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七つの仮面 [読書全般]

 朝からだるいが、なんとか出勤。午前中はインターンシップ関係の文書作成などをする。けっこう頭を使い、疲れたけれど、午後は成績処理関係の作業があって、そちらに集中。終了後は少し休憩してから来年度に向けて文書作成など。
 定時に退出したけれど、バスは目の前で出ていき、風の吹く中10分ほど待たなならんかった。よけいしんどい。
 帰宅してすぐに寝床にどぶさりスマホをいじったり読書をしたり。夕食後も読書。明日は球技大会の補助にかりだされて午前中はグランドに出てんならん。寒くならんことを祈る。
 横溝正史「七つの仮面」(角川文庫)読了。いずれも女性が被害にあう殺人事件を集めた短編集。聖女と呼ばれていた女性の素顔を暴く表題作のほか、変死した女占い師の裏の顔に迫る「猫館」、抱き合ったまま死んでいた男女にかかっていた硫酸の謎を解く「雌蛭」、人気作家の買った屋敷から見つかった女性の死体の謎を描く「日時計の中の女」、海の上の別荘から望遠鏡でのぞきをしていた男がボートに乗っていた女性の死体を見つける「猟奇の始末書」、受験生が深夜に殺人を目撃し思い悩む「蝙蝠男」、縁者を集めた女主人がその夜に密室で殺されてしまう「薔薇の別荘」を収録。
 舞台は昭和30年代前半から中頃のものばかりで、金田一耕助の推理もあまり冴えていない。ミステリとしてはどうやって殺されたかを解き明かすものはほとんどなく、なぜ、誰に殺されたかがテーマやけれど、出てくる女性がいかにも不道徳で自堕落というのが多く、痴情のもつれが原因という作品がほとんど。
 おそらくそういうエログロなものを求められて量産していたんやないかと思う。受験生の視点から描かれた「蝙蝠男」だけは趣向を凝らしているという感じやけれど、全体に書き飛ばしたという印象が強い短編集。なるほど、こういうものばかり書き飛ばしていたのでは、昭和50年代に角川映画のおかげでブームが起こるまでほとんど忘れられていたに等しかったのも無理はないと感じさせられた。

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