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グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船 [SF]

 今日は定休日。昨日までの暑さでばてばてやったんやろう、ゆっくり目に起床した上に、新聞を読んでいる途中でふっと寝落ち。朝食をとりながら録画した番組を見る。昼前に駅前の耳鼻科まで行く。まだ青洟混じりの鼻水が出るので、かなりしつこめに吸い取ってもらう。そのかわり耳の方はほとんどよくなっていて、両耳をびびくらいの通気。
 帰宅後、昼食をとると、また眠くなり、午睡。その間に妻は日帰り帰省。夕刻起き、社説のダウンロードなどをしてから、妻が帰宅するまで読書をしたり、日刊スポーツのサイトでカープとベイスターズの試合経過を確認したり。おっ、ベイスターズが意地を見せてカープに勝ったぞ。タイガースのマジックナンバーは12に減った。試合のない日に対象チームが負けてマジックナンバーが減るのは理想的ですね。ということは、もし明日からのカープとの直接対戦で3連勝したら一気に6まで減ることになる。ただ、カープは手強いチームなんで、そんな簡単に勝たせてはくれんやろうけれど。3連敗せなんだらそれでよし、というところ。うわぁ、なんという上から見下ろすようなものの言いようをしているんやら。人間もっと謙虚でないといかんな。
 妻が帰宅し、夕食後、読書。高野史緒「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」(ハヤカワ文庫JA)読了。並行世界に存在する若い男女が、飛行船を目撃した記憶でつながり、不思議な交流をする物語。夏紀の世界では飛行船グラーフ・ツェッペリンは世界一周航行の際に茨城の土浦で炎上している。登志夫の世界ではグラーフ・ツェッペリンは無事土浦に着陸している。夏紀の世界では宇宙への進出が進んでいるが、インターネットやパソコンはまだまだ一般化していない。登志夫の世界では宇宙開発は遅れているが、量子コンピュータが開発され運用されている。この並行世界の設定など、非常に絶妙やと思うたね。登志夫が夏紀とコンタクトできたのは量子コンピュータの性能のおかげで、夏紀が登志夫とコンタクトできたのは……これは物語の根幹に関わるところなんで、伏せておきましょう。この二人のコンタクトから世界の姿は大きく変わっていく。その描写も高野さんならではの大胆かつ繊細なもの。むろん、高野さんの歴史に対する造詣の深さがそれを可能にしていることは言うまでもないでしょう。これまで、いろいろな方法で歴史改変を綴ってきた高野さんが、今回はみずみずしい青春ドラマでそれをやってのけた。少しノスタルジックで甘酸っぱいのは、若手作家には決して出し得ない味わいというものやろう。そして、おっさんである私などにとっては胸がしくしくくるような結末。世界の大きさに関わる小さな個人。そこらあたりの塩梅も絶妙としか言いようがない。若い人はもちろん、年配の人にもぜひ読んでいただきたい佳品であります。

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