生→鳩山(由)→菅(直)→野田とほぼ1年ごとに首相が交代したんで、前任校の教材を毎年修正していたなあ。
 採点は一応やったけれど、点数計算にミスがあるようなんで、1日置いて頭を切り替えてから見直しをしよう。なんだかんだで定時より少しだけ遅れて退出。帰宅後はスマホをいじったり本を読んだり。食後も読書。明日からは授業再開。ただし、懇談等もあるので今月は午前中で終了というケースが多い。明日も午前で終了。午後からは採点に専念したいものです
 田中啓文「シャーロックホームズたちの新冒険」(創元推理文庫)読了。前作「シャーロックホームズたちの冒険」同様、歴史上の人物が名探偵となり、それぞれに趣向を凝らしたパスティーシュを展開する。なぜ手塚治虫はトキワ荘の一室を借りることになったかの真相(?)を描く「トキワ荘事件」、明智小五郎を殺した犯人をもう一人の明智が推理するという、乱歩先生もびっくりの「ふたりの明智」、黒後家蜘蛛の会にアシモフが出席し、「2001年宇宙の旅」の謎を解明しようとする「2001年問題」、正岡子規と高浜虚子が、松尾芭蕉の死の謎に迫る「旅に病んで……」と、ここまではホームズは一切登場しない。それぞれが名探偵役をつとめる。満を持して(?)ホームズが登場。探偵にならずヴァイオリン奏者になったホームズと医師として生涯をすごしたワトスンが、ホルスト「惑星」の初演の演奏会で出会い、楽団員の死に遭遇する「ホームズ転生」は、あり得たかもしれない二人の邂逅を描く意欲作。いずれも驚くトリックと遊び心と地口がつまった秀作ぞろい。たとえホームズについてくわしくない人や、それぞれの人物について知識のない人でも楽しめるよう趣向を凝らしている。何気ないところでもよう調べてあるなあと感心する。「惑星」の初演など、相当の知識がないと描かれへんぞ。田中さんの本領発揮の一冊。

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