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やぶにらみの時計 [読書全般]

 愛すれどTigers「岩崎、大竹、村上、中野がタイトルに近づく」を更新しました。

 今日は出勤日。朝、出勤する時は涼しかったけれど、昼からまた暑くなり、夕刻は風もなく蒸し暑い。なかなか本格的に秋は来ないねえ。
 今日はお仕事をたっぷりして、へろへろになって定時に退出。帰宅時にベースボールマガジン社のタイガース優勝記念号を買う。ぱらぱらと目を通しただけやけれど、スポーツ新聞の発行するものとは違う作りになっていて、読み物としての面白さはこちらかな。
 梅野より坂本の方を大きくページを割いていたりするあたり、スポーツ紙よりも少し離れたところから公平に活躍した度合いを見ているという感じがする。
 もっともスポーツ紙の特集号は優勝決定からほとんど間をおかず出しているんで、シーズン中の紙面からの引用が多いという、各紙苦心したあとがよくうかがえるものではあるけれど。
 帰宅後、しばらく寝床でどぶさり、ようやく起きてナイター中継を追っかけ再生で見る。今日の中継はBS1。バンテリンドームがまた鬼門になったみたいに連敗したけれど、CSまでにうまいこと調整してほしいものです。
 都筑道夫「やぶにらみの時計」(徳間文庫)読了。徳間文庫の都筑道夫復刊シリーズの1冊目。海外ミステリの翻訳を続けていた作者が、本格的に長編ミステリの創作に挑んだもの。舞台は1960年の東京。二人称で語られるという少し凝った作り。ある日突然、自分の知らない人物として扱われ、自分の部屋に探りに行ったら、そこでは自分のことは知らないと言われる。自分が何者かを調べるところで知り合った探偵役の青年たちの協力もあり、自分を別の人間に仕立てあげたトリックを解明できたのだが……という話。ウィリアム・アイリッシュを思わせる謎解きは非常に面白いのだが、変な殺し屋を出してきたり、あまりスカッとしない結末を選んでみたりと、なんとかこれまでにないものを書きたいという意欲や、海外ミステリへの意識などがいささか空転しているところがある。ただ、松本清張の社会派ミステリが人気を得てきた時期にこういうトリッキーなものでミステリ作家として再デビューしたというところが作者らしい。おまけに単行本未収録の連載小説の1話が掲載されていて、続く復刊シリーズをそろえたら残りが全部読めるということやけれど、昔の角川文庫などで既に持っている人がもっていないものだけそろえようとした場合、この連載は非常に不親切。都筑道夫に初めて触れる若い読者向けのサービスなのかもしれんけれど、本書だけがまた品切れ絶版になって他のものに重版がかかったりしたらどうする気なのか。それならば「幻の未完の連載一挙収録」という方が読者に対して親切やないかと思うんですけど、如何。

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